【事例】全国各地の色々な部署の社員の自発的な手上げから生まれる「パーパスカードゲーム」のファシリテーターと、MYパーパスを起点とした価値創造の風土の現れ(SOMPOホールディングス)

組織名

SOMPOホールディングス株式会社

業界業種

保険業

事業内容

国内損害保険、海外保険、国内生命保険、介護・シニア、デジタル・ヘルスケア

従業員数(連結)

70,034名(2025年3月31日時点)

私たちプロジェクトデザインは、人と組織、社会の変革をビジネスゲームで支援する会社です。お客様の変革課題に向き合い、変革への挑戦をシミュレーションするビジネスゲームを活用した様々なサービスやソリューションをご提供しています。

本稿では、「ビジョン・パーパス浸透」の変革支援の事例として、SOMPOホールディングス株式会社(以下、SOMPOホールディングス)とプロジェクトデザインが共同制作した「パーパスカードゲーム」の制作背景や活用実績に関する内容をご紹介します。

今回制作した「パーパスカードゲーム」は、個人と組織のパーパスを重ね合わせる、SOMPOホールディングスならではのアプローチを体験するゲームです。心の内に自分のパーパスを持つことによって、自身の考え方や行動、周囲との関係性、さらにビジネスの結果がどのように変化するのかをシミュレーションできます。社員が会社のパーパスと自身の業務を結びつけ、自分らしくチャレンジしながら働くことでやりがいや幸せを実感すること、イノベーションの創出を体感することを目的としています。

この取り組みを推進されたサステナブル経営推進部の伊原様と安藤様にお話を伺い、ゲームの体験価値がもたらした反響についてお届けします。

<お話を伺った方>
SOMPOホールディングス サステナブル経営推進部 伊原明日香 様、安藤知英 様

<インタビュアー>
株式会社プロジェクトデザイン 代表取締役 福井信英

左から安藤様、伊原様、福井

<企業プロフィール>

SOMPOホールディングスは、「“安心・安全・健康” であふれる未来へ」というパーパスのもと、保険の枠組みを超えた独自の価値提供を続けています。「損保ジャパン」による国内損害保険事業を筆頭に、海外保険、そして国内生命保険事業を通じた健康応援の取組み、介護事業や各種ヘルスケアなどのウェルビーイング事業を展開。社会から必要とされ、信頼され、持続的に安心を届けられる存在であり続けるため、グループ全体の「レジリエンス」向上の鍵となる企業文化と「MYパーパス」の進化・実現に取り組んでいます。

「会社のパーパス」と「MYパーパス」の2つの切り口でSOMPOらしいMYパーパスを起点とした価値創造の取り組みに挑戦

―御社で先進的に進めていらっしゃる「MYパーパスを起点とした価値創造の取り組み」について、現在の状況を教えていただけますか。

伊原様:SOMPOホールディングスでは、社員一人ひとりが人生の目的(MYパーパス)に向き合い、それを日々の行動につなげることが、会社のパーパスである「“安心・安全・健康” であふれる未来へ」の実現につながると考えています。

そのため、2021年からMYパーパスを起点とした価値創造の取り組みを本格的に進めています。

MYパーパスの取り組みは単なる理念浸透ではなく、個人の内発的な動機づけを仕事の原動力にする文化づくりそのものです。組織としては、MYパーパスの言語化支援や対話の機会づくり、そしてエンゲージメント向上やチャレンジを生む仕組みづくりを通じて、“個人の想い” と “会社のパーパス” が重なり合う価値創造の流れをつくっています。

※MYパーパスとは、自分自身はどのような人間なのか、自分にとっての幸せとは何か、自分自身が人生において成し遂げたいことは何か、といった「人生の目的」あるいは「働く意義」を指します。

―御社のMYパーパスを起点とした価値創造の取り組みでは、会社のパーパスを一方的に押し付けるのではなく、社員一人ひとりのMYパーパスをとても大切にされているのですね。

伊原様:その通りです。MYパーパスを起点とした価値創造の取り組みの原動力は、多様なバックグラウンドを持つグループの社員一人ひとりです。

仕事や働き方に関して「会社の中に自分の人生を置く」という考え方から「自分の人生の中に会社を置く」という価値観へのパラダイムシフトが進んでいる時代においては、何よりもまず、社員一人ひとりが自分の人生におけるMYパーパスに向き合うことが大切であると考えています。

そして、社員一人ひとりのMYパーパスを起点に、会社とMYパーパスを重ね合わせることで個の力を組織の力に変えること。そして、事業の垣根を越えた連動や連携を生み出し、双方のパーパスの実現を目指しています。

私たちサステナブル経営推進部は、社員一人ひとりが「自分ごと」としてパーパスを体現することを支援しています。

MYパーパスとSOMPOのパーパスが重なる様子が表された図

―MYパーパスの浸透や、社員一人ひとりがMYパーパスを体現することの支援の状況はいかがでしょうか?

伊原様:そうですね、「MYパーパスを仕事で実現していこう」という思いを持った人が増えたと思います。

SOMPOグループには「すべての挑戦に、エールを。」をコンセプトにしたグループ横断の表彰制度「SOMPOグループアワード」があります。

本制度は、社員一人ひとりの想いに基づいたチャレンジを後押しすることで、SOMPOらしい価値創造へとつなげ、多様性や人とのつながりを大切にするカルチャーを創造・拡大することを目的に創設しました。

アワードではMYパーパスを会社や組織のパーパスと重ね合わせ、チャレンジすることを推奨しています。こうしたアワードがあることで、自らの想いを原動力とする活動が評価される文化が根付き、社員の間でも「やっていくと良い」という風土が醸成されています。

想いのこもったパーパスの実現に向けた取り組みが表彰され、すでに変化を生んでいるものもあれば、アワードをきっかけにこれから進める取り組みもある状況です。

―なるほどです。ちなみに、MYパーパスの浸透や、社員一人ひとりがMYパーパスを体現することの支援における課題はありますか?

伊原様:MYパーパスをつくってから時間が経つにつれて、「MYパーパスを覚えていない」「周りに話す機会がない」など、社員の間で意識の差が生まれています。

この課題に対して、私たちは「自らの想いや原動力、やりがい、イキイキ働くこと」と捉えるMYパーパスの本質的な部分を社員に伝え、意識を高めることが重要だと考えています。

―そのためのツールとして、「パーパスカードゲーム」がつくられたのですね。

伊原様:はい。パーパスという概念は、皆が「大切だろうな」と認識しながらも、その言葉だけで聞くと抽象的で「モヤッ」としてしまうものです。

だからこそ、座学での学習ではなくて、「パーパスカードゲーム」を通じて体感的に理解を深めることが良いと考えました。ゲームを通じてパーパスを体験することで、業務の中でも自身の軸としてMYパーパスを持っておくことの大切さを認識できると期待しています。

パーパスカードゲームとは

「パーパスカードゲーム」は、現実社会を模したゲームの中で、参加者が様々な業種の企業の一員になりきって課題解決にチャレンジしていくシミュレーションゲームです。

自分の心の内にMYパーパスを持つことによって、自身の考え方や行動、周囲との関係性、さらにビジネスの結果がどのように変化するのかを体感することができます。

参加者は、金融・保険、介護、教育、ICT・DX、農業など、事業と社会への貢献を目指す10種類の企業(役割)の中から1つを担当し、役割ごとに定められたゴール達成を目指します。企業のパーパスを踏まえて、「社員としてどのように仕事に取り組むか」を考えて行動します。

「パーパスカードゲーム」は、個人と組織のパーパスを重ね合わせるという、SOMPOホールディングスならではのアプローチをゲームの中で体験することによって、自分らしくチャレンジしながら働くことのやりがいや幸せを実感すること、イノベーションの創出を体感することを目的としています。

パーパスカードゲーム

全国各地の色々な部署の社員の自発的な手上げから生まれる「パーパスカードゲーム」のファシリテーターと、パーパス経営の風土の現れ

―カードゲームは現在どのような状態で使われているのか、どんな成果が生まれているか、具体的な事例とともにお伺いできますか。

伊原様:「パーパスカードゲーム」は2025年1月に展開を開始しました。

     参照:オリジナルワークショップ「パーパスカードゲーム」の提供開始

体験者からの口コミを中心に、「体験したい! 使いたい!」という人が増え、短期間であっという間に1,000人規模の参加者に達しました。そして自走していく形で、カードゲームが広がっていく状況が始まりました。

「パーパスカードゲーム」の様子

―実施回数も飛躍的に伸びたのでしょうか。

伊原様:はい、全国各地での開催が急増しました。

特に嬉しいのは、いろんな部署が自発的に手を挙げていることです。全国各地の社員で「パーパスカードゲーム」の進行を担うファシリテーターが生まれています。

―御社の取り組みで際立っているのが、社員が自ら手を挙げてファシリテーターになれる点です。どのような方が、どんな思いで手を挙げられているのでしょうか。

伊原様: 「パーパスカードゲーム」の取り組みに心から共感し、「このカードゲームはツールとして分かりやすい。自分の部署に広めたい」「まずは自分たちがパーパスの取り組みを知ってみよう」「エンゲージメント向上やチームビルディングを推進したい」という強い思いで立候補してくださる方がいます。

安藤様: 彼らは「そのエリアではまだチャレンジなどができていない人も多い。このカードゲームを活用して活性化したい」という思いで来てくれているのです。

会社が伝えている「パーパスを活用して仕事も人生もより良いものにしていこう」というメッセージが、ゲームを通じて深く理解できるようになった側面もあると思います。

―御社の社員の方々の自主性の高さに驚かされます。

安藤様: 本当にそう感じます。東京本社開催の体験会に、地方から参加してくれた社員がいました。すごいですよね。感動しました。

これは、MYパーパスを起点とした価値創造の風土の現れだと思います。

カルチャーを変えようと思っている人が増えてきており、そういった思いを持っている人たちが各地にいてくれると、自走していく力がより大きくなって、ムーブメントになっていくのだと感じました。大きな期待を持っています。

MYパーパスの共有から生まれる仕事へのやりがいと一体感のある風土

―「パーパスカードゲーム」参加者からは、どのような声が寄せられていますか?

伊原様:まず、「仕事へのやりがいを再認識できた」という声が圧倒的に多いです。

「ゲームを通じて仕事のやりがいを見つめ直し、企業のパーパスと重ね合わせることで、自分の仕事の意味を実感できるようになった」という感想を多くいただいています。

また、単純なチームビルディングの効果も大きいです。「一緒に働いている仲間の今まで知らなかった側面を深く知ることができ、相互理解が深まった」という声ももらっています。「パーパスカードゲーム」の真の価値は、対話を通じた自己認識とチーム理解の深化にあると言えます。

―ゲームの中で互いのパーパスを共有する機会が、各拠点で良い影響を出しているのですね。

伊原様: その通りです。

MYパーパスをつくっても、周りに共有せずそのままにしてしまう方は結構いらっしゃいましたが、「このゲームで改めてMYパーパスを思い起こし、自分自身が大切にしていることを再認識できるようになった」という声が多くありました。さらに、「他の人にMYパーパスを知ってもらうことによって『より一緒にやっていこう、助け合っていこう』というような、一体感のある風土が生まれる」というお声もいただいています。

―ファシリテーターをやっていて、特に嬉しかった瞬間があれば教えてください。

伊原様:やはりゲームということもあり、他の研修に比べてすごく盛り上がる印象があります。複数の部署からメンバーが集う、初対面同士のシチュエーションにおいても、すぐに打ち解けられて仲良くなれるツールですね。

また、特筆すべきは、アンケートの回答です。

例えば新入社員からは「就職活動時に抱いた『この会社で自分がこうなりたい』という想いを、忙しさに追われて忘れつつありました。このゲームを体験して思い出すことができ、明日から前向きに働けそうな気がします」という声がありました。

こうした深い気付きや前向きな意欲につながる感想を多数いただいていることが嬉しいなと思っています。

―それは嬉しいですね。では、ゲームを体験した後の行動設計についてなど、使っていて難しい点や、今後改善したい点はありますか?

伊原様: 懸念点は、このゲームが「きっかけ作りのツール」で終わってしまうことです。ゲームを通じて意欲が高まっても、その後の忙しさに追われて意欲が落ちてしまう可能性があります。ゲームをやって終わりにしないために、その後のサポートをしていくことが大切です。

このフォローアップの難しさに対する工夫として、ゲーム後のふり返りのワークを追加しました。これは、MYパーパスと会社のパーパスを重ね合わせながら、仕事上の課題とそれに対するマイアクションを考えてもらうものです。自分で言語化することで、行動が一定変わることを期待しています。

MYパーパスと会社のパーパスをつなげる視点を書き出すワーク(「パーパスカードゲーム」スライドより)

―気づきを得た後の意欲が落ちてしまわないように、フォローアップされているのですね。

伊原様: はい。考えたマイアクションはアンケートに必ず入力してもらい、集計した内容を実施部署の事務局へ送るようにしています。

ある部署では、リーダーがそれを見てふり返りの機会を設け、「あなたのMYパーパスを見ると、こういう想いがあって、こんなマイアクションを考えているんだね。じゃあ実際にどうしてみる?」と、対話を通じて行動に向けて考えられた事例がありました。

こうした動きは強制できませんが、広まっていくようなきっかけにしていきたいです。

損害保険ジャパン株式会社の本社ビル1階にある、SOMPOのパーパスを表現する大壁画(未来の象徴である「子どもの笑顔を守ること」、「私たちはいつでもここにいる」という存在意義を表現)

「パーパスカードゲーム」の今後の展望

―今後、サステナブル経営推進部として、カードゲームの活用をどのように広げていかれるお考えですか?

伊原様: 今後はさらに全国にファシリテーターを増やしていきたいと思っています。

全国に拠点があり、地域に根づいて事業を行っているSOMPOグループだからこそ、みんなにパーパスの重要性や取り組みを知ってもらうには、全国でやっていかないと意味がないと思っています。

「パーパスカードゲーム」にはコミュニケーションの活性化や、SOMPOの取り組みを知ることができる効果があるので、SOMPOグループ全体の新入社員研修でも使ってもらえるように働きかけていきたいですね。

―社外のお客様向けという意味ではいかがでしょうか?

伊原様:「パーパスカードゲーム」は、パーパスや経営方針の浸透はもちろん、社員の働きがいやチームビルディングの活性化など多面的な効果が期待できるため、社員の働きがい・やりがいに悩む経営者の方々からの反響もあります。

―様々な業種で幅広く体験できるようにしたことで、企業理念と個人のパーパスをつなぐ場として全国的に展開されているのは大変喜ばしいですね。最後に、お二人から伝えておきたいことがあればお願いします。

伊原様:今回、この「パーパスカードゲーム」をプロジェクトデザイン社さんに制作していただけたことがすごく良かったです。先ほども申しましたが、「パーパスカードゲーム」はカードゲームだからこそ、体験を通してSOMPOのパーパスとMYパーパスを重ね合わせ、自分ごとにできるなど、得られる効果が多かったと思っています。

安藤様: 私も、カードゲームだからこそ、自然と「やってみよう」という社員が多くなるのかなと思っています。こういったツールがあるからこそ、パーパスに関する取り組みや理解が進んできていますので、我々としても非常に重宝しています。

会社が変わっていくんだと実感させてくれるツールが社内で今展開できているのは、非常に嬉しいですし、これが今後、このグループや会社の中にどう根付いて変わっていくのかを期待しています。

―「パーパスカードゲーム」がMYパーパスを起点とした価値創造の取り組みの一環として全国の社員に伝わりパーパス浸透に役立っていること、そして、社外のお客様にとっても価値あるツールとして活用いただいていることを嬉しく思います。ありがとうございました!

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私たちプロジェクトデザインでは、組織が掲げるビジョンやパーパス(あるいは、経営戦略や中期経営計画など)を組織内に浸透させるためのビジネスゲームを制作するソリューション「ビジネスゲーム制作 for ビジョン・パーパス浸透」をご提供しています。

ビジネスゲームでは、ビジョンやパーパスを活用することがビジネス活動に大きな価値をもたらすことをシミュレーションを通じて実感できます。ビジョンやパーパスの活用による成功体験(または、ビジョンやパーパスを軽んじることによる失敗体験)と、その体験をもとにした対話によってビジョンやパーパスに対する意識を一段高め、組織の掲げるビジョンやパーパス浸透の土壌をつくります。

また、制作したオリジナルビジネスゲームは貴社の自社商品としてそのまま活用いただけます(ご要望によっては貴社のオリジナルビジネスゲームの展開支援も承っております)。

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