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管理職研修の検討マニュアル

管理職研修の内容を検討する上で必要になる考え方やノウハウをご紹介します。

Contents(目次)

管理職研修が必要な背景

なぜ、管理職研修は必要なのか? 管理職研修が必要とされる背景には、より効果的な管理職研修を実現するヒントが隠されています。

1. 管理職としての教育機会の不足

管理職(マネージャー)とは称号や肩書ではなく、れっきとした仕事です。

当然ながら、管理職の仕事を遂行するために必要なスキルやマインドというものがありますが、管理職の役割を担うために必要な教育を受けないままに管理職の責務を果たすことを要求されるケースは少なくありません。

その結果、自身のプレイヤー時代の成功体験を部下に押し付けてしまう、付け焼刃のマネジメントで部下を振り回すなどの我流のマネジメントによって部門の成果とメンバーの成長が阻害されてしまう問題が起こり得ます。

2. ビジネスの競争の激化

IT(Information Technology/情報技術)を中心とした技術革新によって、グローバル規模でビジネスの競争が激化し続けています。

市場シェア上位企業との競争、新規参入のベンチャー企業との競争、異業種から参入してきた大企業との競争。様々な企業との競争を勝ち抜くために、管理職が取り組むべきことは何か。それはメンバー1人1人のパフォーマンスを最大化させるためのマネジメントかもしれません。あるいは、各部門の管理職が連携することで全体最適な取り組み(ビジネス革新)を推進することかもしれません。

いずれにしても、管理職が管理職研修等の機会を通じて、自身のマネジメントの知識や能力をアップデートさせることが重要になります。

3. 社会の価値観の変化

昭和、平成、令和。時代の移り変わりと共に、社会の価値観は緩やかに変化を続けています。ハラスメント問題は昭和の時代には許容(黙認)されてきたことが、今の社会では到底許されることではなくなりました。

その結果、組織内でハラスメントの当事者になり得る管理職は自らの言動に細心の注意を払う必要性が高まっています。部下がモラルに反する行動を起こさないように管理する責任も、その肩に重くのしかかります。

コンプライアンスの問題も同様です。今の日本社会には「悪いことは悪い。悪いことをしたら責任を取る必要がある」という価値観が浸透しています。社員個人の不祥事はそのまま企業の責任に転換され、企業ブランドの低下・顧客離れ等の甚大な影響を及ばす可能性があります。

ゆえに、管理職は自身と部下が問題を起こさないようにするために、ハラスメントやコンプライアンスについて学びを深めることが推奨されます。

4. リモートワークの普及

2000年代のITインフラの発達に伴い日本企業に緩やかに普及してきたリモートワークは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける形で一気に普及することになりました。

「オンラインMTGは意思疎通が難しいのでは?」
「オンライン商談は先方に失礼ではないか?」
「オンライン面接で見極めはできるのか?」

これらの疑念を抱いた状態(あまり乗り気ではない状態)で企業は全社的なリモートワークに取り組むことになりましたが、リモートワークがもたらすオンラインコミュニケーションの利便性に気付くまでには、さほど時間はかかりませんでした。

  • 営業担当者はオンライン商談によって、従来の移動時間の無駄を無くすことができ、営業活動に使える時間を増やせるようになりました
  • 採用担当者はオンライン面接に切り替える中で、これまではアプローチすることが困難であった地方在住者の応募を増やすことが可能になりました
  • マーケティング担当者はウェビナー(オンラインイベント)を活用することで従来のイベントで負担が重かった会場費を抑えることができるようになりました

このように、リモートワークのメリットを経験した私たちは、コロナ禍を乗り越えた先のニューノーマルな働き方としリモートワークを位置づけることでしょう。

しかしながら、リモートワークは万能ではありません。

出社時に挨拶を交わす。休憩時間に同僚と雑談をする。近くにいる上司に些細な確認や相談をする。仕事の合間に部署の先輩と仕事の話をする。仕事を終えた後に一緒に飲みに行く。オフィスで顔を合わせて仕事に取り組んでいた頃に自然と行われていた社員間のコミュニケーションが、リモートワークによって失われている側面があります。

その結果、リモートワークだと気軽に相談できない、悩みを打ち明けられないという具合に、孤独感を抱える社員や精神的なストレスを感じる社員が増えています。また、オンラインコミュニケーションは対面コミュニケーションと比べて部下の指導や管理が難しいと感じる管理職も増えています。

5. ダイバーシティ&インクルージョンの推進

性別・年齢・国籍・人種・社会的地位・障がいの有無・性的指向・性自認・価値観・働き方等の多様性を互いに尊重し、認め合い、活かしていく。このダイバーシティ&インクルージョン(D&I:Diversity & Inclusion)は日本国内ではグローバルビジネスを展開する大企業を中心に積極的な取り組みが進んでいます。

ダイバーシティ&インクルージョンのテーマ(具体的な取り組み内容)は多岐に渡りますが全て「人」に関わるものです。

D&Iのテーマ例>

  • 組織のグローバル化
  • シニアの活躍推進
  • 女性の活躍推進
  • 障がい者の活躍推進
  • LGBTへの理解促進
  • 働き方改革

管理職は人の育成・管理を担っているからこそ、ダイバーシティ&インクルージョンの推進へのコミットが求められます。

ちなみに、「ダイバーシティ&インクルージョンは大企業の問題だからウチ(中小企業)の会社には関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方はグローバルスタンダードです。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進に消極的な企業は、顧客や消費者、求職者から相手にされなくなっていくことが予想されます。日本国内の中小企業やベンチャー企業においても徐々にダイバーシティ&インクルージョンの取り組みが求められるようになるでしょう。

6. SDGsの取り組み

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)は、ダイバーシティ&インクルージョンと同様にグローバル規模で取り組みが進んでいます。

SDGsの取り組みの具体例としては、2021年3月のApple社の発表が話題になりました。

“Appleは本日、当社の世界中の製造パートナー110社以上が、Apple製品の製造に使用する電力を100パーセント再生可能エネルギーに振り替えていくことを発表しました”

参考:Apple、サプライヤー110社以上の再エネへの課題解決に協力|Apple(日本)

この発表は、サプライヤーがAppleとの取引を継続するには、自社工場の電力を100%再生可能エネルギーに切り替える必要があることを意味します。

このApple社のような動きは、今後、様々な業界・業種に発展していくことが想像できます(自動車業界では国レベルで環境規制の取り組みがすでに始まっています)。

これからの企業には、地球の持続可能性に配慮した上での事業活動が当たり前のように求められるようになっていく中、組織を牽引する立場にある管理職は新しい常識を学んでいく必要があります。

管理職の役割毎におすすめの管理職研修カリキュラム

管理職の役割が多様化・高度化する中で、管理職にはどのような研修カリキュラム(プログラム内容)が必要なのでしょうか? 管理職の役割毎におすすめの管理職研修カリキュラムをご紹介します。

1. チーム目標の達成

自分1人の目標を達成さえすれば評価されていたプレイヤー時代とは異なり、チーム目標の達成によってのみ評価を得ることができる管理職にとって、チーム目標の達成は最も重要な役割であると言えます。

メンバーと目標を握る。メンバーの仕事の進捗管理をする。メンバーが自走する(PDCAサイクルを回す)支援をする。チーム目標を達成するための管理職の仕事は尽きることがありません。

<おすすめの管理職研修カリキュラム>

  • リーダーシップ研修(チームメンバーを牽引するための資質・能力を磨く)
  • チームマネジメント研修(計画立案や部下の仕事の進捗管理のスキルを学ぶ)

【ご案内】リーダーシップ研修

私たちプロジェクトデザインではビジネスゲームを通じてリーダーシップの要諦を学ぶことができる研修プログラムをご提案します。

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2. メンバーの成長支援

会社組織とは事業継続・利益追求を目的とする組織であり、成長を志向します。

そして、組織が成長を目指す上では、管理職がメンバーに対してストレッチ目標(背伸びをしないと届かないような目標)を設定し、ストレッチ目標の達成に向けてメンバーの成長を支援することが必要不可欠です。

<おすすめの管理職研修カリキュラム>

  • コミュニケーション研修(チームメンバーを指導するための能力を磨く)
  • 1on1ミーティング研修(1on1ミーティングの手法を学ぶ)

3. チームビルディング

チームビルディングとはメンバーがパフォーマンスを最大限発揮できるように、チーム内の良好な信頼関係を築く取り組みを意味します。

野球やサッカーなどの団体競技では監督が代わることでチームのパフォーマンスが飛躍的に高まることがあります。この事実は優れたチームのアウトプットは足し算ではなく掛け算的に向上することを示唆しています。

これはビジネスの世界でも同様です。管理職はチームのアウトプットを最大化するためにチームビルディングに取り組む必要があります。チームビルディングで培った良好な信頼関係はチーム内の心理的安全性を高め、各メンバーの思考や行動の質に好影響を及ぼし、結果の質を高める効用が期待できます。

<おすすめの管理職研修カリキュラム>

  • チームビルディング研修(チームで受講し、メンバー同士が互いに尊重・信頼し合う関係の構築を目指す)

【参考】チームビルディング研修にビジネスゲームがお勧めな3つの理由

  • チームビルディングに効果がある研修を探している
  • 自社に適したチームビルディング研修が見つからない
  • ゲーム形式のチームビルディング研修を検討しているが、ゲームで研修効果があるのか気になる

こんな考えや悩みをお持ちの方に向けてチームビルディングの意味や目標、参加者満足度の高いチームビルディング研修のポイントなど、チームビルディング研修の実施検討に必要となる知識をお届けします。

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4. メンバーの健康管理

メンバーに頑張ることを強いることになる一方で、メンバーが頑張り過ぎないようなケアをすることも管理職の重要な役割です。

メンバーの残業時間や有給休暇の取得状況の管理、定期的な面談の実施などを通じて、メンバーの心と体の健康管理をする必要があります。

<おすすめの管理職研修カリキュラム>

  • 労務管理研修(労務管理の基礎知識を学ぶ)
  • 健康経営研修(健康管理が組織の生産性向上に直結することを学ぶ)
  • ハラスメント防止研修(パワハラやセクハラの基本知識を学び、部下に対する適切な指導法を身に付ける)

【ご案内】ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」

ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」では、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することが業績向上につながるという健康経営の本質を学ぶ機会をご提供します。

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5. 部門間の連携

ビジネスの競争が激化する状況下において、管理職は自部門のことだけを考えれば良いという考え方は通用しません。ビジネスモデルや業務変革に向けて、管理職が率先して他部門と連携することが求められています。

※例えば、自社の競争優位性を築くための手段としてDX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)が注目を浴びていますがDXを推進していく上でも、部門間の連携は必要不可欠です。

<おすすめの管理職研修カリキュラム>

  • システム思考研修(自部門だけでなく全社的=俯瞰的な視点での問題解決を考えるための思考法を身に付ける)

【ご案内】システム思考研修

ビジネスゲームを通じてシステム思考(複雑に絡み合う組織課題を解決する手法)を学ぶ機会をご提供します。

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役割6. ダイバーシティ&インクルージョンの推進

会社人間という言葉がある通り、一昔前は会社に尽くすのが当たり前な風潮がありました。会社に入社したその日から出世ルートを歩き続けるためにプライベートを犠牲にする事も厭わない。そんな価値観がありました。

しかし、今は多様性の時代です。仕事よりもプライベートを重視したい社員もいれば、管理職になる資格があってもプレイヤーであり続けることを望む社員もいます。

これからの管理職には、社員の価値観や志向性の違いを尊重し、認めながら、上手くマネジメントをしていくことが求められます。

<おすすめの管理職研修カリキュラム>

  • ダイバーシティ研修(組織を牽引する立場にある管理職としてのダイバーシティ&インクルージョンの心構えを学ぶ)
  • LGBT研修(組織内の制度と連動する形でLGBTについての理解を深め、LGBTの当事者にとって働きやすい環境の作り方を学ぶ)
  • アンコンシャスバイアス研修(自身の無意識の偏見について自覚を促し、行動変容につなげる)

管理職研修の検討手順

管理職研修を検討していく上で何から始めれば良いのか? あるいは、どういった順序で考えるのが合理的なのか? についてステップに分けて解説します。

Step1. 管理職に求められる能力・知識の検討

始めに、社内の等級制度と連動する形で、部長(上級管理職)・課長(中級管理職)・係長(新任管理職)などの各管理職レイヤーの役割を定義します。その上で、それぞれの役割の遂行に求められる能力や知識を検討します。

管理職の役割を定義をする際には未来の視点に立つことが重要です。

例えば、これまでの管理職には「部門間の連携」の役割は必要なかったかもしれないが今後はどうなのか? 既存のビジネス構造を見直す必要性がある中で部門間の連携はより必要になってくるのではないか? そういった先を見据えながら今の管理職の役割を再定義することを推奨します。

Step2. 研修を通じて獲得する能力・知識の特定

次に、管理職に求められる能力や知識群をどうやって獲得していくのかを検討します。

ここで注意すべきは、研修を通じて獲得できるものは基本的に知識に限られるという点です。能力獲得には経験が必要になります。つまり、研修を通じた能力獲得を意図する場合には、単発の研修ではなく、研修と実務をセットで考える必要があります。

例えば、リーダーシップに関わる能力獲得を目指す場合、リーダーシップ研修を実施して終わりではなく、実務への接続(研修の学びを実践で活かすこと)や実践を踏まえた振り返りの研修などの後工程を設計することが推奨されます。

Step3. 研修プログラムの検討

最後に、研修プログラムの検討です。

  1. 研修予算
  2. 受講者のスケジュール
  3. 研修課題(研修を通じて獲得したい能力・知識)
  4. 研修目標(研修中の学習目標)
  5. 研修目標を達成するための研修プログラム
  6. 研修効果の測定方法
上記1~3番の要素を揃えた上で、外部の研修会社に相談しながら詰めていくことを推奨します(4番以降の要素は研修会社に相談する中で定めていくイメージです)。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム”2030SDGs”に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。博多駅前”fabbit hakata ekimae”に福岡オフィスを構え、関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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