チームビルディングとは?なぜ注目されているのか?目指すべき組織の在り方と実践方法を徹底解説!

チームビルディングの意味、チームビルディングが注目されている背景、そして、チームビルディングを通じて目指すべき組織の在り方と具体的なチームビルディングの実践方法を解説します。

Contents(目次)

チームビルディングとは

チームビルディングとは、その名の通り「チーム作り」を意味する言葉です。

チームメンバーの能力の総和を「組織力」と表現する場合、その組織力は 1+1=2 のような足し算で表現されますが、これは理屈の上での話に過ぎません。

現実のビジネスシーンにおいては、優れたチームの組織力は 1+1 が 3 にも 4 にもなり得ます。逆に、チームビルディングができていないチームの組織力は 1+1 が 0.5 になることもあれば、マイナスになってしまうことすらあります。

それは何故でしょうか?

まずは、そもそもチームとはどのようなものなのかを理解する必要があります。

チームとグループの違い

チームとよく比較されるのがグループです。

グループは、共通する性質のもとにまとめられた集団(仲間)です。それに対して、チームとは目標を達成するために共同で事に向かうグループを意味します。

つまり、チームには目標達成を志向する性質があります。この意味において、企業組織の構成員はチームであるべきなのは明らかです。

チームワークが発揮されている状態とは?

チームワークは、チームにおける共同作業を意味する言葉です。

ビジネスシーンにおいては「チームワークを発揮することが大切だ」と言われますが、こういった当たり前のことの重要性が叫ばれる背景には、チームワークを発揮することは想像以上に難しい(難度が高い)現実があります。

チームのメンバーのパフォーマンスをベクトル(大きさと向きを持つ量)に例えると、チームワークが発揮されている状態とは、各メンバーが目標に向かってベクトルの向きを揃えることで組織力(メンバーのベクトルの総和)を最大化させている状態です。

ところが、現実においては

  • 目標に納得していないメンバー
  • 部分最適的な行動を取るメンバー
  • 言いたいことを言いづらいと感じているメンバー
  • モチベーションが低いメンバー
  • 失敗を恐れて行動が鈍くなっているメンバー

など、チームメンバーが自身のベクトルの向きを異なる方向に向けており、その結果、組織力(メンバーのベクトルの総和)が十分に発揮されない状況に陥ってしまうケースがあります。

だからこそ、チームビルディングを通じて、チームメンバーがチームワークを発揮するための支援をすることに価値があります。

チームビルディングとはメンバーのベクトルの向きを揃えるための一連の取り組みとも言える。

チームビルディングが注目される背景

近年、チームビルディングの必要性は高まっていると言われますが、それは何故なのか。

その理由(チームビルディングが注目されている背景)を知ることは、自社に適したチームビルディングの取り組みを検討する上でのヒントになります。

1. メンバーの職業観・勤労観の多様化

新卒一括採用全盛期で、新卒就職した会社に定年まで勤め上げることが常識的な職業観・勤労観とされていた時代、メンバーの会社への帰属意識やモチベーションは総じて高い状態にありました。

メンバー(部下)はリーダー(上司)の指示通りに動いて当たり前。だからこそ、トップダウンのマネジメントが上手く機能していました。

しかし、転職が当たり前の時代になった今、いわゆる “会社人間” に限らないキャリアの描き方・生き方が社会全体に広がり、組織の中には様々な職業観・勤労観のメンバーが同居するようになりました。

そして、

  • 手に職を付けるために働いているので単純作業は避ける
  • 今はほどほどに働くことを重視しているので仕事の量を抑える
  • 給料アップが目的なので評価されづらい仕事には関わらない

という具合に、組織の目的・目標よりも自身の職業観や勤労観を優先させるメンバーが増える中、“上司が部下に指示を出し、部下は指示されたタスクを遂行する” 旧来型のマネジメントが通用しづらくなっています。

※個人の職業観・勤労観は尊重されてしかるべきですが、それはチーム(理想や目的・目標達成のために協働する集団)として機能する前提があってこそです。

2. メンバーの働き方の多様化

メンバーの職業観・勤労観の多様化は、働き方にも大きく影響を及ぼしています。

チームのメンバーは全て正社員というのは過去の話。今は業務委託社員や契約社員・派遣社員などの様々なメンバーが1つのチームに集っています。正社員の中にも育児や介護などで時短勤務をしているメンバーもいるかもしれません。加えて、オフィスに机を並べて働くメンバーもいれば、テレワークで働くメンバーもいます。

働く時間と場所がそれぞれに異なるメンバーをチームとして1つにまとめることは容易なことではありません。

3. ビジネスの競争の激化

現代は、IT(Information Technology/情報技術)を中心とした技術革新によって、ビジネスの競争が激化し続けています。

  • 市場シェア上位企業との競争
  • 新規参入のベンチャー企業との競争
  • 異業種から参入してきた大企業との競争

競合企業との競争を勝ち抜くためには新規事業の創出やビジネス変革などの新しい取り組みへの挑戦が必要であると言われます。そして、その挑戦の過程では、

  • チーム内での取り組み
  • 部門の壁を越えたチーム(部門横断型プロジェクト)での取り組み
  • 会社の枠を超えたチーム(他社との協業)での取り組み

など、様々なチームでの取り組みが想定されますが、どんなチームの取り組みにおいてもチームビルディングは必要不可欠です。

4. チームの効果性の明確化

Googleが、データ分析を基に考えられた人事施策について他の組織と一緒に共有・推進する取り組み「Google re:Work(リワーク)」では定量的指標によってチームの効果性を向上させる因子を定義しました。

この因子の中で「心理的安全性」や「相互信頼」などのチームビルディングの重要性が明らかになりました。

“リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。チームの効果性に影響する因子を重要な順に示すと次のようになります。

    • 心理的安全性
      心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。
       
    • 相互信頼
      相互信頼の高いチームのメンバーは、クオリティの高い仕事を時間内に仕上げます(これに対し、相互信頼の低いチームのメンバーは責任を転嫁します)。
       
    • 構造と明確さ
      効果的なチームをつくるには、職務上で要求されていること、その要求を満たすためのプロセス、そしてメンバーの行動がもたらす成果について、個々のメンバーが理解していることが重要となります。目標は、個人レベルで設定することもグループレベルで設定することもできますが、具体的で取り組みがいがあり、なおかつ達成可能な内容でなければなりません。Google では、短期的な目標と長期的な目標を設定してメンバーに周知するために、「目標と成果指標(OKR)」という手法が広く使われています。
       
    • 仕事の意味
      チームの効果性を向上するためには、仕事そのもの、またはその成果に対して目的意識を感じられる必要があります。仕事の意味は属人的なものであり、経済的な安定を得る、家族を支える、チームの成功を助ける、自己表現するなど、人によってさまざまです。
       
    • インパクト
      自分の仕事には意義があるとメンバーが主観的に思えるかどうかは、チームにとって重要なことです。個人の仕事が組織の目標達成に貢献していることを可視化すると、個人の仕事のインパクトを把握しやすくなります。”

参考: Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

5. 人的資本経営の潮流

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です(経済産業の定義より)。

早ければ2023年(令和5年)3月期の有価証券報告書から段階的に適用を開始する、人的資本開示の義務化の流れを受ける形で、チームビルディングというの注目が高まっています。

人的資本経営の実現に向けた検討会報告書「人材版伊藤レポート2.0」の中でも、チームの重要性について説かれています。

“人材ポートフォリオが構築できても、多様な個人ひとりひとりや、チーム・組織が活性化されていなければ、生産性の向上やイノベーションの創出にはつながらない”

“中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせである。このため専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となる。このように、同質性の高いチームから多様なチームへと変わるに当たっては、社内外の協働の在り方を見直す必要がある”

参考:「人材版伊藤レポート2.0」を取りまとめました (METI/経済産業省)

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人的資本経営に関して興味の有る方は下記の記事をご覧ください(チ人的資本経営の基礎知識と企業事例をご紹介します)。

チームビルディングで目指すべき組織の在り方

チームビルディングを学ぶ最も本質的な目的は、組織のメンバーのベクトルを合わせ、組織力(チームの推進力)を高めることです。そして、チームビルディングでは一連の取り組みを通じて目指すべき組織の在り方というものがあります。

尊重し合える組織

チームビルディングを通じて実現すべき最も重要な組織の在り方は、互いに尊重し合える組織を作ることです。

どんな組織においても、立場や仕事内容の違いが意見や見解の違いを生み出します。そして、違いは対立に発展し、分断を作り出します。

組織のタコツボ化(セクショナリズム)を招く分断は防ぐべきものですが、違いが生まれることを防ぐことはできませんし、それは防ぐべきものでもありません。大切なことは、その違いを受け入れることです。これは相手に迎合するという意味ではありません。相手の意見や価値観を理解し、尊重することを意味します。

また、ダイバーシティ経営・ダイバーシティ&インクルージョンの観点でも、尊重し合える組織を作ることの重要性は明らかです。

“「多様な人材」とは、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観などの多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も含みます”

参考:ダイバーシティ経営の推進 (METI/経済産業省)

互いに尊重し合える組織は、チームワーク(チームにおける共同作業)の土台になると言っても過言ではありません。

安心できる組織

メンバーが自身のパフォーマンスを最大化させる上で、安心できることは極めて重要です。

「このアイデアは馬鹿にされるのではないか?」「失敗したら怒られるのではないか?」などの不安なイメージはメンバーの主体的な行動を阻害する一方で、失敗しても大丈夫という安心感はメンバーの挑戦心を向上させます。

この安心できる組織を目指す上でのキーワードが「心理的安全性」です。

大きな成功を為したメンバーを観察すると、そのプロセスでは驚くほどの危険を冒していることに気付かされます。そして、彼・彼女らが危ないことに挑戦できたのは「自分たちならきっと大丈夫だ」という自信と、チームメンバーへの信頼感から生まれる、高い心理的安全性があったからです。

もちろん、心理的安全性の高さがチームの成功を約束するものではありません。しかし、成功は失敗の先にあるものと捉えると、失敗を許容する(または歓迎する)チームは、推進力のある強いチームであると言えます。

ビジョンが共有されている組織

有能な個人が集まったとしてもビジョン(チームの目指す方向性)が共有されなければチームとして機能していくことはできません。

確かな意見を持つ専門性のあるメンバーが多いほどに、お互いの進む方向が食い違い、エネルギーを浪費してしまうことがありますが、チームに大きな推進力をもたらすにはそれぞれのメンバーのベクトルを一致させることが重要です。そのためのビジョン共有です。

もちろん、チームの目指すべき方向性は売上や利益目標として定められている側面はありますが、大切なことは、その売上や利益目標を達成することの意味です。売上や利益はビジョンを達成するためのマイルストーン(中間目標地点)に過ぎません。

チームとしてのビジョンを掲げ、それを明文化して「常にビジョンに向かってチームの誰もが頑張っているのだ」という意識を共有すること。それによって、チームメンバーが誤った方向に進まずに済みます。

また、仮に、メンバー同士で異なる意見を持っていたとしても、同じビジョンを目指しての意見であることが理解できていれば、対立を超えて、相互理解に繋げられます。

チームビルディングのメリット

チームビルディングのメリット

チームビルディングがもたらすメリットは、抽象的には「組織力の向上」という言葉に集約されますが、敢えて、具体的なメリットを整理することで、チームビルディングに取り組む価値を分かりやすく捉えやすくなります。

メンバーの主体性の醸成

組織においては、誰もが必ず何らかの役割が与えられ仕事をします。ほとんどの場合、仕事には予め決められた進め方というものがあり、チームメンバーはマニュアルやノウハウ、上司の指示に沿って仕事を進めることになります。

このように組織の中における仕事というものは、主体性を発揮せずともできてしまう側面がありますが、良い仕事・付加価値の高い仕事をするには、目の前の仕事に主体的に関わり、粘り強く工夫・改善を試みることが重要です。

そして、メンバーの主体性を醸成する上でチームビルディングは有力な取り組みになります。

チームビルディングに取り組むことで「自分はチームの一員であり、チームのために貢献したい」という帰属意識が芽生え、チームメンバーと協働するために自らが主体性を発揮するようになることが期待されます。

ボトムアップのアイデア創出

アイデア創出には、アイデアの発想を学ぶことやアイデアを吸い上げる制度構築も重要ですが、それと同じぐらいにメンバー(現場社員)からのボトムアップでアイデアを出しやすくする取り組みも重要になります。

なぜなら、組織においてアイデアを出す行為はとても勇気の必要なことであるからです(新しいアイデアはそれが斬新なものであるほどに他者から叩かれやすい性質があります)。

アイデアを出しやすくするには、チームビルディングを通じてメンバーの心理的安全性を高めたり、相互に信頼できる関係性を築くことが有効です。「これは取るに足らないアイデアかもしれないけれど、チームのためには伝えた方が良い」と思える関係性が、アイデアの量を増やすことに貢献します。

メンバーの離職率の低下

メンバーが離職する理由は家庭の事情や給与への不満など様々ですが、職場の人間関係も高い率を占めています。

厚生労働省が調査した2020年の雇用動向調査結果の概要(転職入職者の状況)によると、転職した人が前職を辞めた理由について(「その他の理由(出向等を含む)」を除いて)、「職場の人間関係が好ましくなかった」を挙げている人が、下記のデータで多くなっています。

参考:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概要」|4. 転職入職者の状況(P2)

この結果からは、女性の場合、人間関係に悩んで離職した人が最も多いこと、男性は20代後半から30代前半の若年層が人間関係で悩んで離職した人が多い傾向にあることが分かります。

チームビルディングを行って関係性を構築する(人間関係を良くする)ことは、離職率の低下にも繋がると言えます。

チームビルディングの副作用(注意点)

組織の状態として “チームワークが発揮されている状態” を健康と定義する場合、チームワークが発揮されていない状態は病気であると捉えられます。

この時、チームビルディングは “医者が病気を治療する(薬を処方する)” 行為になるため、基本的にはチームビルディングのデメリットはありません。ただし、チームビルディングの取り組みを進める場合の副作用(注意点)はあります。

これからご紹介する点に気を付けましょう。

やらされ感を減らせないか?

チームビルディングの取り組み方には、それが研修であれ、ワークショップであれ、どのような形式であっても “やらされ感” が生まれやすいことは覚えておくべきです。

スキルを習得する場合は、そのスキルの必要性を自身の仕事内容と関連付けやすい一方で、チームビルディングはその必要性をイメージすることが難しいことが理由です。

それゆえ、日々の仕事で多忙なメンバーが「チームビルディングは必要ないのでは?」という反発心を抱いたり、「自分は問題ない(すでにチームビルディングができている)」といった勘違いをしやすく、“やらされ感” が生まれます。

この “やらされ感” を減らすには、第一にチームビルディングが必要な理由について事前に丁寧に説明することが効果的です。

その上で、チームビルディングができていないことを体感で伝える手法もお勧めです。ワークショップやビジネスゲームなどの実践型の学習手法を実施することで、「実はチームビルディングができていない自分」の姿をメンバー自身が客観視できるようになります。

仲良くなるだけで終わっていないか?

チームビルディングの取り組みでは、メンバー同士が仲良くなることも重要なので、よくゲームや飲み会での交流が実施されますが、仲良くなるだけでは不十分です。

チームビルディングでは、協働するための関係を構築することが重要です。そのためには楽しい時間を共有すること以上に、相互に信頼し合える関係作りを意識する必要があります。

例えば、チームメンバーの個人ビジョンを共有するワークを行うことが推奨されます(同じチームで働いている間柄であっても、相手がどんな想いを持って働いているかは、案外知らないものです)。

全員が参加できているか?

チームビルディングの取り組みでは、できるだけ、全員が気持ちよく参加できるような配慮が必要です。

中には、発表が苦手な人、他人と関わることが苦手な人、自分から積極的に関わろうとしない人もいます。一部のメンバーだけで結束し、ほかのメンバーを取り残して温度差ができていないか、全員が参加できているかを注視しましょう。

全員が気持ちよく参加できるような取り組み(研修プログラム)を考えるというのも1つの手段としてお勧めです。

タックマンモデルに学ぶ、チームビルディングの5つの段階

心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」ではチームの発達段階を、形成期・混乱期・統一期・機能期の段階に分類しています(後に1段階追加され、現在は5段階のモデルとして活用されています)。

本稿では、このタックマンモデルをご紹介しながら、それぞれの段階におけるチームビルディングの取り組み方をご紹介します。

形成期(Forming)

形成期はチームが形成されたばかりの段階です。

チームの雰囲気は穏やかで、表面的には良く見えるものの、実際のメンバーは、

  • 他のメンバーの性格や考え方・価値観が分からない
  • 他のメンバーがどのような役割を担い、どんな仕事をしているかも分からない

という具合に、他のメンバーのことを知らないがゆえの不安を抱えています。この形成期では言いたいことを言えない、遠慮をしてしまうメンバーが多く、チームワークを発揮する状態からは程遠い状態にあると言えます。

まずは、チームビルディングの取り組みを通じて、メンバー同士の相互理解を深めることが重要です。その上で、チームリーダーが1人1人のメンバーに対しての期待を伝えつつ、仕事が前進し始めるようなサポートをする必要があります。

混乱期(Storming)

混乱期はメンバー同士の衝突や軋轢が起きる段階です。

混乱期というとネガティブに思えるかもしれませんが、メンバーが自身の意見を主張するようになることは、チームとしては前進している証拠です。

メンバー同士が対立する関係を超えて協働する関係になるためには、チームのビジョン共有が有効です。ビジョン(というゴール)に目線を合わせることで、メンバー同士が建設的なコミュニケーションを実践しやすくなります。

また、コミュニケーションを活性化させるための土壌づくりの一環で、チームの心理的安全性を高める取り組みも推奨されます。

統一期(Norming)

統一期はメンバー同士の信頼関係が深まり、チームとして機能し始める段階です。

メンバー同士の建設的なコミュニケーションが繰り返される過程で、他のメンバーの考えや意見を受容し合える信頼関係が築かれ、チームの中に規範が確立されていきます。

チームをより機能させるためには、メンバーの自律・自立支援が重要です。リーダーとして、(失敗するリスクを負ってでも)メンバーに仕事の裁量を渡していく胆力が問われます。

機能期(Performing)

機能期はチームがチームとして機能している段階です。

この段階になると、メンバー1人1人が自律的・自立的に行動することができるようになり、チームとしての成果が現れます。チームには一体感や勢いが生まれます。

また、機能期の段階を維持する観点でも、自分たちのチームが尊重し合える・安心できる・ビジョンが共有されているチームであることを定期的に確認するためにチームビルディングに取り組むことが推奨されます。

散会期(Adjourning)

散会期はメンバーがチームからそれぞれ離れていく段階です。

離れていくきっかけはプロジェクトの完了やメンバーが有する時間的な制約による離脱です。チームリーダーはプロジェクトの成功や失敗をふり返る時間を確保します。成功においてはベストプラクティスを、失敗においては教訓を採取して、今後のプロジェクトに活かします。

この段階でチームメンバーが良好な関係を築いているならば、お互いに連絡を取る可能性もあります。また、プロジェクトから離れるときには悲しみを伴います。

この段階を経て、チームメンバーは新しい作業にあたっていきます。

チームビルディングの取り組みの実施タイミング

1. 内定式・内定者研修

「内定ブルー」という言葉が知られる通り、内定者は自身の人生に影響する就職先の決断に対して不安感を持っています。

そんな内定者の気持ちに寄り添う目的で内定者を集めてチームビルディングを行うことには大きな意義があります。もちろん、内定辞退者の減少(内定辞退率の低下)効果も十分に期待できます。

2. 新入社員研修

新入社員が一堂に会する新入社員研修はチームビルディングに取り組む好機です。人脈づくり(関係性構築)が苦手な新入社員が新しい環境に馴染むための貴重なきっかけにもなります。

また、新入社員研修の1日目にチームビルディングのプログラムを実施し、新入社員同士の繋がりを強化(仲間意識を醸成)しておくことで、新入社員の2日目以降の研修態度をより主体的なものへと変容させることも可能です。

3. 新任管理職研修

チームビルディングに主体的に取り組む当事者は管理職です。

その管理職の入り口に立っている新任管理職が、自身のチーム内でチームビルディングを実践するためにも、新任管理職研修の中でチームビルディングの知識やノウハウを学ぶことに大きな価値があります。

4. 部門横断型プロジェクトのキックオフ

部門横断型プロジェクトのキックオフではプロジェクトメンバーの多くが初対面になります。

新入社員研修がそうであるように、まずはチームビルディングプログラムの実施を通じて互いの関係性を深めることで、キックオフ後のプロジェクト推進におけるメンバー間のコミュニケーションを円滑にする効果が期待できます。

チームビルディングの取り組みで用いられる手法

1. 講義(座学)

学校の授業がそうであるように、講義は知識を伝える上で優れた手法です。

チームビルディングの取り組みでも、この講義と実践(ゲーム・グループワーク・ロールプレイング・ビジネスゲーム)をミックスする形が一般的です。

講義をする際には、講師が一方的に話をする形式になり、受講者の集中力の維持が難しい欠点があります。そういった意味では、外部の熟練の講師に登壇いただくことが効果的です(腕利きの講師には受講者を飽きさせない技術があります)。

2. ゲーム

楽しみながら取り組めるゲームコンテンツは、アイスブレイク(場の緊張をほぐすこと)や関係構築効果を狙う上で有効な研修手法です。

3. グループワーク

数名単位のグループに分かれて課題に取り組むグループワークは、最も代表的な実践型の研修手法です。

講義1→ワーク1→講義2→ワーク2……という具合に、講義で伝えた知識の理解度を試す(知識を定着させる)用途に適しています。

4. ロールプレイング

ロールプレイングは実務スキルの習得に最適です。実際の業務を想定したトレーニングを行うことで、現場で活きるスキルを身に付けることが可能です。ただし、チームビルディングの取り組みにおいて、ロールプレイングを行うことは一般的ではありません。

コミュニケーション研修であれば「上司への相談」「部下への指示出し」「営業の商談」などのシチュエーションでのロールプレイングが可能ですが、チームビルディングの場合は、そういった個別具体的な状況があまり存在しないことが理由です。

5. ビジネスゲーム

ビジネスゲームとはビジネスのシミュレーション(模擬訓練)ゲームです。

「ゴールを定め、計画を立て、行動し、結果を振り返りながらよりよいアクションに繋げていく」というビジネスの基本原則をゲームとして表現しています。

ゲームとしての楽しさと、学習効果を高めることを両立する点に、ビジネスゲームの大きな特長があります。

チームビルディングのFAQ

Q. チームビルディングの取り組みでお勧めの学習法はありますか?

チームビルディングの取り組みでは「タックマンモデル」に代表される理論・知識を学ぶことも大切ですが、それ以上に、メンバーの明日からの行動変容に繋げるための「学びや気づき」をどのように伝えるかが重要になります。

この時にお勧めな手法は体験型の学習です。グループワークやゲームを通じて体感的にチームビルディングの学びを伝えることで、(座学型の学習と比較して)深い「学びや気づき」を提供しやすくなります。

Q. 「楽しい」だけでなく、「楽しくて学びになる」チームビルディングの取り組みを実現するにはどうすれば良いでしょうか?

チームビルディングの取り組みで実施する学習コンテンツを見直すことを推奨します。

チームビルディングの目的がメンバー同士の交流(親睦を深めること)であれば「楽しい」だけでも良いと思いますが、より実務に活きる学びを得るためには楽しさと学びを両立する学習コンテンツを検討する必要があります。

その観点で、経験学習モデルに基づき設計されたビジネスゲームはお勧めです(ビジネスゲームについては、こちらの情報をご覧いただければと思います)。

この記事の著者について​

執筆者プロフィール

古野 知晴

富山県滑川市出身。ケーブルTV番組制作会社や雑誌ライター等を経て、2014年にプロジェクトデザインに入社。取材・キャスターの経験で培った「聴く力、伝える力」を活かして「はたらくらすコネクションin上市」事業を立ち上げから担当し、6年間で企業・店舗136社、県外からの移住者18組を取材。そのほか文章編集・校正を中心にビジネスゲーム制作に関わる。2021年6月に育休から復帰以降は、マーケティング部の一員としてWebサイトに掲載するコンテンツ作成に携わる。現在も地元・滑川市のケーブルTVでキャスターを務め、2022年からは個人的に子どもの夢を叶えるイベントを主催するなど、地域に根ざした活動を行っている。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム「2030SDGs」に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。活動を通じて関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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