新入社員研修の内容・カリキュラム設計マニュアル

新入社員研修は、どのような内容にするべきか?

新任社員とは会社の未来を担う人材です。彼・彼女らが新入社員が身に付けるべき知識・能力は多岐に渡ります。だからこそ、新入社員研修の内容やカリキュラムの設計に頭を悩ませる人事・研修担当者は少なくありません。

この新入社員研修の内容・カリキュラム設計マニュアルが、貴社ならではの新入社員研修の検討を進める際にお役に立てることがあれば幸いです。

Contents(目次)

新入社員研修の内容

はじめに、一般的な新入社員研修の内容を解説します(解説は抽象的な説明に留めていますので、ざっと眺めていただくだけで大丈夫です)。

新卒向けの新入社員研修の内容

社会人マインド

新卒の場合、入社直後は「教えてもらえるのが当たり前」という受け身な意識(お客様マインド)の状態にある方が多いものです。しかし、そんなマインドはビジネスの世界では全く通用しないということは言うまでもありません。いち早く社会人マインドに切り替える必要があります。

  • 自分から主体的に仕事に関わる
  • 周囲の期待に応えることを意識する
  • チームワークで仕事に取り組む

新入社員研修は、これらの社会人マインドを醸成する絶好の機会になります。

ビジネスマナー

右も左も分からない状態にある新卒の新入社員は、ビジネスマナーという社会人の常識を学ぶ必要があります。

挨拶や身だしなみ、電話応対や来客応対、名刺交換や報連相、メールコミュニケーションなどの様々なビジネスマナーを体系的に身に付けるためには一定のまとまった時間が必要だからこそ、新入社員研修の場が最適な機会となります。

汎用的なビジネススキル

G-PDCAサイクルやタスクブレイクダウン、タイムマネジメントやロジカルシンキングなどの汎用的なビジネススキルは、OJTや実務経験を通じた専門的なビジネススキルを獲得していく上での土台になります。

関係構築

新卒の新入社員が仕事を円滑に進めるためには、同期同士の関係性の構築が必要不可欠です。楽しさや苦しさを共有できる同期との繋がりは、新卒入社の新人にとって精神的な支えとなります。

そして、同期同士の繋がりを築く上で、新卒の新入社員が一堂に会する新入社員研修の場は、格好の機会となります。

会社理解

新卒の新入社員の定着や活躍を後押しする上では、会社理解も大切です。

自社の経営理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の取り組みを新入社員研修の場で伝えることで、新入社員の会社への帰属意識を高めることができます。

第二新卒向けの新入社員研修の内容

社会人マインド

第二新卒の新入社員は社会人経験が少ないがゆえに、十分な社会人マインドが形成されていない可能性があります。

前職の仕事環境に馴染めずに社会人マインドが形成される前に離職をされた人もいる前提で、新入社員研修の場で社会人マインドの醸成をすることが推奨されます。

汎用的なビジネススキル

第二新卒の新入社員には学び直し(我流でやっていることの矯正)を兼ねて、新卒の新人と同様に汎用的なビジネススキルの習得を促すことがお勧めです。

その上で、新卒向けでは講義形式にしていた研修プログラムを実践形式(ロールプレイングやケーススタディ)に変更するのは有りです。第二新卒には社会人経験があるからこそ、実践形式の方が適している側面があります。

会社理解

第二新卒の新入社員の中には会社への帰属意識の低下が離職・転職理由になっている人もいる可能性があります。

新卒向けの新入社員研修と同様に、自社の経営理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の取り組みを伝えることが強く推奨されます。

中途向けの新入社員研修の内容

社会人マインド

中途の新入社員は人それぞれです。

  • 現場の第一線で活躍し続けてきた人
  • ライフイベント(結婚や出産や介護)を理由にした離職期間のある人
  • 全くの異業種から転職した人

その人のバックグラウンドによってマインドが異なることを前提に、中途向けの新入社員研修では、自社特有の社会人マインドを伝えること(中途の方がこれまでに形成してきたマインドをアップデートすること)を推奨します。

業務知識

中途の新入社員には専門的なビジネススキルが身についているものですが、即戦力としての活躍を期待するのであれば、社内システムの使い方や決済や承認フローの仕組み、会議や報連相などの社内コミュニケーションのルールなど、自社の業務知識(仕事を進める上で必要になる知識)を伝える必要があります。

OJT的にその場その場で必要な業務知識を伝えるのではなく、中途向けの新入社員研修の場でまとめて伝える方が、教える側・教わる側双方の負担を軽減できます。

会社理解

中途の新入社員が自身のパフォーマンスを発揮する上では、会社理解が必要不可欠です。

  • 会社の価値観(MVVやD&Iなど)
  • 組織風土
  • 各部門の役割
  • 部門間の関係性

このように、会社のことを深く理解するほどに、中途入社の新人は自身の仕事の取り組み方を最適化させやすくなります。

新入社員研修の内容・カリキュラムの設計フロー

一般的な新入社員研修の内容を把握した後は、いよいよ自社の研修の内容・カリキュラムの設計です。下記の流れで進めていきます。

  1. 現状把握
  2. 目標設定
  3. 研修内容・カリキュラムの検討
  4. 新入社員研修のスケジュール化

1. 現状把握

初めにやるべきことは、新入社員研修の現状把握です。

過去の新入社員研修ではどんな効果が出ていて、どのような課題を抱えているのか。新入社員研修を設計していく上で必要になる情報(検討材料)を集めましょう。

若手社員へのアンケート

過去の新入社員研修の効果や改善点を調べるアンケートを若手社員を対象に実施します。この時、自身のことを振り返る設問だけではなく、来年度以降の新入社員に身に付けてほしいマインドセットやスキルセットについての要望を聞く設問を設計することを推奨します。

マネージャーへのヒアリング

新入社員の配属部署のマネージャー(管理職)に対して、新入社員研修の効果や新入社員研修に対する期待値をヒアリングしましょう。

実際にヒアリングをしてみる中では、マネージャーが新入社員研修に対する期待値を上手く言語化できないケースもあります。

そういった際には、どのように新人を育成していくべきかについて、マネージャーと対話を重ねることが大切です。

2. 目標設定

次にやるべきことは、新入社員研修で到達すべき目標の設定です。

現状把握の工程で明らかになった改善点や現場の要望を、目標にどの様に反映するかを検討しましょう。目標を設定することで、目標に到達するための研修内容・カリキュラムを考えやすくなります。

また、経営陣や配属部門のマネージャーなどの意思決定者と新入社員研修の目標を握っておくことも重要です。新入社員研修の内容・カリキュラムがほぼ固まったタイミングで生じることのある “ちゃぶ台返し的な意思決定者の介入” を防ぐことができます。

ちなみに、初めて新入社員研修を検討する場合は、目標を考える難度が高くなります(何事も前例がない状況で適切な目標を立てることは難しいものです)。
そんな場合にお勧めなのが社会人基礎力です。

“職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力” を意味する社会人基礎力は前に踏み出す力・考え抜く力・チームで働く力の3つの能力(12の能力要素)から構成されています。

参考:社会人基礎力(METI/経済産業省)

この社会人基礎力を下敷きに、自社の新入社員研修の目標を検討することを推奨します。

3. 研修内容・カリキュラムの検討

目標設定を終えた後は、具体的な研修内容・カリキュラムの検討に入ります。

目標に到達する手段(研修内容・カリキュラム)をどうするのか? それは、幾つもの視点で検討を重ね合わせる中で、最適解が見えてきます。

リソースの視点

現実的なリソースの制約で考えていくことで、研修期間や研修実施回数、研修内容を外注すべきか内製にすべきかが見えてきます。

まずは時間の制約

新入社員や研修担当者が使える時間はどれぐらいあるのか。時間をたくさん使える場合は新入社員研修の期間を長く取ることができます(新入社員のフォローアップ研修も実施できるかもしれません)。逆に、現場部門の要請で新入社員研修に使える時間が3日間しかない場合、それを前提に研修内容・カリキュラムを検討する必要があります。

次に予算の制約

新入社員研修の予算が潤沢にある場合は高い効果が期待できる研修を外注中心に組み立てることが可能です。予算が少ない場合は内製中心とならざるを得ません。

そして人の制約

社内講師が育っている場合は内製の研修が実現可能ですが、そうでない場合は外注の研修を前提とする必要があります。

研修プログラム構成の視点

新入社員研修ではどんなプログラムをどういった順番で実施するのか。この研修プログラム構成(研修全体の流れ)が学習効果に影響します。

例えば、ビジネススキルを学ぶプログラムは、部門紹介プログラムを実施した後に実施することが有効です。部門紹介の中でビジネススキルを学ぶことの意味や意義を説明することで、研修受講者のビジネススキルを学ぶことの目的意識が強化され、その後に実施するビジネススキルを学ぶプログラムの学習効果を高めやすくなります。

研修手法の視点

研修対象者や研修目標によって最適な研修手法は異なります。

社会人経験のない新卒の新入社員には知識習得を優先させる必要があるので講義(座学)がお勧めです。一方で、社会人経験のある新入社員(中途や第二新卒)には実践的なスキル習得のためにロールプレイングやグループワークなどの研修手法を推奨します。

開催形式の視点

新入社員研修は集合研修で行うべきか、オンライン研修で行うべきか。

基本的にはどんな状況にも柔軟に対応できるようにするために、集合研修とオンライン研修のハイブリッド開催の準備を整えることが推奨されます。

4. 新入社員研修のスケジュール化

最後に、検討した研修内容・研修カリキュラムを年間のカレンダーに落とし込んでいきます。参考までにスケジュール例をご紹介します。

新卒向けのスケジュール例

4月:新入社員研修
新卒向けの新入社員研修は入社式直後からスタートするケースが一般的です。社会人マインドの醸成・ビジネスマナーの習得・汎用的なビジネススキルの習得・関係構築・会社理解の研修プログラムを実施します。

5月~8月:OJT
新卒入社の新人が配属直後に即戦力で活躍するケースはほとんどありません。新人は上司や先輩社員のOJTのもとに徐々に力をつけていきます。育成を強化する上では新入社員をサポートする役割を担うメンターをアサインすることもお勧めです。

9月~10月:フォローアップ研修
この時期は成果を出している新人と成果が出ない新人に明暗が分かれてくる時期だからこそ、フォローアップ研修によって伸び悩んでいる新人のサポートをすることが推奨されます。ストレスに慣れていない社会人1年目の新卒入社の新人には、メンタルケアやモチベーションアップのための研修内容・カリキュラムが効果的です。

第二新卒向けのスケジュール例

入社月:新入社員研修
第二新卒の新入社員は入社タイミングがそれぞれ異なりますが、可能な限り早いタイミング=入社月に新入社員研修を実施することが推奨されます。

~入社3ヶ月:OJT
新卒入社の新人と同様に、第二新卒入社の新人にもOJTを通じた育成は必要です。また、他社での就業経験がある第二新卒入社の新人の場合は前職での仕事の進め方やスタンスに関する癖が自社での成長を阻害することがあります。この癖を直す上でもOJTの期間は重要です。

入社3ヶ月~6ヶ月:フォローアップ研修
第二新卒入社の新人も、これぐらいの時期になると実力が見えてきます。成長速度に課題がある新人を対象にフォローアップ研修を実施し、成長軌道に乗せる手助けをしましょう。

中途向けのスケジュール例

入社月:新入社員研修
中途の新入社員も入社タイミングがそれぞれ異なります。中途入社の新人には即戦力の活躍を期待しつつも、必要最低限の情報や知識を伝える場として、可能な限り早いタイミング=入社月に新入社員研修を実施することが推奨されます。

~入社3ヶ月:OJT
中途入社の新人にもOJTは必要です。前職での仕事の進め方やスタンスに関する癖を直す期間、組織の中で上手く立ち回るための暗黙知を学ぶ期間にOJTを位置付けます。

入社3ヶ月~6ヶ月:1on1
中途入社の新人も、これぐらいの時期になると実力が見えてきます。中途入社の新人が実力をいまいち発揮できていない場合、その原因は人それぞれなので、一人ひとりに寄り添う1on1が推奨されます。

新入社員研修を内製・外注で行うメリット・デメリット

研修では “何を(研修内容)” と同じぐらいに “誰が(研修講師)” も重要です。

研修講師は内製(社員が研修講師を担当する形)と外注(外部の研修講師に依頼する形)に分かれます。両者にはメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いのかは判断は難しいものの、幾つかの視点で整理することで内製か外注かの判断をしやすくなります。

コストの視点

1つ目の視点はコストです。内製と外注のそれぞれのコストに影響する要素を見ていきます。

内製コストに影響する要素は社内の研修講師の有無研修内容の完成度です。社内に研修講師がいない場合・ゼロから研修内容を作る場合は高コストになります。

外注コストに影響する要素は研修内容です。外注先のパッケージ研修を利用する場合はコストは安く抑えられますが、オーダーメイド研修を依頼する場合はコストは割高になります。

ただ、これは単年でのコスト比較の話に過ぎません。現実的には複数年でのコスト比較を検討することを推奨します。

そうすることで、「1年目は社内の研修講師の育成目的で外注をして研修ノウハウを吸収。2年目以降は研修ノウハウを活用して内製に取り組む」という具合に、短期的には大きなコストが発生しても中長期的にはコストを低減する取り組みを考えやすくなります。

準備期間の視点

2つ目の視点は準備期間です。新入社員研修の実施までの準備期間が長い場合は内製と外注のどちらも可能です。

準備期間が短い場合は外注が現実的です。パッケージ型の研修の外注であれば数週間前の申込でも間に合うケースがあります。

一方で、オーダーメイド型の研修を外注したい場合は最遅でも1ヶ月前、できれば2~3カ月前には依頼する必要があります。外注される研修会社側も準備期間が短くなると苦しくなります(準備不十分で思うような研修効果が得られないリスクが高まります)。

学習内容の視点

3つ目の視点は学習内容です。学習内容によっては、そもそも内製/外注でないと実現が困難なものがあります。具体的には以下の判断基準を推奨します。

  • 学習内容が自社の競争優位・差別化に繋がる知恵や技術に関する場合は内製化
  • 学習内容が最新の考え方や知識に関する場合は社内にノウハウがないので外注
  • 学習内容がコモディティ化しており、コストダウンに繋げられる場合は内製化

ちなみに、外注(外部の研修会社への依頼)を進める際は、以下の1~3番の要素が揃っていれば大丈夫です(4番以降の要素は研修会社に相談する中で定めていくイメージです)。

  1. 研修予算
  2. 受講者のスケジュール
  3. 研修課題(獲得したい知識・能力)
  4. 研修目標(研修中の学習目標)
  5. 研修目標を達成する研修プログラム
  6. 研修効果の測定方法

新入社員研修の手法

講義(座学)

一般的な研修と同じく、新入社員研修においても講義(座学)はスタンダードな研修手法です。ビジネスの基礎知識を伝える、あるいは、企業理念や会社の歴史などの知識を伝える上で優れた手法です。

ただ、講義では講師が一方的に話をする形式になるため、研修受講者の集中力の維持が難しい欠点があります。そういった意味では、外部の熟練の研修講師に登壇いただくことが効果的です(腕利きの研修講師には研修受講者を飽きさせない技術があります)。

ゲーム

研修受講者が楽しみながら取り組めるゲームコンテンツは、アイスブレイク(場の緊張をほぐすこと)や関係構築効果を狙う上で有効な研修手法になります。

特に、初対面同士が集う新入社員研修のシチュエーションでは、研修受講者の緊張をほぐすこと、研修受講者同士が打ち解け合うことを支援することには大きな価値があります。

<ご案内>
新入社員研修に使えるゲームをお探しの方は下記の記事をご覧ください。

グループワーク

研修受講者が数名単位のグループに分かれて課題に取り組むグループワークは、最も代表的な実践型の研修手法です。

また、グループワークはアセスメントにも活用できる利点があります。評価者がグループワークに取り組む新人の様子を観察することで、配属先の検討材料を集めることも可能です。

ロールプレイング

実際の業務を題材にしたロールプレイングは、実務スキルの習得に最適です。

営業の商談やビジネスマナーなどの実際の状況を想定したトレーニングを行うことで、現場で活きるスキルを身に付けることが可能です。また、若手社員をロープレ担当(ロープレ相手となる上司や顧客役)にアサインすることで、若手社員の指導力育成も可能です。

ビジネスゲーム

ビジネスゲームは、ビジネスのシミュレーション(模擬訓練)ゲームです。

ビジネスゲームでは、現実の世界における経済活動や社会活動のエッセンス(本質的要素)を抽出し、繰り返しトレーニングできるようにゲームとして表現しています。

現実の世界では活動の結果と経験を得るためには多くの時間と労力が必要になりますが、ビジネスゲームでは短時間で活動の結果と経験(成功体験や失敗体験)を得ることができます。

この「高速経験学習」による学習効果が、ビジネスゲームの大きな特長です。

OJT

OJT(On-the-Job Training)とは職場での実務を通して業務に必要な知識やスキルを身に付ける手法です。職場内訓練とも言われます。上司と部下・先輩と後輩という縦の関係性のもとに、マンツーマンでの指導が行われます。

新入社員の能力向上はもちろん、教える側にとっても学びを得られるので、管理職やリーダー職のトレーニング機会としても機能します。

メンター制度

メンター制度とは上司とは別に新入社員をサポートする役割を担うメンターを割り当てる手法です。

新入社員と比較的年齢の近い若手社員に担当させる場合が多く、仕事のことはもちろん、上司には言いにくいプライベートなことでも気軽に相談できるメリットがあります。新入社員のメンタルヘルスのケアにも繋がります(近年、多くの組織で導入されている手法です)。

1on1ミーティング

1on1ミーティングとは部下の成長促進や関係構築を目的に、上司と部下が1対1で対話形式の面談を行う手法です。短時間の面談を短いサイクル(毎週または隔週)で定期的に実施します。

面談のテーマは、以下のように様々な内容が考えられます(原則、部下が話しやすいテーマを選ぶと良いでしょう)。

  • 仕事で悩んでいること
  • 仕事の課題感
  • 仕事で上手くできたこと
  • 仕事で失敗したこと
  • 仕事のやりがい
  • 今後の成長目標
  • 職場への不満

なお、1on1ミーティングではコーチングのスタンスを取ることが重要です(もちろん、シチュエーションによってはティーチングも大切です)。傾聴する・承認する・質問するといったコミュニケーションを徹底することで1on1ミーティングの真価が発揮されます。

<ご案内>
1on1ミーティングに関して興味の有る方は下記の記事をご覧ください(1on1ミーティングで押さえてくべきポイントについて、分かりやすく解説します)。

新入社員研修のトレンド

他社もやっているという理由だけで短絡的にトレンドに飛びつくのは危険ですが、トレンドを無視するのもお勧めできません。

トレンドには、それが流行るだけの理由があります。今、どのようなトレンドがあるのかを知ること、そして、そのトレンドを取り入れるべきか否かを検討することを推奨します。

オンライン研修(オンライン集合研修)

コロナ禍をきっかけに、私たちのコミュニケーションはオンラインへとシフトしています。

オンライン商談、オンライン接客、オンライン会社説明会、オンライン面接、オンラインツアー、オンライン工場見学、テレワーク……

これまでは対面で行われることが当たり前であったコミュニケーションの多くがオンラインへと切り替わりました。もちろん研修も例外ではありません。オンライン研修は今や集合研修と並ぶ、有力な研修実施形態となっています。

<ご案内>
オンライン研修を検討・導入する際の視点とオンライン研修を実施する際に使えるノウハウをご紹介します。貴社ならではのオンライン研修を検討される際にお役に立てることがあれば嬉しく思います。

メンタルヘルス

現代社会はストレス社会であり、いつ・誰が心の病になっても不思議ではありません。事実、厚生労働省によると、心の病気で病院に通院や入院をしている人は国内で約420万人にのぼると言われています。

そのような状況において、テレワークという名の孤立環境で働く機会が増えたビジネスパーソンには、これまで以上にメンタルヘルス(心の健康)のケアが必要になるであろうことは明らかです。

ゆえに、これからビジネスパーソンとして歩み始める新入社員に対してメンタルヘルスの処方箋となる知識を伝えること、つまり、メンタルヘルスについて学ぶプログラムを新入社員研修に導入することには大きな価値があります。

<ご案内>
私たちプロジェクトデザインでは健康と業績の連動・関係の質・健康投資の重要性を学ぶことが可能なビジネスゲーム「健康経営ゲーム」をご提供しています。新入社員のみならず、新入社員を管理する立場にある社員の方々にもお勧めです。

体験型研修

近年は、座学型研修との対比で体験型研修が注目を浴びています。

研修講師による講義主体の座学型研修では、研修受講者の学習態度は受け身になりがちです。受け身の態度は集中力や学習意欲の低下を招き、学習内容(研修の学び)の理解が浅いレベルに留まり、学習内容を実務に活かすことが難しいと言われます。

座学研修と言っても、研修受講者自らが身銭を切って学ぶケースであれば主体的な学習態度を維持できますが、新入社員研修は企業が強制力を持って受けさせる研修です。研修受講者の学習態度は受け身になりがちであると捉える必要があります。

この座学研修の学習効果の問題を解決する一つの研修手法に体験型研修が位置付けられます。

体験型研修では研修受講者自らが自身の頭と体を動かす体験を通じて、主体的な学習態度を作り、集中力や学習意欲を高め、学習内容(研修の学び)の理解を深めることで、学習内容を実務に活かしやすくする効果が期待できます。

また、体験型研修ではゲームやグループワークを実施する際に研修受講者同士のコミュニケーションが発生するため、互いの親睦を深める効果も期待できます。新入社員研修で関係構築(同期間のネットワーク構築)をする上でも体験型研修はお勧めです。

Z世代は職場での飲み会を嫌う傾向にあるという話もあり、交流を深めるという観点において、こういった体験型研修のニーズは今後も高まっていくことが考えられます。

<ご案内>
体験型研修のツールとしてお勧めなのがビジネスゲームです。私たちプロジェクトデザインが提供するビジネスゲームではゲームとしての楽しさと学習効果を高めることを両立する点に大きな特長があります。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

DXの推進には経営層や管理職、DX推進の中核社員などの限られた層・メンバーがコミットするだけでなく、新入社員を含めた全社的な取り組みが必要不可欠です。

時間的猶予があり、かつ、良い意味で業務経験がないがゆえに先入観の少ない新入社員だからこそ、DXについて集中的に深く学ぶことができ、それぞれの配属先部署でDX推進のハブ(結接点)として活躍する。

そんな重要な役割を担うことも可能です。

SDGsとESG

近年の若者はZ世代と呼ばれ、社会課題への関心が高い傾向にあります。事実、就職に際しても企業がどのようにSDGs(国際社会の共通目標)や ESG(環境・社会・ガバナンス)に関わっているのかを重視しています。

そんな新入社員に対して自社のSDGs・ESGの取り組みを伝えることで自社への帰属意識の向上に繋げることが可能です。

<ご案内>
私たちプロジェクトデザインは、ビジネスゲームのメーカー兼ビジネスゲームを活用した研修会社です。

一般社団法人イマココラボと共同開発したSDGsゲーム「2030SDGs」を2016年3月にリリースして以来、私たちはSDGsゲームの開発やSDGs研修の提供を継続する中でSDGsの知見を深めてまいりました。

この「SDGs特集」では私たちの知見をもとにSDGsを自分事として捉えることに役立つ情報をお届けしてまいります。今現在、日本国内でのSDGs認知度が8割を突破する中、いよいよSDGsの実践が問われる段階になってきました。これから具体的にどのようなSDGsアクションを起こすべきか。その検討のお役に立てれば何より嬉しく思います。

新入社員研修の課題と解決策

これまでは新たに新入社員研修を検討される方向けの内容をお届けしてきましたが、ここからは新入社員研修の課題が明確な方向けの情報をお届けします。

【課題】研修への主体的参加を促す方法

新人の初仕事とも言える新入社員研修では、緊張感を持って研修に臨む新人が多いものです。ただ、緊張感を持っていることと、研修に主体的参加をすることはイコールではありません。

新人が新入社員研修に主体的参加をしづらい原因は幾つか考えられますので、その理由に当たりをつけて、適切な対策を講じることを推奨します。

<原因と対策例>

    1. 原因:自身の役割の認識が不足している
      対策:研修の目的(研修の到達目標)をしっかりと伝える
       
    2. 原因:知らない人ばかりの環境に戸惑っている
      対策:新人同士が互いに打ち解け合えるゲームやワークショップの実施
       
    3. 原因:研修カリキュラム自体がつまらない
      対策:研修カリキュラムに主体的参加を強制する仕組みを埋め込む

【課題】早期活躍を支援する新入社員研修の内容

新入社員研修では、新卒入社の新人に対して4月に実施する大規模新入社研修に意識が向きがちですが、新人の早期活躍を実現する上では、新人が多くの時間を過ごす現場での育成支援をする取り組みの方が重要です。

ゆえに、配属予定部署の管理職・リーダーが適切なOJTや1on1をできるようにするための支援をすること(具体的には、管理職研修やリーダー研修のプログラムの中で部下育成のやり方を学ぶ機会の提供)を推奨します。

【課題】オンライン集合研修で実施する際の注意点

オンライン集合研修は、グループワークに代表される参加者同士の密なコミュニケーションが要求されるコンテンツとの相性が良くないと言われます。

確かに相性が良いとは言えないのは事実ですが「Zoom」や「Microsoft Teams」などのビデオミーティングシステムに備わっているチャット機能やブレイクアウトルーム機能などを活用することで、オンライン集合研修の場でグループワークを実施することは十分に可能です。

特に、新卒向けの新入社員研修では、スキルやマインドの習得に加えて新人同士の関係構築の目的も含まれるからこそ、オンライン集合研修の場においても、関係構築に効果の期待できるグループワークやビジネスゲームを推奨します。

新入社員研修のFAQ

【質問】今の新入社員にもPCスキルを身に付けるプログラムは必要?

今どきの若者はインターネットが当たり前の世の中で育ってきた世代ですが、彼・彼女らが慣れ親しんでいるのは、

  • インターネットで情報を調べる
  • SNSでコミュニケーションする
  • スマートフォンアプリを使う

などの消費者側の行動であり、エクセルやワードを使う生産者側(ビジネスサイド)の行動とは乖離があります。もちろん、大学生の場合はゼミ活動や卒業論文執筆などでPCスキルを身に付ける機会もありますが、それは10年前・20年前から変わりません。

よって、デジタルネイティブ世代と言われる今の新入社員にも基本的なPCスキルを身に付けるための機会は必要であると言えます。

【質問】新入社員研修で炎上するケースを避けるには?

2022年4月、牛丼チェーン大手・吉野家の常務(当時)が大学の社会人向け講座で不適切な発言をし、受講生のSNSを発端に社会的な批判を浴びて解任されたニュースがありました。

これまでは、その時その場にいた人しか知ることができなかったクローズドな場での発言が、SNSの普及によって公衆の面前にさらされ、炎上を招く可能性が高まっています。

新入社員研修でこのような炎上するケースを避けるには、研修を設計する側・研修講師をする側が倫理観や道徳観を持つことに尽きます。その上で以下のような工夫すると良いでしょう。

  • 研修を外注する場合は炎上リスクの対策について協議をする
  • 事前に研修内容を第三者に確認してもらう体制をつくる
  • 研修講師に緊張感を持たせる工夫をする(例:常に研修内容を録画する)

プロジェクトデザインの新入社員研修のご紹介

新入社員研修コンセプト

研修とは学びの場であり、「何を学ぶか?」という学習内容に焦点が当たるものですが、私たちプロジェクトデザインでは「どのように学ぶか?」も大切であると考えています。

新入社員の早期活躍を支える土台を新入社員研修の場でどうやってつくるのか。この課題の解決策として私たちが導いた答えは、学び方(どのように学ぶか?)を工夫することでした。その工夫は2つあります。

ひとつは、学習環境を整えること。いきなり本題(学習)に入るのではなく、研修受講者の学習意欲を高めるための準備を経て学習へと接続することで研修受講者の主体性を呼び起こし、学習効果を高めることを狙います。

もうひとつは、学んで終わりにしないこと。研修の学びを試すことで、研修受講者が学んだことに対する分かる(頭で理解している状態)とできる(体が動く状態)の差の自覚を促し、研修後の継続的な学習意欲を育むことを狙います。

新入社員研修プログラムの全体像

3つのSTEPに沿った研修プログラム(14のモジュール)を通じて、新入社員の早期活躍を支える土台をつくります。また、日々研修日報を記入することによって、自ら学び続ける習慣の定着を図ります。

プロジェクトデザインの新入社員研修の詳細は、下記ページの内容をご覧いただけます。

この記事の著者について

執筆者プロフィール

古野 知晴

富山県滑川市出身。ケーブルTV番組制作会社や雑誌ライター等を経て、2014年にプロジェクトデザインに入社。取材・キャスターの経験で培った「聴く力、伝える力」を活かして「はたらくらすコネクションin上市」事業を立ち上げから担当し、6年間で企業・店舗136社、県外からの移住者18組を取材。そのほか文章編集・校正を中心にビジネスゲーム制作に関わる。2021年6月に育休から復帰以降は、マーケティング部の一員としてWebサイトに掲載するコンテンツ作成に携わる。現在も地元・滑川市のケーブルTVでキャスターを務め、2022年からは個人的に子どもの夢を叶えるイベントを主催するなど、地域に根ざした活動を行っている。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム「2030SDGs」に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。活動を通じて関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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