チームビルディング研修の検討マニュアル

チームビルディングが必要な背景、チームビルディング研修の実施タイミング、チームビルディング研修のテーマやFAQなどのチームビルディング研修を検討する上で必要になる考え方やノウハウをご紹介します。

Contents(目次)

チームビルディングが必要な背景

チームビルディングとは、チーム(理想や目的・目標を達成するために協力して行動するグループ)作りです。具体的には、チームメンバーが自身のパフォーマンスを最大限に発揮できるようなチームを作り上げていく取り組みを指します。

近年、チームビルディングの必要性は高まっていると言われますが、それはなぜなのでしょうか。その理由(チームビルディングが必要な背景)を知ることは、自社に適したチームビルディングの取り組みを検討する上でのヒントになります。

1. メンバーの職業観・勤労観の多様化

新卒一括採用全盛期で新卒就職した会社に定年まで勤め上げることが常識的な職業観・勤労観とされていた時代、メンバーの会社への帰属意識やモチベーションは総じて高い状態にありました。メンバー(部下)はリーダー(上司)の指示通りに動いて当たり前であり、トップダウンのマネジメントが上手く機能していました。

しかし、転職が当たり前の時代になった今、“会社人間” に限らないキャリアの描き方・生き方が社会に広がる過程で、会社組織の中には様々な職業観・勤労観のメンバーが存在するようになりました。その結果、

  • 手に職を付けるために働いているので単純作業は避ける
  • 今はほどほどに働くことを重視しているので仕事の量を抑える
  • 給料アップが目的なので評価されづらい仕事には関わらない

という具合に「自身の職業観・勤労観」を「組織の目的・目標」よりも優先させるメンバーが増え、『上司が部下に指示を出し、部下は指示されたタスクを遂行する』という旧来型のマネジメントが通用しづらくなっています。

※個人の職業観・勤労観は尊重されてしかるべきですが、それはチーム(理想や目的・目標達成のために協働する集団)として機能する前提があってこそです。

2. メンバーの働き方の多様化

前述の「メンバーの職業観・勤労観の多様化」は、それぞれのメンバーの働き方にも大きく影響しています。

チームのメンバーは全て正社員というのは過去の話。今は業務委託社員や契約社員・派遣社員などの様々なメンバーが1つのチームに集っています。正社員の中にも育児や介護などで時短勤務をしているメンバーもいるかもしれません。加えて、今はオフィスに机を並べて働くメンバーもいれば、テレワークで働くメンバーもいます。

働く時間と場所がそれぞれに異なるメンバーをチームとして1つにまとめることは容易なことではありません。

3. ビジネスの競争の激化

  • IT(Information Technology/情報技術)を中心とした技術革新によって、グローバル規模でビジネスの競争が激化し続けています。
  • 市場シェア上位企業との競争
  • 新規参入のベンチャー企業との競争
  • 異業種から参入してきた大企業との競争

競合企業との競争を勝ち抜くためには新規事業の創出やビジネス変革などの新しい取り組みへの挑戦が必要であると言われます。そして、その挑戦の過程では、

  • チーム内での取り組み
  • 部門の壁を越えたチーム(部門横断型プロジェクト)での取り組み
  • 会社の枠を超えたチーム(他社との協業)での取り組み

など、様々なチームでの取り組みが想定されますが、どんなチームの取り組みにおいてもチームビルディングは必要不可欠です。

4. チームの効果性の明確化

リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました

・参考: Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

データ分析を基に考えられた人事施策について、Googleが他の組織と一緒に共有・推進する取り組み「Google re:Work(リワーク)」では、定量的指標によってチームの効果性を明らかにしています。また、チームの効果性を向上させる因子が定義されることで、多くの組織がチームビルディングに取り組みやすくなっています。

チームビルディング研修のテーマ

チームビルディングの課題は大きく2つに分けられます。

1つ目はメンバーの自律支援です。各メンバーが当事者意識をもって主体的に仕事に関わっていくことでチームのパフォーマンスは加算的に高まります。2つ目はチームのまとまりの強化です。メンバ―同士が互いに支え合う・助け合うことでチームのパフォーマンスは乗算的に高まります。

この2つの課題を解決する上で重要になるチームビルディング研修のテーマ(学習内容)をご紹介します。

1. 自己開示と相互理解

新しく生まれたチームや機能不全に陥っているチームが初めにすべきことは、互いに協力し合える関係を築くこと、つまり、メンバー同士の相互理解です。

相互理解を深めるには、それぞれのメンバーが自分の価値観や得意なこと、チームに貢献できることなどを自己開示することが重要です。

2.ビジョンの共有

有能な個人が集まったとしても、ビジョン(チームの目指す方向性)が共有されなければチームとして機能していくことはできません。

確かな意見を持つ専門性のあるメンバーだからこそ、お互いの進む方向が食い違い、エネルギーを浪費してしまうことがありますが、チームに大きな推進力をもたらすにはそれぞれのメンバーのベクトルを一致させることが重要です。

そのためのビジョン共有です。

3. 役割分担の再構築

今はビジネスの変化スピードの速い時代であり、その変化に合わせてチームも柔軟に変化することが求められます。

具体的には、チームビルディング研修を通じて、各メンバーの特性をチーム全体で認識し、今のチームを活かすための役割分担を再構築する場とすることが推奨されます。

4. 議論と対話

組織課題は複雑さを増し、これまでの成功モデルでは解決できない事象が増えています。この状況をチームで乗り越えるには「議論と対話」が重要です。

チームメンバーの専門性が発揮された議論で導き出された意見には、メンバーそれぞれの思い込み(前提)が含まれています。

かのアインシュタインも「いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできない」と述べているように、対話を通じてメンバーが自身の前提を明らかにして、自由に話し合うことが求められます。

自らの意見を主張すると伴に、メンバーそれぞれの意見にも耳を傾ける柔軟な姿勢をもち、思い込みを保留するための話し合い(対話)を続けることが大切です。

この議論と対話の場として、チームビルディング研修が有効です。

5. 学習基盤としてのチームビルディング

人がひとりで成長できることには限界があります。さらなる成長は人と人の相互作用によって行われていきます。

  • 自らが「強みと弱み」を認識する
  • 他者からのフィードバックによって「盲点となっていた強みと弱み」を知り、自らの分析をする

チームビルディング研修を通じてチームメンバーが率直なフィードバックを伝え合える関係を築くことで、チーム活動を学習基盤として機能させ、メンバーの主体的な成長を後押しします。

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チームビルディング研修の実施タイミング

1. 内定式・内定者研修

「内定ブルー」という言葉が知られる通り、内定者は自身の人生に影響する就職先の決断に対して不安感を持っています。

そんな内定者の気持ちに寄り添う目的で内定者を集めてチームビルディングを行うことには大きな意義があります。もちろん、内定辞退者の減少(内定辞退率の低下)効果も期待できます。

2. 新入社員研修

新入社員が一堂に会する新入社員研修はチームビルディングに取り組む好機です。人脈づくり(関係性構築)が苦手な新入社員が新しい環境に馴染むための貴重なきっかけにもなります。

また、新入社員研修の1日目にチームビルディングのプログラムを実施し、新入社員同士の繋がりを強化(仲間意識を醸成)しておくことで、新入社員の2日目以降の研修態度をより主体的なものへと変容させることも可能です。

3. 新任管理職研修

チームビルディングに主体的に取り組む当事者は管理職です。

その管理職の入り口に立っている新任管理職となる社員が自身のチームでチームビルディングを実践するためにも、新任管理職研修の中でチームビルディングの知識やノウハウを学ぶことに大きな価値があります。

4. 部門横断型プロジェクトのキックオフ

部門横断型プロジェクトのキックオフの場はプロジェクトメンバーの多くが初対面になります。

新入社員研修がそうであるように、まずはチームビルディングプログラムを実施することで互いの関係性を深めることで、キックオフ後のプロジェクト推進におけるメンバー間のコミュニケーションを円滑にする効果が期待できます。

チームビルディング研修で用いられる研修手法

1. 講義(座学)

学校の授業がそうであるように、講義は知識を伝える上で優れた手法です。

チームビルディング研修では、この講義と実践(ゲーム・グループワーク・ロールプレイング・ビジネスゲーム)をミックスする形が一般的です。

講義をする際には、講師が一方的に話をする形式になり、研修受講者の集中力の維持が難しい欠点があります。そういった意味では、外部の熟練の研修講師に登壇いただくことが効果的です(腕利きの研修講師には研修受講者を飽きさせない技術があります)。

2. ゲーム

研修受講者が楽しみながら取り組めるゲームコンテンツは、アイスブレイク(場の緊張をほぐすこと)や関係構築効果を狙う上で有効な研修手法です。

チームビルディング研修に使える面白いゲーム、盛り上がるゲームはないか?

そんなニーズにお応えするべく、本記事では「3つの効果別」にチームビルディング研修に使える面白いゲームコンテンツをご紹介します。

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3. グループワーク

研修受講者が数名単位のグループに分かれて課題に取り組むグループワークは、最も代表的な実践型の研修手法です。

講義1→ワーク1→講義2→ワーク2……という具合に、講義で伝えた知識の理解度を試す(知識を定着させる)用途に適しています。

4. ロールプレイング

ロールプレイングは実務スキルの習得に最適です。実際の業務を想定したトレーニングを行うことで、現場で活きるスキルを身に付けることが可能です。

ただし、チームビルディング研修でロールプレイングを行うことは一般的ではありません。

コミュニケーション研修であれば「上司への相談」「部下への指示出し」「営業の商談」などのシチュエーションでのロールプレイングが可能ですが、チームビルディングの場合は、そういった個別具体的な状況があまり存在しないことが理由です。

5. ビジネスゲーム

ビジネスゲームとはビジネスのシミュレーション(模擬訓練)ゲームです。

「ゴールを定め、計画を立て、行動し、結果を振り返りながらよりよいアクションに繋げていく」というビジネスの基本原則をゲームとして表現しています。

ゲームとしての楽しさと、学習効果を高めることを両立する点に、ビジネスゲームの大きな特長があります。

チームビルディング研修のFAQ

Q. チームビルディング研修でお勧めの学習法はありますか?

チームビルディング研修では「タックマンモデル」に代表される理論・知識を学ぶことも大切ですが、それ以上に、研修受講者の明日からの行動変容に繋げるための「学びや気づき」をどのように伝えるかが重要になります。

この時にお勧めな手法は体験型の学習です。グループワークやゲームを通じて体感的にチームビルディングの学びを伝えることで、(座学型の学習と比較して)深い「学びや気づき」を提供しやすくなります。

Q. 「楽しい」だけでなく、「楽しくて学びになる」チームビルディング研修を実現するにはどうすれば良いでしょうか?

チームビルディング研修で実施する学習コンテンツを見直すことを推奨します。

チームビルディングの目的がメンバー同士の交流(親睦を深めること)であれば「楽しい」だけでも良いと思いますが、より実務に活きる学びを得るためには楽しさと学びを両立する学習コンテンツを検討する必要があります。

その観点で、経験学習モデルに基づき設計されたビジネスゲームはお勧めです(ビジネスゲームについては、こちらの情報をご覧いただければと思います)。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム”2030SDGs”に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。博多駅前”fabbit hakata ekimae”に福岡オフィスを構え、関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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