【事例インタビュー】SDGs未来都市「滑川市」の水野達夫市長が語る「SDGsの地域浸透とカードゲームの可能性」

プロジェクトデザインが本社を構える富山県滑川市が、2024年度の「SDGs未来都市」に選定されました。

富山県内の自治体ではこれまでに富山県と富山市、南砺市、氷見市が「SDGs未来都市」に選ばれており、滑川市は5例目となります。滑川市は今後どのような取り組みを進められていくのでしょうか。

そこで、「SDGs未来都市」への選定とSDGs達成に向けた取り組みを政策の柱として掲げられている水野達夫滑川市長にお話を伺いました。

本稿では、2024年5月28日に行ったインタビューの内容をご紹介します。

SDGs未来都市選定証
SDGs未来都市選定証を持つ水野市長

SDGs未来都市とは

SDGsの理念に沿った基本的・統合的取り組みを推進しようとする都市・地域の中から、特に経済・社会・環境の三側面における新しい価値創造を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域として選定されるもの。

これが内閣府による「SDGs未来都市」の定義です。このSDGs未来都市は地方創生を深化させていくことを目的としています。

SDGs未来都市の事例などについては、こちらの記事をご覧ください。

参考:SDGs未来都市とは?地方自治体の事例をまとめてご紹介します(3分でわかる!SDGsクイズ)

滑川市の特徴

滑川市は富山県の中央からやや北東に位置する、面積54.62㎢、人口約33,000人の市です。富山湾に面した田園都市で、富山市と魚津市、上市町に隣接。かつて北陸街道の宿場町として栄え、 近年では大型企業の立地が相次ぐなど、工業都市としても発展を続けています。

株式会社プロジェクトデザインも、代表の「地方から世界で勝負できるような企業モデルとなる」という想いから、この滑川市に本社を構えています。

観光面では、富山湾の春の風物詩・ホタルイカの漁を間近で見られる “ほたるいか海上観光(1912年:明治45年頃から開催)” をはじめ、“ふるさと龍宮まつり海上花火大会” “なめりかわランタンまつり” “あかりがナイト”など、光と灯りのイベントが催される街として市内外に認知されています。

参考:滑川市ホームページ

SDGs未来都市「滑川市」が目指す姿

-SDGs未来都市の選定、誠におめでとうございます。今の率直な思いをお聞かせください。

水野市長:本当に嬉しい限りです。
 
市長選の立候補時に掲げた公約の1つ「SDGs未来都市を目指します」を実現できたこともありますが、この時に示した政策ロードマップの実現に向けて着実に前進しています。ここまで来られたのは、やはり職員が頑張ってくれたおかげでもあります。

2024年5月23日、東京都内で行われた選定証授与式の様子(画像は内閣府より提供)

-SDGs未来都市となった滑川市が目指す姿はどんなものでしょうか。

水野市長:滑川市は、「笑顔いっぱい 幸せいっぱい 光り輝く 滑川」の実現を目指しています。

経済・社会・環境の三側面を回しながら地域課題を解決し、SDGs未来都市として好循環を生み出していくというものですが、特に若者世代を原動力として地域に好循環を生み出す仕組みを作っていきたいと考えています。

今、「富山県の人口が100万人を割った」というニュースがある中で、滑川市は人口の社会増が8年間続いています。この滑川市が率先して若者の流出抑制の取り組み、もしくは一旦富山県や滑川市を出ていったとしても将来的に戻ってきていただけるようなUIJターンを増やす取り組みをすることに意義があると考えました。そのためには、仕事や雇用を生み出していくことが必要です。中小企業等のDX(デジタル技術活用)・GX(クリーンエネルギーへの構造転換)を支援する次世代人材育成プロジェクトにより、今の時代に合わせた人づくりに取り組むことが、1つの柱です。

もう1つは、滑川の名産であるホタルイカをうまく使っていきたいと考えています。具体的には、ARを使ったホタルイカ定置網漁の体験設備を導入して、資源や環境にやさしい漁獲方法であるホタルイカの定置網漁の仕組みを体感・学習できるようにすることで、教育面だけでなく観光面も充実させていきます。また、貴重な環境資源であるホタルイカを後世に残せるよう環境保全に繋いでいき、経済・社会・環境がうまく循環していく魅力あるまちを創っていきたいと考えています。

-SDGs未来都市に選定された経緯についてお聞かせください。

水野市長:昨年度の選定に向けて行った1度目のチャレンジは、うまくいきませんでした。

しかし内容を見直し、今年度は滑川市の未来像をより具体化して、私が公約に掲げた「地育地生(ちいくちしょう)」を実現するために、「地域で育て、地域で生きていく、そのために地域に仕事を創出することで若者が活躍し、外に出た若者も地域に戻ってくる」といった循環を描きました。

人づくりにおいて、子ども向けのワークショップ等(なめりかわ未来学校)を実施するなどの中長期的な教育の側面だけでなく、DX人材やGX人材の育成と活動を下支えするとした、起業者も含む即効性のある事業も導入した点が評価されたのではないかと考えています。

もちろん、これらは市役所だけでは実現できず、市民や企業との連携が欠かせません。

2024年度SDGs未来都市に応募した際の事業概要(滑川市提供)

SDGs未来都市「滑川市」の実現に、プロジェクトデザインのSDGsゲームが後押し

-SDGs未来都市「滑川市」の実現に向けて市民や企業との連携が欠かせないとのことですが、その中でプロジェクトデザインとの関わりについてお聞かせください。

水野市長:市はプロジェクトデザインと連携しカードゲーム「SDGs de 地方創生」を活用したワークショップを2022年8月と2023年1月に2回実施したほか、市内の小中学校でもSDGsカードゲームを用いた授業を複数回実施しています。

これらによって、子どもから大人まで市民を巻き込んで滑川市のSDGsに関する想いを伝え、滑川市全体がSDGs未来都市に向けてベクトルを同じくして動いていく意識の醸成に繋がりました。

SDGsの達成目標である2030年はもうすぐ。SDGsは子どもたちの学習だけでなく、いまだ地元中小企業の認知度が低いため、みなさんに意識をもっていただきたいと考えています。

実はこの状況は、ゲームでも同じことが起こっていたと感じます。ワークショップには私もプレイヤーの一人として参加したのですが、ゲーム開始時は何をやっていいか分からなかったのが、みんなで考え、行動することで少しずつ状況が変わっていきました。

「こうすれば良くなる」と分かった時点で、みんなが活発に動き出す。それが本当に実生活と同じで、まちづくりではそういった志を同じくする人の動きがあってこそ、持続可能になっていきます。

自分の中でも様々な気づきがありましたし、参加者のみなさんには地方創生の流れを分かってもらえる良いきっかけになりました。あれは本当に貴重な体験でしたね。

プロジェクトデザインのSDGsを学べるカードゲームは、SDGs達成に向けた意識や行動を拡げていくための第一歩にとても良いコンテンツだと思います。気づいてもらえる市民が1人でも増えてほしいので、多くの方々に体験してもらいたいです。

SDGs未来都市「滑川市」の今後に向けて

-SDGs未来都市「滑川市」の今後の具体的な動きや、地元企業、市民と共に一緒に推進したいことについてお聞かせください。

水野市長:SDGs未来都市に選定されることがゴールではなく、スタートだと考えています。「笑顔いっぱい 幸せいっぱい 光り輝く 滑川」の実現に向け、引き続き魅力的なまちづくりに取り組んでいきます。

まずは職員の意識向上や資質向上を目指し、地方創生に関する包括連携協定を締結したあいおいニッセイ同和損害保険株式会社様による、プロジェクトデザイン開発の新作ゲームを実施することが決まっています。これは滑川市にプロジェクトデザインの本社があるから、いち早く実施していただきたいという要望が叶いました。

そして地域企業や市民の方々にSDGsを意識づけすること、推進していくことを理解していただくため、プロジェクトデザインのカードゲームなどでどんどん広げていきたいとも考えています。

市民の方々のSDGsに関する想いが高まり、それが企業にも伝わって滑川市全体がSDGs未来都市に向けて進んでいけるよう、今後も引き続きお手伝いをお願いしたいです。

-水野市長、ありがとうございました!

ご案内

プロジェクトデザインでは、SDGsの理解浸透やまちづくりの計画策定、アクションプラン構築のコーディネート、ワークショップの設計・登壇を行っています。
・ 行政や企業、市民が一体となってまちづくりを考えるワークショップの実施
・ 自治体の政策立案や計画策定のコーディネートや伴走支援
・ 組織や学校でのSDGs普及啓発、学習機会の提供

上記のようなお問い合わせも大歓迎です。

皆様のまちづくりへの想いを大切にしながら、私たちプロジェクトデザインの知見と強みを活かし、まちの未来を一緒に創っていきましょう。どうぞ、お気軽にご相談ください。

Contact Us

問い合わせ

お問い合わせ

お見積り依頼の他、ちょっと知りたい・聞いてみたいことへの相談にも対応させていただいております。是非、お気軽にお問い合わせください。

<相談内容の例>

  • 数あるビジネスゲームの中から自社に合うビジネスゲームが何かを知りたい
  • 自社が抱える組織課題に対してビジネスゲームでどんなことが出来るのかについて情報交換したい
  • ビジネスゲームの共同開発について興味があるので少し詳しい情報を提供してもらいたい
資料請求

私たちプロジェクトデザインの会社案内やビジネスゲームのサービス紹介資料をダウンロード可能です。興味のある資料をお気軽にご利用ください。

<ダウンロード資料の種類>

  • 会社案内資料(収録内容:ビジネスゲームとは/プロジェクトデザインの強み/ビジネスゲーム一覧/私たちがお応えできるニーズ等)
  • サービス紹介資料(収録内容:ゲーム概要/コンセプト/学習効果/活用例/料金プラン等)

Official Site

公式サイト

※ロゴをクリックいただくと公式サイトへ遷移します

Copyright © 2016 Project Design Inc. All Rights Reserved.