【実施レポート】SDGs学習の最初の一歩は、楽しく!自分事化する事から始めませんか?「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲーム(滑川中学校の3年生171名で実施)

2022年6月2日、富山県滑川市の「滑川中学校」でSDGs学習の一環で実施させていただいた「CHANGE FOR THE BLUE カードゲーム」の実施レポートをお届けします。

「総合学習の時間に、SDGsをテーマにした授業を実施しようと考えているものの、どのように授業を設計してよいかが分からない」。

「過去にSDGs学習を実施したものの、SDGsはテーマが壮大過ぎて、どこか他人事のように考える生徒が多かった。生徒自身が、自分の身近な問題としてSDGsを捉えることができて、主体的に学びを進められるような学習法が見つからずに困っている」。

そんな悩みを抱えていらっしゃる先生方に向けた内容です。

「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームとは

「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームは海洋ごみ問題について考えるゲーム型のアクティブラーニング学習教材です。小学生高学年から中学生向けのSDGs学習を目的とした授業にご利用いただけます。
※「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームは、海のごみや汚れを減らす行動のシミュレーションを通して海洋ごみ問題について考えるきっかけとしてもらえるように「CHANG FOR THE BLUE in富山実行委員会」と株式会社プロジェクトデザインが協業で開発したゲームです。

実施背景

滑川中学校では、3年生の「総合的な学習の時間」に、SDGsの授業を実施しています。

  1. SDGsの17のゴールの中から生徒が自分で課題を設定する
  2. インターネットを使った「調べ学習」を進める
  3. 調べた結果や分かったこと・理解したことをまとめる
  4. まとめたこと・自分たちが出来ることを発表し合う

このような流れでSDGsの授業を実施される中で、「SDGsについて、自分事化して考える機会を設けることができずにいる」という問題が浮かびあがり、この問題解決の手段に「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームが選ばれました。

“カードゲームを通じて楽しみながらSDGsについて理解を深めることができる。その上で、例年のSDGsの授業に接続していくことで、SDGsを自分事として考えやすくなるのではないか

このような期待値のもとに「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームを実施させていただきました。

実施要件

「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームの実施方法は、2つのパターンがあります。

  1. 先生自らがゲームを運営するライセンスを取得いただくパターン
  2. 私たちプロジェクトデザインがゲームの運営代行をさせていただくパターン

今回は後者(2番)のパターンで実施するため、まずは「事前お打ち合わせ」の中で実施要件を整理します(滑川中学校様の実施要件は下記の通りです)。

<実施要件>

    • 3年生全員で足並みを揃えてSDGs授業を開始したい。そのスタートとして今回のゲームを位置付けたい
    • ゲーム実施後には、生徒は自分の決めたSDGs17ゴールを調べて行くことになるので、ゲームでSDGsについての理解と学びを深めたい
    • SDGsについて、生徒が自分事として捉える主体的に取り組めるよう具体的なイメージを持てるようにしたい。

この実施要件にもとづき、今回の「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームは、3年生全員(全5クラス・171名)が一斉に取り組めるスペースを確保できる体育館で実施することが決定しました。また、ゲーム実施後には今後のSDGsの授業へ繋げる内容で振り返りを実施することも決定しました。

※このように、私たちプロジェクトデザインがゲームの運営代行をさせていただく場合には、ゲーム実施に向けて、私たちのリードのもとに準備を進めます(プロジェクターやスクリーン、テーブルやホワイトボードなどの備品の準備は学校側にお願いしております)。

実施レポート

実施概要

実施日:2022年6月2日 5・6時間目(総合的な学習の時間)
参加者:171名(滑川中学校3年生全員)
実施内容:「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームの実施(※)

※ゲーム実施後の振り返り(今後のSDGsの授業へ繋げる内容)を含む。

「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームの概要

「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームは海のごみや汚れを減らす行動のシミュレーションゲームです(ゲームはターン制で進行し、全4ターン実施します)。

クラスの生徒全員(30人~40人)がチームごとに農家や漁師、役場、工場など12の役割を担います。それぞれの役割の仕事カードと生活カードの中から、どんな行動を選択するのかをチームで話し合い、全員で海洋ごみを減らすためにプロジェクトを実行していきます。

行動を選択すると(選択したカードを実行すると)結果カードが渡されると同時に、地域の状況を表すメーター(市民意識/便利さ/技術/ごみ・汚れ)が変化します。

ゲーム開始時には市民意識が低く、ごみ・汚れが多い状態です。現実世界と同様に、何もしなければ海のごみ・汚れはさらに増えていってしまいます。ゲーム終了時に、どのようなゲーム結果になるかは自分たちの行動次第です。

ゲームの様子

「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームは、通常はクラスの生徒全員(30人~40人)で取り組みますが、今回は3年1組から5組までのクラス対抗でゲームを行います。

「どのクラスの海が一番きれいになるか?」の勝負です。

ゲームは、ルール説明や海洋ごみ問題についてのイントロダクションから始まります。全員でゲームの取り組み方や、海洋ごみ問題の知識をインプットした上で、ゲームスタートです!

ご覧の通り、今回は生徒さんも床に座り、カードも床に並べた状態でのゲーム実施となりました。

チーム内の話し合いだけでなく、チームを越えた情報交換も活発に行われていました。また、ゲーム途中の報告タイムでは、他のクラスの海洋ごみの状況を示す「ごみ・よごれメーター」を知ることができます。

「他のクラスに負けまい!」と、クラス対抗戦形式は大変な盛り上がりを見せました。

ゲーム実施後の振り返り

ゲーム終えた後は、振り返りを行います。

「CHANGE FOR THE BLUE カードゲーム」では、参加者の方にどういった学びを得てほしいのか? その後どういったアクションに繋げて行きたいのか? によって振り返り内容を設計しています。

今回は、次回以降の「SDGs授業」に繋げること、そしてSDGsについて自分事として捉えてもらう事で主体的に学ぶ意識を持ってもらうために、振り返りの質問2つと宿題を出すことにしました。

1つ目の質問は「ゲームで気づいた事、感じた事をチームメンバーへ共有しましょう」とし、チーム内でディスカッションの時間をとりました。

2つ目の質問は「私たちの日々の生活の中で少し工夫をするだけで、個人の取り組みとして、海ごみを減らす事ができるものは何だと思いますか?」です。こちらは、個人ワークとして、付箋に記入した内容をホワイトボードに貼ってもらう形をとり、他の人の意見も見る事ができるようにしました。

ホワイトボードに貼りつけられた付箋(画面右下)

宿題は、次回以降のSDGs授業へ繋げていく内容です。

今回のゲームの中に登場した「生活カード」を自分で作るようなイメージで、興味のあるSDGsの目標に対して、どの様な取り組みが出来るのか?を考えることを宿題としました。

SDGsの目標は範囲も広く、知識も膨大で学ぶ方法も切り口も様々です。今回はこれからの「SDGs授業」で、生徒さんがより主体的に学んで行く土台作りとして、SDGs14を掘り下げ、自分事化して行くイメージを持てる内容としました。

宿題の内容(次回のSDGs授業へ繋げていく内容)

生徒の感想

  • 「正しい判断と正しい行動を正しく知る」ということが大切だと思いました。

  • 「海の豊かさ」に限らず、「陸の豊かさ」にも少し関わってくると思いました。

  • 改めてSDGsの目標等を見直そうと思いました。今日のカードゲームはとても難しかったです。そして班の人と協力する大切さが分かりました。

  • ゲームをして海をきれいにするのは簡単ではないことが分かりました。まず、私たち市民が意識することが大切だと思いました。

  • カードゲームを通して、普段の生活からできることがたくさんあることが分かりました。今日の授業で学んだことを生活の中でも生かせるように自分にできることをしていきたいと思いました。

  • SDGsの取組が今回のようなカードゲームで体験できて、より身近にSDGsを感じることができた。今回の体験を踏まえて今後のSDGsの学習につなげていきたい。

ゲーム実施後の先生へのインタビュー

カードゲームを実施してみての先生の感想を聞かせてください

実際の生徒の活動をみていると、自分たちの班の考えとは違う考えを他の班がもっていることにはじめは戸惑う様子が見られました。

しかし、班同士で情報交換することで、徐々によい結果が得られるようになり、やがて、学級全体で情報を共有し協力しながら活動する場面が見られました。

自分たちの選択したカードによって、海洋ごみの状態が変化することに一喜一憂する生徒の姿を見ていると、カードゲームを楽しみながら、海洋ごみをなくしたいという思いを強くしていることを感じることができました。

生徒さんたちは、どの様な学びを得ていたと感じましたか?

ゲームでは、12の仕事別の役割や市民意識、技術等が関係し、よかれと思って実践したことが環境に影響を与えてしまうことや、市民意識だけでなく技術の進歩も必要なこと等、様々な要因が海洋ごみ問題に関わっていることを理解することができたと思います。

このような考え方は、海洋ごみ問題だけでなく、SDGsの他の課題に取り組んでいる生徒の課題解決のヒントになると思いました。また、自分たちの意識についてや、具体的な行動、更に様々な仕事での取り組みを考える事ができ、このカードゲームを通して、普段の生活の中でも自分自身ができることを考える機会になったと思います。

カードゲーム実施後の生徒さんの行動に変化はありましたか?

カードゲーム体験実施後は、普段の生活の中でもSDGsの事を考えて生活するようになったのではないかと感じています。もちろん全員の行動が変わったわけではないですが、その後のアンケートで25~30%くらいの生徒の行動が変容しているように感じています。

具体的には、次のような行動変容がありました。

  • 以前よりも意識してゴミの分別をするようになった。
  • 道路に落ちているゴミを拾うようになった。
  • なるべくゴミを出さないようにするために、詰め替え用のものを買うようになった。
  • 水の無駄遣いをしないよう節水を心がけるようになった。
  • 部屋の電気をこまめに消すようになった。節電を心がけるようになった。
  • 買い物に行くときに、マイバッグ、エコバッグを持っていくようになった。
  • 移動の際に徒歩や自転車を選択するようになった。
  • 普段の生活の中で自分の行動が環境にどのような影響を与えるか考えるようになった。

このように楽しみながらSDGsについて学ぶ機会が得られてよかったと思います。これからも、SDGsについて、自分事化するような取り組みを続けて行きたいと思います。

終わりに

はじめまして。今回、滑川中学校で「CHANGE FOR THE BLUE カードゲーム」の運営を務めさせていただいた、株式会社プロジェクトデザインの大槻です。

今回の実施レポートはいかがでしょうか?

「総合学習の時間に、SDGsをテーマにした授業を実施しようと考えているものの、どのように授業を設計してよいかが分からない」。

「過去にSDGs学習を実施したものの、SDGsはテーマが壮大過ぎて、どこか他人事のように考える生徒が多かった。生徒自身が、自分の身近な問題としてSDGsを捉えることができて、主体的に学びを進められるような学習法が見つからずに困っている」。

これらの悩みを解決する一つの手段として、「CHANGE FOR THE BLUE カードゲーム」に興味を持っていただけたのであれば、何より嬉しく思いますし、話を聞いてみたいと思われる場合は、ご遠慮なくお問い合わせください。

なお、私たちが手掛けている「CHANGE FOR THE BLUE カードゲーム」には

  • 高校の「探究」や「アクティブ・ラーニング」の授業の「問い作り」への振り返り方法
  • ゲームとフィールドワークとセットにしたワークショップ

など、多様な活用方法がございます。体験会も実施しておりますので、ご興味のある方は、ぜひ一度、体験会にお越し下さい。

大槻 拓美(おおつき たくみ)

富山県滑川市在住。長野県伊那市出身。2001年4月伊那市役所入庁。徴税担当、結婚支援担当などを経て、移住定住・地方創生事業担当を歴任。プライベートでは高校生や大学生が地域と関わる活動の支援や、地区の交通安全協会会長を担うなど幅広く地域活動に従事。また、カードゲーム「SDGs de 地方創生」のファシリテーターとして高校や大学、企業などの研修会にも多数登壇。こうした活動を通じ、人と人との対話を促進して疑似体験から深い学びや行動変容を生み出すゲーミフィケーションの可能性に魅せられ、21年間の行政職員生活にピリオドを打ち、2022年4月より現職。「海なし県出身者だからこそ、海ごみ問題に取り組んでいきたい」と自ら志願し、「CHANGE FOR THE BLUE」カードゲームのファシリテーターを務める。

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