コミュニケーション研修の検討マニュアル

コミュニケーション研修に求められる「学びの要素」やコミュニケーション研修の種類、FAQなどのコミュニケーション研修を検討する上で必要になる考え方やノウハウをご紹介します。
Contents(目次)

コミュニケーション研修が必要な背景

1. 組織の枠を超えた協働の時代

  • 新技術の共同開発(業界内の共同、産学共同)
  • 業務委託の活用(例:社員の個人事業主化(電通やタニタ))
  • 副業の流行(副業社員の採用)

など、自分たちの組織の枠に留まらない協働が求められる今の時代、価値観の異なる人や組織と上手く協働するためのコミュニケーションの重要性が高まっています。

2. テレワークの普及

出社時に挨拶を交わす。休憩時間に同僚と雑談をする。近くにいる上司に些細な確認や相談をする。仕事の合間に部署の先輩と仕事の話をする。仕事を終えた後に一緒に飲みに行く。

オフィスで顔を合わせて仕事に取り組んでいた頃に自然と行われていた社員間のコミュニケーションが、テレワークによって減少した結果、精神的なストレスを感じる社員が増えています

リクルートキャリアの調査でも、雑談の有無がストレスの解消具合に差異を生じさせることについて言及しています。

テレワークによってストレスを感じた人を、仕事中に「雑談」がある回答群と「雑談」がない回答群に分けたところ、ストレスの解消具合に差異があることが分かりました。先述した通り、いまだにストレスが解消できていない割合は67.7%でしたが、「雑談」がある人の場合はこの値が63.2%であるのに対して、「雑談」がない人は77.3%であり、両者には14.1ptの差があります。テレワークによって感じるストレス状況は、仕事中の「雑談」がない人の方がより深刻である様子がうかがえます

参考:新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査|リクルートキャリア – Recruit Career

 また、テレワークで仕事を進める中では「仕事の全体像が分からない」「チームメンバーがどんな仕事をしているのか見えづらい」など、チームワークが阻害されやすい傾向にあり、これまでのオフィスワークを前提としたコミュニケーションスタイルからの変化(テレワークを前提とするコミュニケーションスタイルへのシフト)が求められています。

コミュニケーション研修の「学びの要素」

コミュニケーションは組織の血液です。

対人関係における情報や感情のやりとりとなるコミュニケーションがスムーズに伝わる健康な組織をつくることは、組織が本来持つ価値の発揮に繋がります。

コミュニケーション研修では、一般的に「コミュニケーションスキルの習得」が目的とされますが、社員個人のコミュニケーションスキルが向上するだけでは組織のコミュニケーション改善には至らないことは少なくありません。

そこで、本稿では組織のコミュニケーション改善に貢献するという観点で、コミュニケーション研修に求められる「学びの要素」をご紹介します。

学びの要素1. 関係の質から始まる成功循環

組織づくりで初めに意識すべきことは「関係の質」を築くこと。つまりお互いに信頼と尊重が感じられる関係を築いていくことです。

一方通行の伝達にならず双方向の情報や感情のやり取りがおこなわれているか。発言は組織の中でしっかりと聴かれ、受け止められているか。一部、特定の人だけが話し合うなど傍観者となっている人が居ないか。

これらのやりとりに対して一人ひとりが主体的に関わりを持ち、目の前の相手と関係を培っていくこと。この関係の質を構築することが豊かな組織づくりの起点だと理解することが重要です。

学びの要素2. 心理的安全性の基盤構築

関係の質が高まり、話し合いが行われるようになったとしても、わたしたちは普段のコミュニケーションで感じる「対人関係のリスク」からなかなか抜け出せずにいます。

皆さんも経験があるのではないでしょうか。

  • 重要事項の話し合いにおいて「間違っている」ことを恐れて発言を止めてしまったこと
  • 話し合いの「邪魔をするやつ」と見られたくなくて黙ってしまったこと
  • 起きてしまったミスを伝える際に「無能」とレッテルを貼られることを恐れたこと

これらの話し合いにおける「不安」や「不快」を減らしていくことは、組織の成長を実現し、心理的安全性(安心してリスクを取れる環境)の基盤構築に繋がります。

学びの要素3. 共創的対話

組織が成長するためには、皆で意見を交わし合い新たな知恵を産み出す共創的対話が重要です。

これまでは、論理的思考で分析していくことによって解決する問題も多く存在していましたが、今では複雑性が増して一筋縄では解決できない問題も増えています。

このような状況では、情報のやりとりだけではなく、相手との感情のやりとりによって本当に相手が望むことはどのようなことなのか、言葉が表す情報と感情を通じて、隠れた「真のニーズ」を掴んでいくことが求められます。

いわゆる「Win-Win」「三方よし」の実現が求められます。

学びの要素4. 視座・視野・視点

立場の違いがコミュニケーションギャップを産んでしまうことがあります。

最も特徴的なのは上司と部下のコミュニケーションにおけるすれ違いです。上司は部下を信じて指示を出したはずが、いつまでも報告が返ってこないことに苛立ちを感じ、部下が活躍したとしても「まず報告することが重要」など、互いを不快にするコミュニケーションを取ってしまうことがあります。

部下にとっても「上司の指示が曖昧で動けない」など、情報のやり取りに起因する問題はあちこちで起きています。

そのギャップ解消には、お互いの立場と役割の理解が重要です。

学びの要素5. 構造を乗り越えるコミュニケーション

私たちの社会では、自らの力が及ばない外部の影響でコミュニケーションが阻害されてしまうことがあります。2019年から始まった新型コロナウイルス感染症によるリモートワークへのシフトもその一つです。

  • 出社制限されるなかで対面と同じやりとりを文章ベースで進めてしまい、感情を交わすことなく孤独感に苛まれてしまう
  • リモートワークで働く姿が見えないことによって、過度なマネジメントを強いてしまい、働く自由さが阻害されてしまう
  • 隣の組織に居るメンバーが何をしているのか、どのようなノウハウを持っているのかを確認する機会を失い、組織に蓄積されたナレッジを共有できずに居る

コミュニケーションを取り合う構造が一変しているにもかかわらず、従来のコミュニケーションを取ってしまうことで問題が起こっています。

この構造的な問題を乗り越えるためのコミュニケーションへの挑戦が必要です。

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コミュニケーション研修で用いられる研修手法

1. 講義(座学)

講義は学校の授業がそうであるように、知識を伝える上で優れた手法です。

コミュニケーション研修では、この講義と実践(ゲーム・グループワーク・ロールプレイング・ビジネスゲーム)をミックスする形が一般的です。

講義をする際には、講師が一方的に話をする形式になり、研修受講者の集中力の維持が難しい欠点があります。そういった意味では、外部の熟練の研修講師に登壇いただくことが効果的です(腕利きの研修講師には研修受講者を飽きさせない技術があります)。

2. ゲーム

研修受講者が楽しみながら取り組めるゲームコンテンツは、アイスブレイク(場の緊張をほぐすこと)や関係構築効果を狙う上で有効な研修手法です。

コミュニケーション研修に使える面白いゲーム、盛り上がるゲームはないか?

そんなニーズにお応えするべく、本記事では「3つの効果別」にコミュニケーション研修に使える面白いゲームコンテンツをご紹介します。

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3. グループワーク

研修受講者が数名単位のグループに分かれて課題に取り組むグループワークは、最も代表的な実践型の研修手法です。

講義1→ワーク1→講義2→ワーク2……という具合に、講義で伝えた知識の理解度を試す(知識を定着させる)用途に適しています。

4. ロールプレイング

ロールプレイングは実務スキルの習得に最適です。

上司に相談するシチュエーション、部下に指示出しをするシチュエーション、営業の商談のシチュエーションなどの実際の業務を想定したトレーニングを行うことで、現場で活きるスキルを身に付けることが可能です。

5. ビジネスゲーム

ビジネスゲームとはビジネスのシミュレーション(模擬訓練)ゲームです。

「ゴールを定め、計画を立て、行動し、結果を振り返りながらよりよいアクションに繋げていく」というビジネスの基本原則をゲームとして表現しています。

ゲームとしての楽しさと、学習効果を高めることを両立する点に、ビジネスゲームの大きな特長があります。

コミュニケーション研修の種類

1. 新規チーム・リーダー向けコミュニケーション研修

新規チーム向け・リーダー向けコミュニケーション研修では、新たなチームがスタートした際に具体的な業務の話をする前に関係構築が必要なことを学びます。

新しいチームで自分の能力を活かしていくことができるのだろうか、チームとしてのレベル感はこれまでのチームと大きく異なりはしないだろうか。話をする時に「恥」をかいてしまうのではないか、などの様々な不安を抱えながらチームの活動は始まっていきます。

いち早く安全に話し合いができる環境をつくるために、一人ひとりが取り組めることを考え、現場業務における実践に繋げていきます。

2. 新入社員向けコミュニケーション研修

新入社員向けのコミュニケーション研修では、同期の関係構築と併せて、ビジネスマナーや報連相に代表される先輩・上司との仕事の進め方を重点的に学んでいきます。

新人の仕事は、先輩や上司からの指示や依頼・命令を受け取って業務を覚えることから始まっていきます。そして、受けた指示を正確に終わらせるためには相手の立場に立って「求められている成果は何か?」「いつ、どのようなやり取りを求められているか」を考える視点、つまり、1階層もしくは2階層上の立場の視点を持つことが重要です。

3. 既存チーム向けコミュニケーション研修

既存チーム向けコミュニケーション研修では、研修後の業務で具体的に何をしていくことができるのかをつかみ取ることを目指します。

既存チームに対してコミュニケーション研修が必要になってしまった場合、それは、何らかの構造的課題を抱えていることが多いと言えます。

リモートワークが進み、コミュニケーションスタイルが変わってしまったが、従来のスタイルから変えられずに歪みが大きくなっているケースなどに向き合い、実際の業務で何をしていくことができるかをつかみ取ります。

コミュニケーション研修のFAQ

Q. コミュニケーション研修は新入社員向けに実施するものでは?

一般的にコミュニケーション研修と言えば、ビジネスマナーや報連相、接客や営業における顧客対応の基本を学ぶものであり、それは新入社員向けに実施されるケースが多いと思います。

ただ、組織で起きるコミュニケーションの問題は新入社員の問題だけではありません。

上司の問題で起きるコミュニケーションの問題もあれば、チーム(部署)全体が抱えるコミュニケーションの問題もあります。それぞれの問題解決の手段として、適切なコミュニケーション研修を実施することに価値があります。

Q. チームビルディング研修とコミュニケーション研修はどのような点に違いがありますか?

それぞれに重なる部分はあると捉えています。

その上で、チームビルディング研修の場合はチームづくり(共通の目的に向かってパフォーマンスを高めていくこと)のために、チームメンバーが互いの強みや弱みを知ることや、チームの中で合意形成するためのスキルを重視しています。

コミュニケーション研修の場合は、コミュニケーション改善(組織の血液となる情報や感情ががさらさらと流れるようになっている状態、組織の健康改善)のために、お互いの存在を認め、安心安全を築いていくことを重視します。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム”2030SDGs”に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。博多駅前”fabbit hakata ekimae”に福岡オフィスを構え、関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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