人的資本経営とは何か?注目されている背景と人的資本経営に関する企業事例をご紹介!

人的資本経営とは何か。

人的資本経営についての基本知識、人的資本経営が注目される背景をお伝えしつつ、人的資本経営に関する企業の取り組み事例を分かりやすくご紹介します。

Contents(目次)

人的資本経営とは

「ヒト・モノ・カネ」の経営資源と言われるように、人材は人的資源(Human Resource)として一般的に認識されています。

資源とは使う・消費するものであり、企業のマネジメントにおいては、いかに人材に係るコストを管理するかに主眼が置かれています。

これに対して、人的資本経営においては、人材とは人的資本(Human Capital)であると考えます。そして、企業のマネジメントの方向性はコストの管理ではなく、投資です。

つまり、人的資本経営とは、人材の価値を最大限に引き出すための投資を通じて、中長期的な企業価値の創造につなげる経営の考え方であると捉えられます。

<参考情報>
人的資本という言葉の定義については明確に定められたものはありませんが、参考までに内閣官房非財務情報可視化研究会が公表する定義をご紹介します。

“「人的資本」とは、人材が、教育や研修、日々の業務等を通じて自己の能力や経験、意欲を向上・蓄積することで付加価値創造に資する存在であり、事業環境の変化、経営戦略の転換にともない内外から登用・確保するものであることなど、価値を創造する源泉である「資本」としての性質を有することに着目した表現である”

企業が開示すべき人的資本の情報とは

2023年1月に人的資本に関する戦略や指標などの開示を求める内閣府令が公布され、2023年3月期の有価証券報告書から人的資本に関する情報開示が義務化されました。

ここで気になるのは、どのような情報を開示すべきかという点です。

例えば、2018年12月にISO(国際標準化機構)より公開された人的資本の情報開示のガイドライン(ISO30414)では、下記の11領域が人的資本報告領域として定められています。

<HCR areas:人的資本報告領域>

  1. compliance and ethics:コンプライアンスと倫理
  2. costs:コスト
  3. diversity:ダイバーシティ
  4. leadership:リーダーシップ
  5. organizational culture:組織文化
  6. organizational health, safety and well-being:健康・安全・ウェルビーイング
  7. productivity:生産性
  8. recruitment, mobility and turnover:採用・異動・離職
  9. skills and capabilities:スキルと能力
  10. succession planning:後継者計画
  11. workforce availability:労働力の利用可能性

上記の他にも、WEF(世界経済フォーラム)が制定するステークホルダー資本主義測定指標や、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)の制定するGRIスタンダードなど、人的資本の開示に関連する基準は複数あります。

どの指標を参考にすべきか悩ましいものですが、内閣官房非財務情報可視化研究会の「人的資本可視化指針」の中では、これらの開示事項に個別に対応していくことよりも優先すべきことがあると説いています。

“人的資本の開示を含むサステナビリティ関連情報の開示においては、制度開示で要請されている事項や、国内外の開示基準等に位置づけられている各開示事項に個別に対応していくアプローチが採用されがちである。しかし、人的資本への投資とその可視化、投資家等からのフィードバックを通じた磨き上げを循環的に進めていくためには、①まずは、自社の経営戦略と人的資本への投資や人材戦略の関係性(統合的なストーリー)の検討を行った上で、②「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの要素をベースとして具体的な開示事項を検討することが、効果的かつ効率的なアプローチである”

参考:人的資本可視化指針

この人的資本可視化指針の内容を下敷きに、自社として開示すべき人的資本の情報を検討していくことが推奨されます(本指針には、人的資本の開示に向けた検討の進め方はもちろん、人的資本の情報開示に関連する個別具体的な事例も豊富に記されています)。

人的資本経営に関するニュース&トピックス

  • 2018年12月
    人的資本の情報開示のガイドライン(ISO30414)の公開。ガイドラインには11領域・58の指標が定められている。
     
  • 2020年9月
    人材版伊藤レポート(持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 )の発表。レポートで強調された「人的資本」「人的資本経営」という言葉が広まるきっかけになった。
     
  • 2021年6月
    コーポレート・ガバナンスコード(上場企業が行う企業統治のガイドライン)の改訂。人的資本に関する開示・提示についての補充原則が追加された。
     
  • 2022年8月
    人的資本可視化指針の発表。開示が望ましい19項目と、項目整理のための4基準が提示された。
     
  • 2023年1月
    人的資本に関する戦略や指標などの開示を求める内閣府令が公布。2023年3月期の有価証券報告書から適用。

人的資本経営が注目されている背景

なぜ、人的資本経営は注目されているのか?

その背景を知ること、で人的資本経営が一過性のトレンドに留まらない、本質的に重要なものであることが見えてきます。

技術革新の影響

2000年代から続くIT・デジタルによるビジネス変革によって、企業を取り巻くビジネス環境は目まぐるしく変化し続けています。

近年では、AIやSaaSなどの安価に利用できるサービスの普及によって、社員の仕事の効率性が高まる一方で、「技術」や「ビジネスプロセス」の面で競争優位を築くことが難しくなっています。

言い換えるならば、自社のビジネスの競争優位性を確立し、企業価値を創造していくために必要な要素として「人材」への依存度が相対的に高まっているということです。

だからこそ、人を大切にする経営と称される、人的資本経営が注目されています。

投資家の変化

日本国内でも普及しているESG(環境・社会・企業統治)投資。

その中でも、社会(Social)の要因が持続的な企業価値向上には不可欠であるという認識が広がっています。

UNEP(国連環境計画)の公認協力機関であるGRI(Global Reporting Initiative)が提示するGRIスタンダードでは、社会(Social)に該当するマテリアリティ(重要課題)に、雇用・研修と教育・ダイバーシティと機会均等などの人的資本に関連する項目が多数含まれており、人的資本経営が重要視される一因になっています。

働くことに対する価値観の変化

今、個人の働くことに対する価値観は大きく変わりつつあります。

企業戦士やモーレツ社員のような画一的な価値観を前提とするのではなく、働くことに対する価値観は多様であることを前提に置き、様々な価値観を持つ社員がやりがいを感じて意欲的に働くことができるような組織運営が求められています。

そして、その組織運営の方法論として、人的資本経営が注目されています。

人的資本経営における、人材戦略の考え方

人的資本経営の目指す企業価値の創造とは、経営戦略の意図と合致するものです。よって、必然的に「人的資本に関わる人材戦略」と「経営戦略」との連動が求められます。

そこで、本稿では人材版伊藤レポート(持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書)と人材版伊藤レポート2.0(人的資本経営の実現に向けた検討会報告書)で示されている「人材戦略に求められる3つの視点・5つの共通要素」の内容に沿って人材戦略の考え方を解説します。

参考:持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書(人材版伊藤レポート2.0)

人材戦略に求められる3つの視点

視点1. 経営戦略と人材戦略の連動

経営環境が急速に変化する中で、持続的に企業価値を向上させるためには、経営戦略と表裏一体で、その実現を支える人材戦略を策定し、実行することが必要不可欠です。

また、自社に適した人材戦略の検討に際しては、経営戦略を担う経営陣が主導し、経営戦略とのつながりを意識しながら、人材面の課題についての具体的なアクションやKPIを考えることが求められます。

視点2. As Is-To Be ギャップの定量把握

人材戦略を不断に見直していくために、人材戦略が経営戦略と連動しているかを評価・判断することが重要です。

経営戦略実現の障害となり得る人材面の課題を特定した上で、課題ごとにKPIを用いて、目指すべき姿(To be)の設定と現在の姿(As is)とのギャップの把握を定量的に行います。

視点3. 企業文化への定着

持続的な企業価値の向上につながる企業文化は、所与のものではなく、人材戦略の実行を通じて醸成されるものです。そのため、人材戦略を策定する段階から、目指す企業文化を見据えることが重要になります。

人材戦略に求められる5つの共通要素

要素1. 動的な人材ポートフォリオ

経営戦略の実現には、必要な人材の質と量を中長期的に維持することが必要になります。

経営戦略の実現という将来の目標からバックキャストする形で、必要となる人材の要件を定義し、人材の採用・配置・育成を戦略的に進める必要があります。

要素2. 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、多様な個人の掛け合わせがイノベーションの原動力になります。

専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むには(同質性の高いチームから多様なチームへと変わるに当たっては)、社内外の協働の在り方を見直す必要があります。

要素3. リスキル・学び直し

経営環境の急速な変化に対応するためには、社員のリスキルを促す必要があります。

社員が将来を見据えて自律的にキャリアを形成できるように、リスキル・学び直しを積極的に支援することは、投資そのものです。

<ご案内>
リスキリングに関してご興味のある方は下記の記事をご覧ください。リスキリングの基礎知識をお伝えしつつ、リスキリングに関する企業の取り組み事例と、個人(一人ひとりのビジネスパーソン)にできることを分かりやすくご紹介します。

要素4. 従業員エンゲージメント

経営戦略の実現に向けて、社員が能力を十分に発揮するためには、社員がやりがいや働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境の整備が重要です。

その際、企業の理念、存在意義及び文化の浸透度合いから、ダイバーシティ&インクルージョンの達成状況に至るまで、様々な要素が複合的に関係するため、取り組みと検証を繰り返していくことが推奨されます。

要素5. 時間や場所にとらわれない働き方

社員が、いつでも・どこでも働くことができる環境整備は、事業継続の観点から必要性が高まっています。

その一方で、働き方に対する人々の価値観が多様化する中、マネジメントの在り方や、業務プロセスの見直しを含めて、組織としてどう対応できるかが重要になっています。

人的資本経営の実践について

上記の「人材戦略に求められる3つの視点・5つの共通要素」を踏まえて、企業ではどのように人的資本経営を実践すべきなのか?

そのことを考える上では、株式会社リクルートが公開する「人的資本経営の潮流と論点2022」のレポートの内容が参考になります。同レポートでは「人的資本の価値を高める戦略」と「人的資本の情報開示」を一体で捉えることが肝要であると説いています。

“人材を最重要の資本と捉え、すべての人を活用することを前提とした上で、人的資本経営を実践していくためには、2つのアジェンダがあると考えられます。

1つは「人的資本の価値を高める戦略」の推進です。これは、人的資本の投資戦略を検討し、従業員へ働きかけながら推進していくことを指します。もう1つの「人的資本の情報開示」は、ステークホルダーに対して、自社の人的資本の状況を透明性高く開示することを意味します。具体的にどのような人的資本の情報を、どのように測定し、社内のおよび社外のステークホルダーに情報開示をしていくかについて検討する必要があります。

この2つはそれぞれ切り離して考えるのではなく、人的資本経営を推進するために欠かせない構成要素として捉えることが肝要です。人的資本の価値向上に関する一連の取り組みを社内外に開示し、ステークホルダーと積極的な対話を行う。そうして得られた指摘やフィードバックを、人的資本のさらなる価値向上に活用していくという好循環をつくりだすのです”

参考:人的資本経営の潮流と論点 2022

2023年3月期の有価証券報告書から「人的資本に関する戦略や指標などの開示」が必要になることを人的資本経営の実践機会と捉え、ステークホルダーとの対話の中で人材戦略の磨きこみを行う好循環をつくることが推奨されています。

人的資本経営の実践における課題

人的資本経営を実践していく上での具体的な課題は、企業によって異なるものです。

その上で、多くの企業が共通して抱える課題感を予め知っておくことは、これからの人的資本経営の実践に大きく役立ちます。

下記は、株式会社リクルートが企業の人事担当者3,007人を対象に実施した、人的資本経営に関するアンケート調査結果です(調査期間:2021年10月29日〜11月12日)。

<人的資本経営を実践していく上での課題>

  • 従業員のスキル・能力の情報把握とデータ化:54.5%
  • 従業員の学び直し・スキルのアップデートへの投資:39.3%
  • 次世代経営人材の育成:34.5%
  • 経営陣の意識改革やコミットメント:31.6%
  • 組織文化の変革:30.6%
  • ミドルマネジメント・管理職の強化:30.2%
  • 経営戦略に基づいた人材戦略の実行:28.5%
  • 人事部の機能・役割の見直し:24.9%
  • ダイバーシティ&インクルージョンの促進:20.6%

参考:人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当者調査(2021)第2弾:「人的資本経営」の実践に向けた課題| 株式会社リクルート

この調査結果からは、人的資本への投資以前の問題として、多くの企業では自社の人的資本の状況把握・データ化ができていない実態が読み取れますが、貴社の場合はいかがでしょうか(それぞれの課題を自社に当てはめるとどうなのかを検討いただくことを推奨します)。

また、「人的資本の価値を高める戦略」と「人的資本の情報開示」を一体で捉える観点では、ステークホルダーである投資家側のニーズを知ることも重要です。

下記は、株式会社リンクアンドモチベーションが機関投資家100名を対象に実施した、非財務資本の開示に関する意識調査の結果です(調査期間:2022年3月8日〜10日)。

<開示が必要だと思う人的資本の項目>

  • ダイバーシティ(年齢別・性別の労働者数、障がい者雇用状況等):51%
  • コスト(人件費、採用や移動の費用など):46%
  • 生産性(1人あたりのEBIT、売上高、利益、人的資本ROI等):43%
  • 組織文化(従業員エンゲージメント等):41%
  • 採用・異動・離職(各ポジションの候補者数、内部異動率、離職率等):39%
  • スキルと能力(人材開発・育成の費用、研修時間等):38%
  • 労働力可用性(従業員数等):37%
  • リーダーシップ(マネージャー1人あたりの部下の数等):31%
  • 後継者計画(後継者の準備率等):30%
  • 健康経営(労働災害発生件数等):19%

参考:機関投資家の非財務資本開示に関する意識調査結果を公開 | ニュースリリース |株式会社リンクアンドモチベーション

人的資本経営に関する企業の事例

ここからは、人的資本経営に関する企業の事例をご紹介します。

なお、本稿では様々な企業の事例を共有することに主眼を置くため、1社1社の事例は部分限定的な内容になりますことを予めご了承ください(人的資本経営は裾野が広いため、企業の取り組みは広範に及びますが、その全てをご紹介することはしておりません)。

各企業の事例にご興味を持たれた際は、是非、参考リンクを起点に、その企業サイトの内容を幅広くご覧いただくことを推奨します。

オムロン

オムロンでは、オムロングループの長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」の中で、ビジョンと志の実現を後押しする、人的資本投資への取り組みを推進しています。

“SF2030では、オムロンがどれだけ人的資本を有効に活用し企業価値の向上につなげているのかを定量的に測る指標として「人的創造性」※を設定し、2024年度に2021年度比で+7%向上させる目標を掲げました。この指標は一人ひとりの能力発揮による価値創造の成長指標であり、重要な戦略目標と位置付けています”

※人的創造性: 付加価値額(売り上げから変動費を引いた値)を総人件費で割った人件費当たりの付加価値額

参考:人財アトラクション |社会|サステナビリティ|オムロン

サンゲツ

サンゲツでは、CSRの考え方に基づくESG活動を企業理念の実践そのものとして捉え、様々なステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に向けた活動を展開しています。

人的資本に関する情報は、ESGのS(社会)のマテリアリティとして開示されています。

<人的資本に関するマテリアリティと目指す姿>

  • 社員の健康と能力開発
    多様な従業員に対して、それぞれの雇用形態に関わらず、機会均等を尊重し、良好な職場環境の維持や健康維持増進支援を構築する/柔軟な処遇と向上心を持つ組織への変革につながる人事制度へ見直し
     
  • 社員エンゲージメントの向上
    エンゲージメントの測定手法確立/同手法での数値改善
     
  • 従業員のダイバーシティ・インクルージョン
    グループのグローバル化と共に世界人権宣言に基づく人権尊重、ダイバーシティを推進・維持する/障がい者雇用の職域拡大を推進し、雇用率目標4.0%に向け拡大していく

参考:ESGマネジメント|サステナビリティ|株式会社サンゲツ

花王

花王では、同社のサステナビリティレポートの中で、人財戦略実現に向けた具体的な指標と目標を開示しています。

<戦略的アクションとKPI>

  • 戦略的タレントマネジメント
    -公認が必要なポジションに対し、計画されている候補者の数(倍率)
    -後任候補からの任命率
    -キャリア採用(DX人財・専門性人材)
     
  • キャリア自律と自ら学ぶ能力開発
    -社員教育投資
     
  • チャレンジを認める評価・処遇・表彰
    -挑戦志向型人財
    -社員エンゲージメントサーベイの肯定的回答率
     カテゴリー:「挑戦を推奨する組織風土」
    -01KAO(新規事業の提案制度)提案実現率
     
  • 多様な活躍の場の創出
    -入社後3年間の定着率
    -外部団体・企業への人財輩出数
     
  • 挑戦と成長を前提とした適正配置
    -部門を超えたローテーション件数
     
  • フレキシブルワーク実現/先端技術活用による業務の効率化
    -働き方満足度
     社員エンゲージメントサーベイの肯定的回答率
     カテゴリー:「効率的で柔軟な働き方」
    -従業員満足度
     社員エンゲージメントサーベイの肯定的回答率
     カテゴリー:「職場の満足度」
    -DX人財
    -1人当たり年間総労働時間

参考:人材開発(花王サステナビリティレポート2023)

SOMPOホールディングス

2021年度、SOMPOホールディングスでは新たな中期経営計画のスタートにあたり、この先の数十年の長期スパンでグループが何を目指していくのかを「SOMPOのパーパス」として定め、パーパス浸透に向けた様々な取り組みを進めています。

<パーパス浸透に向けた取り組み>

  • 経営層による発信
    -CEO/各事業オーナーによるタウンホールミーティング
     
  • 各職場での取り組みとその支援策
    -MYパーパス1on1を枠組みとして活用
    -上司・部下の対話で浸透・自分事化
    -ワークショップ、MYパーパス共有会、動画等のサポート施策
     
  • 浸透の測定
    -CEO/各事業オーナーによるタウンホールミーティングでのアンケート実施
    -エンゲージメント・サーベイ
    -アンケートとエンゲージメントの突合分析

参考:パーパス浸透に向けた「各種取組み」|SOMPOホールディングス

ロート製薬

ロート製薬では、一人ひとりの従業員に対して、社外に飛び出して多様な会社や団体で社会の役に立つ経験をすることや、社内で部署の垣根を越え、複数の視点を持って仕事に挑戦することを推進しています。

具体的には、各自の経歴や得意分野を可視化し、キャリアビジョンを一人ひとりが明示するための人財マネジメントツールを導入し、これをもとに、“個”の成長に主眼をおいた人財討議を経営層が一丸となって推進。経営理念の自分ごと化を目指して、“個”のビジョンと、部門・会社のビジョンとの掛け合わせをすべく、全社を挙げて対話の促進を行っています。

<制度>

  • 社外チャレンジワーク(複業)
    複業という形で多様な働き方を認め合う制度を2016年に制定しました。会社の枠を超えた働き方を通じて、社内だけでは得がたい経験をすることができると考えています。その知見や経験が大きな成長につながり、本業にもよい効果をもたらしています。マルチジョブを通じて社員の新たな可能性を引き出すことが狙いです。
     
  • 社内ダブルジョブ(兼務)
    自ら手を挙げ、就業時間の中で部門の枠を超えて、他部署でも働くことができる制度も2016年よりスタートさせました。部署の枠にとらわれることなく働くことで、社員のスキルアップや働きがいを向上させるとともに、各自の新たな可能性を引き出すことが狙いです。2022年3月時点で123人の社員がこの制度を活用し、多様な働き方にチャレンジしています。
     
  • 社内起業家支援プロジェクト「明日ニハ」
    社会課題に向き合い“個”の想いとアイデアをもとに起業する社員のサポートを行っています。応募条件は当社の経営ビジョン「Connect for Well-being」にちなみ、Well-beingにつながる事業領域であること。事業を起こすという経験を通じて自律・自走する人を育てることができると考えています。社員は通常業務を行いながら起業し、マルチジョブな働き方をしています。社内クラウドファンディングとロート製薬がマッチアップし活動資金として出資、2022年3月時点で4社の会社が設立されています。

参考:人財育成|サステナビリティ|ロート製薬株式会社

SHIFT

SHIFTでは、LTV(ライフタイムバリュー:将来在籍する期間に生み出す利益額の期待値)の最大化に向けた人的資本投資を積極的に推進しています。

具体的に、同社では各従業員のLTVとCPA(戦力化コスト:必要な人員の採用・育成にかけるコスト)を算出する方程式を基にした未来予測によって、積極的な人的資本への投資活動を続けています。

“人的資本への投資が、どれだけ事業の成長に紐づいているかをクリアにし、経営を行うことがSHIFTの人的資本経営です。FY2023に予定している人的資本への投資額は、売上高目標の8.5%を占める74億円におよび、他社を大きく上回る水準といえます。結果として、LTVとしては1,043億円のリターンが想定でき、非常に効率の良い投資であると考えています”

参考:統合報告書 |株式会社 SHIFT

この記事の著者について​

執筆者プロフィール

池田 信人

自動車メーカーの社内SE、人材紹介会社の法人営業、新卒採用支援会社の事業企画・メディア運営を経て2019年に独立。人と組織のマッチングの可能性を追求する、就活・転職メディア「ニャンキャリア」を運営。プロジェクトデザインではマーケティング部門のマネージャーを務める。無類の猫好き。しかし猫アレルギー。

監修者プロフィール

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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