【実施レポート】市民の声を聴き、どんなまちを目指すかビジョンを作る!「SDGs de 地方創生」ワークショップ (富山県滑川市で実施)

「SDGs de 地方創生」の活用事例として、2022年8月27日に実施された、富山県滑川市主催の「SDGs de 地方創生」ワークショップの様子をお届けします。

本レポートでは、「SDGs de 地方創生」ワークショップ開催の経緯から、開催当日の様子と参加者の感想に加え、主催者である滑川市の水野市長と、滑川市役所の企画政策課の新田さんへのインタビュー内容も併せてお届けします。

滑川市について

滑川市は富山県の中央からやや北東に位置する、面積54.62㎢、人口約33,000人の市です。富山湾に面した田園都市で、富山市と魚津市、上市町に隣接。かつて北陸街道の宿場町として栄え、 近年では大型企業の立地が相次ぐなど、工業都市としても発展を続けています。

株式会社プロジェクトデザインも、代表の「地方から世界で勝負できるような企業モデルとなる」という想いから、この滑川市にオフィスを構えています。

観光面では、富山湾の春の風物詩・ホタルイカの漁を間近で見られる “ほたるいか海上観光(1912年:明治45年頃から開催)” をはじめ、“ふるさと龍宮まつり”  “ベトナムランタンまつり” “あかりがナイト” “キラリエイルミネーション” など、光と灯りのイベントが催される街として市内外に認知されています。

「SDGs de 地方創生」ワークショップ開催の経緯

日本全国の自治体が直面している人口減少や高齢化に代表される様々な社会課題は、滑川市において喫緊の課題となっている中、これらの課題を解決し、地方創生を推進するための

1つの切り口としてSDGs(持続可能な開発目標)の活用が注目されています。

SDGsは国や自治体レベルでの取り組みで完結するものではなく、企業・NGO・NPO・市民などの多様なステークホルダーの連携が必要になります。

そこで、滑川市では2020年度末に2021年度からの10年間の新たな指針として「第5次滑川市総合計画」を策定。2022年2月に就任した水野達夫市長のもと、“SDGs未来都市” に向けて動き出しています。

※「SDGs未来都市」とは、内閣府が2018年度よりSDGsの達成に向けた取り組みを積極的に進める自治体を公募し、経済・社会・環境の3側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現する提案を行った自治体を認定する制度です。

当然ながら、SDGs未来都市の実現は一足飛びに実現するものではありません。滑川市でも以下のように幾つかのステップに分けた取り組みの中でSDGs未来都市の実現を目指しています。

  1. SDGsの本質と地方創生について理解する
  2. 市民の声を聴き、どんなまちを目指すかビジョンを作る
  3. 自治体・企業・市民・NPOが連携し、持続可能なまちに向けたアクションをする
  4. SDGs未来都市の実現

まずは、ファーストステップに位置付けられる「SDGsの本質と地方創生について理解する」ことを目的に、2022年1月と4月の2回に分けて、ビジネスゲーム「SDGs de 地方創生」体験会を私たちプロジェクトデザイン主催のもとに開催させていただきました。

この体験会の場には、市内外の行政や福祉に携わる方、企業経営者など多彩な職種の方々が参加。一般の参加者に交じって、水野市長をはじめ、大門良輔県議会議員、柿沢昌宏副市長、上田良美教育長ら滑川市の中枢を担う人々も出席しました。

地方創生に関わるまちづくりのプレイヤーが「SDGsと地方創生の共通点を理解する」とともに、地域への関心を深め、自分事としてアクションしていくきっかけとなりました(宜しければ、4月に実施された体験会レポートをご覧ください)。

そして、2022年8月。SDGs未来都市の実現に向けたセカンドステップに位置付けられる「市民の声を聴き、どんなまちを目指すかビジョンを作る」ことを目的に、富山県滑川市主催で「SDGs de 地方創生」を活用したワークショップ(以下、「SDGs de 地方創生」ワークショップ)が企画されました。

一般的なワークショップでも、住民のまちに対する想いや意見を聞くことは可能ですが、それは陳情のように「自治体に対する要望」になりがちです。

一方で、「SDGs de 地方創生」ワークショップには「自分もまちづくりに参加できるという希望や主体性を持てる」「協働の大切さを実感できる」という大きな価値があります。地方創生に重要な視点をゲームを通して体感することで、陳情ではなく、自分が思い描く純粋な理想のまちについて考えることができます。

※住民がまちづくりに希望や主体性を持てたり、協働の大切さを実感できることは、SDGs未来都市の実現に向けたサードステップに位置づけられる「自治体・企業・市民・NPOが連携し、持続可能なまちに向けたアクションをする」に進む上でも極めて重要なことです。

そこで、今回の「SDGs de 地方創生」ワークショップでは、ゲームを終えた後に、滑川の皆さんが自分の住むまちの理想や自分にできることを具体的に考え、主体的なアクションに繋げることを重視しています。

「SDGs de 地方創生」ワークショップの様子

水野市長のご挨拶

水野市長のご挨拶

「夏休みのいい思い出として子どもも大人も含め、みんなで楽しみながら滑川市の未来についてご意見を伺いたい。そしてゲームからヒントをもらい、今後の滑川市政に生かしていきたい」と話をされました。

市長も、オブザーバー(傍観者)ではなく、一参加者としてゲームを体験するのは熱意の表れであり、SDGs未来都市に向けての並々ならぬ決意を感じます。

「SDGs de 地方創生」とは

今回受講者の方々に体験いただく「SDGs de 地方創生」は、その場を1つの架空のまちと見なし、参加者が住人として6〜48人がそれぞれの役割に分かれてチームを組み、12年間の地方創生プロジェクトに取り組むビジネスゲームです。

SDGsを基にした自分の志を形にしながら、持続可能なまちをつくることがゴールになります(今回は2人1組、小さなお子様がいらっしゃるところは3人1組で役割に分かれてプレイしました。)。

「SDGs de 地方創生」のまちの状態は「人口」「経済」「環境」「暮らし」の4つの指標で表されます。何もしなければ徐々に人口が減っていく中で、12年後も持続可能なまち(豊かに過ごせるまち)となるのか、残念ながら消滅可能性が高い都市になるのかは、ゲーム参加者1人1人の行動によって変わります。

参加者は、行政(税収から資金の使い道を決定する役割)と市民(一次産業従事者・まち工場の経営者・一市民などの役割)に分かれて、それぞれに異なるゴールや思惑で動きます。プロジェクトの実行にはお金と資源・リソースが必要なため、行政と市民が協力することが重要です。

また、“保育・教育の無償化” や “ライドシェア事業” など、具体的なプロジェクトを実践したときに生じる効果は参加者には明かされていません。

プロジェクトがまちに良い影響をもたらすのか、期待はずれに終わるのか、はたまた、まちにネガティブな影響をもたらしてしまうのか。自分の行動1つ1つがまちに与える影響を考えながらプレイする必要があります。

参加者によって「SDGs」や「地方創生」についての理解度が異なるため、ゲームの前に講義形式で分かりやすいレクチャーを行いました。

「SDGs de 地方創生」の実施

講義を終えた後は、いよいよビジネスゲームの実施です。今回はゲーム上のまちを「N市」と名付け、ゲームを行いました。

「SDGs de 地方創生」のカード

ゲーム中、席を立って他チームと交渉する様子

市民と一緒にゲームに参加する水野市長

今回の体験会は小学生の子どもたちの参加も多く、とても賑やかに行われました。

ゲームはターン制で進行します(全4ターンあります)。また、このゲームは「チームの所持するお金を増やす」「環境のメーターを10に上げる」などのチームの目標に加えて、12年後も持続可能なまち(豊かに過ごせるまち)をつくるという全チーム共通の目標があります。

ゲームがスタートすると参加者たちは一斉に立ち上がり、それぞれ他のチームとの交渉をし始めます。特に、行政チームはあっという間に自分の机からいなくなり、積極的な行政の姿が見受けられました。

1ターン目は自分の役割に与えられた目標を達成することだけ考えている人が多い様子でしたが、2ターン目終了時にほとんどのチームが自分たちの目標を達成すると、周りのチームや地域全体の状況に目を向けるようになり、1人1人の思考や動きに変化が起きました。

「SDGs de 地方創生」のまちの状態は「人口」「経済」「環境」「暮らし」の4つの指標で表されます。N市は「経済」メーターのみが突出して成長し、それに比べると「環境」や「暮らし」のメーターの伸びが良くない、という状況に。

参加者たちは、自然と危機感や「もっとこうあるべき」「もっとこんな町がいい」という想いを誰かが大きな声を出すわけではなく、自然に個から個へ伝わり、全体で共有しながら自分自身にとっての「持続可能なまち」をつくりあげていく様子が印象的でした。

今回は、全4ターンのうち、なんと3ターン目で参加者全員のチーム目標が達成されました。

ゲーム終了後もチーム目標を達成できなかった事例は過去によくありますが、これほど早く全員が達成できたのは驚きです。しかし、その後も、まちの成長は止まりません。参加者全員が、最後まで、まちをより良くするために自分にできることを探し、行動し続けました。その結果、「人口」「経済」「環境」「暮らし」全てのメーターがバランス良く成長し、N市は持続可能なまちを実現させることができました。

最終結果のメーター

今回「SDGs de 地方創生」のファシリテーターを務めた株式会社プロジェクトデザインの大槻氏によると「私はこれまで40回以上ゲームの場に立ち会っていますが、今回の結果は最も素晴らしいものでした。これまでとの違いは、大人だけでなく子どもたちが参加したことです」とのこと。

この「SDGs de 地方創生」は高校生から大人を対象に制作されたゲームですが、保護者と一緒ならば小学生高学年の子どもも参加することができます。今回の体験会には小学校低学年から高学年までを含む6人の子どもたちが参加。子どもたちは大人に全く臆することなく、むしろ大人たちの手を引っ張るように会場を歩き回って積極的に交渉していました。

子どもたちが積極的に交渉に動き、地域の状況メーターに大きく貢献。大人も負けじと声をかけ、状況をよく見て動いていました。市民と行政、企業が一体となって地域の状況の変化に対応し、「もっとこんなまちがいい」と考えながらより良いまちをつくるために行動し続けたことが成功に大きく繋がりました。

この素晴らしい結果は、職種や年代の垣根を超えて、対話と協働を行ったからこそであり、その成功のカギは「子どもたちによる積極的なまちづくりへの参加」なのかもしれません。まさに、理想とするまちづくりのあり方です。

「SDGs de 地方創生」の振り返り

「SDGs de 地方創生」はゲームをやって終わり(楽しかった!で終わり)ではありません。必ず振り返りを実施します。SDGsの考え方はもちろん、地方創生の観点での捉え方について紹介し、参加者1人1人が自分のあり方や行動をふり返ることで、気づきや学びを得ました。

ゲーム中でどのようなことが起き、それにより自分自身はどのように感じ、どのような行動を取ったのか。このゲームを通してゲームでの出来事を現実に紐づけることで気づきや学びが得られ、参加者の行動変容につながるのです。

参加者の感想

参加した皆さんから、たくさんの感想をいただきました。

ゲームについて

・前半は自分の目標達成で精一杯だったが、目標達成すると周りの状況を自然に見れるようになった。視野が自然に広がっていくのが面白かった。

・子どもたちが積極的に交渉し動いているのが印象的だった。

・他の人と協力してプロジェクトを成し遂げるのが楽しかった。

・この行動をしたらどんな影響があるだろうかと自然に影響を予測するようになった。

・ゲーム経験者なので、自分はチーム同士を繋ぐ役割をしようと思い、行動した。

・自分のチームだけでなく、他チームの達成条件も知ろうとする姿勢が結果に良い影響を与えたのだと思う。

・最初は自分達のテーブル内だけで交渉していたが、それだけではお金もカードも足りなくなり、他のチームとも自ら足を運んで交渉・協力するべきなのだと気づいた。

現実とのリンク

・まちづくりにおいても一番大切なのは楽しみながらやること。ワクワクするまちづくりをしていくことが重要だと感じた。

・説明は難しいと感じた。はじめは何をはじめは何をキッカケに、何から始めれば良いかわからない。でも、一歩踏み出すといろんな人との出会いがある。それを楽しみながらたくさん人を巻き込んで作り上げることが重要だと思った。

・子どもたちの表情が明るく、輝いていた。まちづくりも子どもたちがもっと関わり、子どもたちがワクワクするまちであるべき。滑川市の未来は明るいと感じた。

ゲームの体験を実際のまちづくりにどう活かしていくかという視点で考えていた方が多くいらっしゃいました。お子さんを連れた参加者が多かったため、特に、子どもたちがどのようにまちづくりに関わっていくかという話題で盛り上がりました。

理想の滑川市の未来についてグループワーク

ゲームの感想や現実とのリンクについて話し合った後は、この「SDGs de 地方創生」ワークショップの本題となる「それぞれの思い描く滑川市の理想の未来」について考え、意見を交換しました。

理想とする滑川市の「未来のまちの姿」

以下、参加者からいただいた回答です。

・ひとりひとりの「得意」や「強み」に着目し、誰もが自分らしくいきいきと暮らせるまち。

・埋もれている資源をしっかりと有効活用し、面白いまちにすること。

・大人たちだけではなく、子どもたちと共に市を創る。そのためには子どもたちの声を丁寧に聞く大人が必要だと思う。また誰もが当事者だと思うので、その発言・声が行政に届くシステムづくり。

・テクノロジーと歴史がクリエイティブに活かされる「まち」。

・違う場所に住んでいる人たちに羨ましがられるような「まち」。

・子どもたちが健康に安全に成長できる環境であってもらいたい。山や海を素直に楽しめるまち。会社がないと経済も動かないので、人が集まるまち。

・自然や若者の活気にあふれるまちであってほしい。このまちに住んでいて良かったと老後思えるまちにしたい。

・人と人とのつながりが感じられるまち。一人、家族のみなど固定したコミュニティだけでなく、多くの人と関わりあえる。

・若い人がのびのびと発言、行動できるまち。「新」と「旧」のバランス。

・住みやすく暮らしやすいまち(病院、スーパー、図書館など)。自慢できる産業がある。仕事がある。車がなくても出かけられる。子どもが大人になったら戻ってくる。

実現するために自身が取り組みたいこと

また、参加者の方々には上記の滑川市の未来のまちの姿を実現するために、

  • あなた自身が取り組んでみたいこと
  • 誰かと一緒になって取り組んでみたいこと

さらに深掘りし、こちらも考えていただきました。

・地産地消を意識し、地場の物を買う。

・近所の交流を大切にし、助け合う。災害時には手を取り合って助け合えるような関係性を作りたい。

・色々な人を巻き込み、理想を打ち明けられる会を開きたい。

・「気づき」「絆」を大切にして将来につなげたい。子どもの笑顔に明るい滑川の光と未来を夢みて「コミュニケーションづくり」を心がけようと思う。

・市や商店街などが実施しているイベントなどに参加して、コミュニティを広げたい。一緒に取り組みをしていきたい。

・小学校でカードゲームの実施を働きかける。

・地域のイベント等に積極的に参加。親子で楽しめる形でのワークショップ。「利用すること」で活性化されると考えています。

・子どもの描く「未来の滑川市」をヒアリングし、できることからやっていく。実現したいことのある人に、できそうな人を紹介する。

・まちにお医者さんが増えてほしいので、自分が勉強して医者になろうと思う。

・ほたるいかミュージアムと東福寺野自然公園を活用して、海山どちらにも面白い場所、県内外、市内外の人が楽しめるようにしたい。

水野市長のインタビュー

滑川市市長 水野達夫さん

ーなぜ滑川市をSDGs未来都市にしたいと思われたのでしょうか

持続可能なまちを次世代に繋げて行きたいと考えています。私たちの時代から、子どもたちが滑川を離れても、育ってよかったと思えるようなまちにするために、SDGsという「手法」を使って持続可能なまちに向けて取り組んでいきたいと思います。

今までの時代を作ってくださった先代の市長さんたちに感謝しながら、その土台の上に、デジタル化など含めた形で、少しずつ「新しい時代」にあった施策を乗せていく。そうして更なるステップアップを目指したいです。その中の1つがSDGs未来都市の実現に向けての取り組みとなります。

ー今日のゲームの感想を教えてください

市長のわたし自身がこのワークショップに参加した理由は、SDGs未来都市選定のステップアップに向けたアクションの1つです。自分が言い出したことなので自分から取り組まなくてはという思いから参加しました。ゲームはとても楽しかったです。

参加者の方々もおっしゃっていたように、子どもたちが潤滑油となってゲーム内のまちが動き、変化していったのは、やはり実際のまちづくりにおいても理想的なことだと思いました。今後の滑川のまちづくりに関する新しいヒントを得ることができました。今日のワークショップでの経験は、今までの視点からは本当に目から鱗のような発見がありました。

市役所の担当の方のインタビュー

今回の研修を企画した企画政策課の新田さんにもお話を伺いました。

ーこの体験会に期待したこと、そして実際に得られた効果について教えてください

市民の未来の滑川に対するビジョンを知りたいと思い、この体験会を企画しました。いろいろな年代の人から声を聞くことを目的としていましたが、普段聞けない小学生の声も聞くことができたことは期待以上でした。

どんなまちを作りたいか、どこに注目しており何に関心があるのかは世代や個人によって異なります。今日の参加者からいただいた「未来の滑川市」の声は、主に「人と人との繋がり」「住み良い住環境」「自然」の3つの系統に分かれました。一部の声ではありますが、滑川市民が何に注目しているのか傾向が見えてきたような気がします。

  • 人と人との繋がり
    地域・近所付き合い、助け合う温かいコミュニティを作ること。
  • 住み良い住環境
    病院や商業施設の増設、交通の利便性の向上など。若い世代からお年寄りまでが楽しく安心して豊かに暮らせるまち。
  • 自然
    滑川市の海や東福寺野の山資源などを維持するだけでなく、まだまだ埋もれている魅力ある自然資源をまちおこしに活用すること。

これを大きなヒントに、SDGs未来都市への核となるビジョンを練り上げていきたいです。

ー 企画するにあたって市民の皆さんに伝えたいことはなんですか

「SDGs」は人や行政から頭から教えられるものではありません。「協働によるまちづくり」も、人や行政から押し付けられるものではありません。「まちは行政がつくるもの、行政の専門領域だ。」そう考えている市民の方も少なくないかもしれません。

しかし、まちはみんなでつくるもの。自ら進んで意見を上げる人はそれほど多くいません。「困っているけど声を上げられない」、「言ってもどうせダメだろう」などと考えている大多数の方の眠っている声も拾い、多様な視点からなる「滑川のまちづくり」の実現を目指したいと考えています。

滑川市のまちづくりはパートナーシップを大切にしたいと考えています。ゲーム内でも年代や役職の立場を超えた連携が生まれていました。そして皆さんに、夢のある滑川市の未来について考えてもらいたいです。今、SDGs未来都市の核となる大きなビジョンを決めようとしています。

そこに、ぜひ市民の皆さんに参加してほしいです。

ー 次にどのように繋げていこうと考えていますか

このような体験会を通して市民の声を聞き、行政と多様な年代、職種の市民ですり合わせながら「理想の未来の滑川」のビジョンを決めたいと思います。わかりやすく、根幹となるスローガンを作りたいです。

市民はもちろん、市内外の事業者の方にも集まってもらい、政策的なワークショップに繋げていきたいと考えています。

まとめ

SDGs未来都市の実現に向けて滑川市が動き出しました。

滑川市はただ闇雲にSDGs未来都市を目指すのではなく、市民から声を拾い、市民とともに滑川市の未来ビジョンを作りたいと考えています。

ビジネスゲーム「SDGs de 地方創生」を通して市民の声を聴き、滑川市の理想の未来像について真剣に語り合う場を作ることができました。誰もが参加しやすいゲームだからこそ、年代職種の異なる人々が対等に交流し、対話することができます。

特に、今回の体験会では、子どもたちの積極的な行動がゲームの結果に大きく貢献し、まさに理想のまちづくりを投影しているようでした。企画した滑川市からもファシリテーターからも「子どもの姿が印象的だった」という発言を多くいただいたことが印象的です。

元々、滑川は子育て支援に力を入れた政策が多く実施され、実際に近隣市町村からの入流もあり、人口は横這いの地域です。今日の体験を踏まえ、子どもを主体としたまちづくりを行うときには、子どもたちが本格的にまちづくりに参画できる仕組みを構築してもらえたらと思います(滑川市に生まれ育った一市民としての願いです)。 

子どもの着眼点やアイデア、想像力、積極性には素晴らしい可能性が秘められています。今回の体験会では、子どもたちが「理想の未来の滑川、それを作るために自分にできること」について考え、自分の意見を紙に書いていました。そこには大人の発想にはない、新鮮で可愛らしいものがたくさんありました。

子どもも地域社会を構成する一員です。そして、今日のゲームでの行動にも表れていたように、子どもたち1人1人には、きちんと主体性があります。子どもたちが「本物」のまちづくりに参画するときには、子どもの声に耳を傾け、子どもに学ぼうとする姿勢を持つことが求められます。大人はサポートの立場に立ちながら必要以上に管理してしまわないよう、子どもの自主性や自律性を信じて見守ることが必要です。

こどもを1個人として接する大人と共に活動することで、子どもたちは今までに見せなかった能力を発揮したり、重要な役割を果たすことができるでしょう。それは、子どもの活動を支える大人たちが、まちをよくしたいという子どもたちの想いやその可能性を重要だと考えることから始まります。そして、立場や世代を超えて連帯する空間が形成されていきます。

「まちづくりにおいて子どもの参加をどう位置付けるのか」。

まずは、大人が直面している問題に子どもの意見を取り入れること。子どもの社会参画を通して、ともに地域力も育っていきます。これから目指すSDGs未来都市、そして明るい滑川市の未来への、重要なカギになるのではないでしょうか。

このビジネスゲーム「SDGs de 地方創生」は、子どもから高齢者まで幅広い年代の人々に対して、まちづくり、広義には社会参加を促す上で有効なツールです。参加者は、日々の営みがSDGsに貢献しうること、そして自分起点で周囲を巻き込んでいくことの大切さを体感することができます。

体験会では、ゲームを通して年代や職種の異なる参加者同士の関係性が深まり、対話が活発になったことで、市民が真剣に滑川市の理想の未来像について語り合うことができました。そして、子どもたちのまちづくりにおける可能性にも気づくことができました。それらは、このゲームによってこそ促されたものです。

きっと、ワークショップを重ねるごとに滑川市の未来ビジョンがより具体化されていくことでしょう。わたしも生まれ育った滑川の今後が非常に楽しみです。

インターンシップ生 氷見優衣

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