
【事例インタビュー】ビジネスゲーム「The Planner」と「The Team2nd」を内製化して、社内研修プログラムとして活用(旭化成)

組織名 旭化成株式会社
業界業種 化学・素材、住宅、医薬品・医療機器(総合化学メーカー)
事業内容 マテリアル事業(化学品・繊維・電子材料など)、住宅事業、ヘルスケア事業
組織規模 50,352名(2025年3月時点)
私たちプロジェクトデザインは、人と組織、社会の変革をビジネスゲームで支援する会社として、ビジネスゲームを活用したさまざまなサービスやソリューションをご提供しています。
本稿では、ビジネスゲームのライセンス取得プラン(ビジネスゲームを運営できる資格を習得し、ゲームを活用した研修を自由に行うことができる研修内製化のためのプラン)をご利用されている旭化成株式会社(以下、旭化成)の事例をご紹介します。
ライセンス取得のためのファシリテーター養成講座を受講いただいたデジタル共創本部 DX人財開発センターの吉田様と海宝様のお二人に話を伺いました。
<お話を伺った方>
・旭化成株式会社 デジタル共創本部 吉田 健一様
・旭化成株式会社 デジタル共創本部 海宝 勝江様
<インタビュアー>
・株式会社プロジェクトデザイン 営業部 マネージャー 石城戸 瑠菜

石城戸(写真左)、海宝様(写真中央)、吉田様(写真右)
<企業プロフィール>
旭化成株式会社は、1922年に創業した日本の総合化学メーカーです。グループ全体の事業として「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域で化学品・繊維・電子材料などの素材開発、鉄骨系プレハブ住宅「ヘーベルハウス」の建築、医薬品・医療機器の製造・販売を手がけています。グローバルに事業を展開し、環境配慮型素材やEV向け電池部材、再生医療などの分野にも注力。資本効率やROICを重視する経営方針のもと、技術力と総合力を活かして「いのち」と「くらし」に貢献することを目指しています。
ビジネスゲームのライセンスを取得して、自分たちでゲームを活用した研修プログラムを設計できることが、何よりの魅力。
-はじめに、DX人財開発センターの役割についてお聞かせください。
吉田様:私たちが所属するデジタル共創本部 DX人財開発センターでは、DXに関する社内の人財育成・研修プログラムの企画・運営を担当しています。
旭化成では、2022年からの3年間でデジタルノーマル期(デジタル活用が “当たり前” になる時代)に向けた「デジタルプロ人財」の育成を進めてきました。これを推進していたのがデジタル共創本部で、取り組みの一つとしてオープンバッジプログラムを展開しています。

図. オープンバッジプログラムの概要
吉田様:このオープンバッジプログラムを主軸に、事業側(社内の各事業部)からの要望に基づいて全社的に研修を実施しています。
すでにさまざまなデジタル関連の教育プログラムを揃えていますが、アドオン(追加)すべき優れた外部コンテンツを探すなど、より良いプログラムづくりの観点で継続的なプログラム改善を行っています。
-アドオンできる外部コンテンツを探している中で、私たちのビジネスゲームに興味を持たれたという形ですね。
吉田様:その通りです。既存の研修プログラムは座学やeラーニングをベースに一部体験型コンテンツもありましたが、記憶の定着や理解促進の面で効果の高い体験型のコンテンツを更に強化するためにプログラムを探している中、御社のビジネスゲーム「The Planner」に出会った形ですね。
-ビジネスゲーム「The Planner」に興味を惹かれたのはなぜでしょうか?
吉田様:オープンバッジプログラムの中に設けているデジタルマーケティングのコースでの学習内容を補完するための追加コンテンツについて検討していたからですね。
リードナーチャリングなどの実務寄り・戦術面のマーケティングを学ぶコンテンツはすでに導入済みだったので、上流工程の戦略面についても習得したマーケティング知識を使い、より定着を図ることができるような体験型のコンテンツを探していました。
-なるほどです。ビジネスゲーム「The Planner」はマーケティングの戦略面を理解する上でピッタリなコンテンツと言えますが、他に、どのようなところが導入の決め手になったのでしょうか?
吉田様:外部環境や内部環境の分析、STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)のフレームワーク、マーケティングミックスなどのマーケティングの戦略面を体験的に理解できるコンテンツとして「The Planner」が優れていたことは事実ですね。
その上で、導入の決め手を挙げるならば、やはり、内製化ができるということが魅力的でした。既存のコンテンツでも、そこに「自社の環境に合わせた補助的な説明」を入れることで受講者の理解が深まる研修プログラムに昇華できることは過去の経験から分かっていましたので、ビジネスゲームのライセンスを取得して自分たちでゲームを活用した体験型研修プログラムを設計できることは何よりの魅力に映りました。
実際に「The Planner」のライセンス取得プランを利用することを決めた後は、事業側(社内の各事業部)と支援側の私たちが会話を進め、どういった内容が適切なのかのニーズを確認しながら体験型研修プログラムとして具体化していきました。

ビジネスゲーム「The Planner」を活用した体験型研修プログラムの概要

「The Planner」を活用した体験型研修の様子(素材事業部にて実施)
体験型コンテンツの魅力とは?
-ちなみに、ビジネスゲームそのもの(体験型コンテンツ)という観点ではいかがでしたでしょうか?実際にどのような点が良かったのかについてお聞かせください。
吉田様:3点あります。1つ目は、体験を通じて理解が深まる点です。何かを学んで「そうだ」と思うのと、実践してみて「そうだ」と感じるのは学びの深さが異なると思っています。
2つ目は、スキルアップ効果です。「The Planner」で言えば、マーケティングの基本である環境分析・戦略策定・施策実行の理解を深めることができた実感があります。
3つ目は、共通の体験を通じて共通言語化ができる点ですね。「The Planner」を活用した体験型研修は部門単位で行っているのですが、部門やチーム内に共通言語があることで業務にも活かしていきやすくなると思います。
海宝様:「The Planner」については、カードゲームで楽しく学べる中にマーケティングを勉強できる要素があり、非常に取り組みやすいと思いました。
また、「The Planner」を活用した体験型研修を実施した際に、受講者から以下のような感想をもらいました。
- マーケティング活動の基本的な内容についてゲーム内で簡単にシミュレーションできるので、競合分析やマーケティング手法を実務に活かすイメージがよく分かった
- eラーニングでマーケティングのフレームワークは理解していたけれど、ゲームを通して実際に使うことの重要性を実感できた
こういった感想を見ると、まさに、体験を通じて理解が促進されたのだと思います。
その他にも、「ゲーム内で行ったことをもとにメンバーで議論ができたので、色々な視点や気づきが得られた」という声もありました。これは吉田も挙げている「共通の体験を通じて共通言語化ができる」に通じると思います。

研修受講者の声(要約)
ビジネスゲームを活用した体験型研修に対する受講者の反応、受講者同士の関係性の変化。
-貴社に関しては、ビジネスゲーム「The Planner」の他にも、ビジネスゲーム「The Team 2nd」についてもライセンス取得プランをご利用いただいています。その理由についてお聞かせください。
吉田様:「The Team 2nd」の内製化を進めたのは、以下の理由からです。
- 「The Team 2nd」の素材と技術を掛け合わせて製品を開発していくというテーマが、旭化成のビジネスに近いと感じられた(研修受講者となる社内の従業員としても、普段の業務に近い内容で馴染みやすい)
- 自己成長と会社の成長に合わせて目標設定するゲームの取り組み方が、自社の目標の立て方に重なる(自分たちの現実の活動に近いシチュエーションなので馴染みやすい)
- 「The Team 2nd」は戦略を考えるだけでなく、組織や役割分担、リーダーシップも重要というメッセージが入っているところが魅力だと感じた(より自分ごととして、業務に落とし込みやすい点が良い)
- 今後、従業員に新事業開発や社会課題解決に取り組んでもらう中で、「The Team 2nd」の体験を通じて、組織としてどうあるべきか、上司と部下の関係性などにも気づいてもらえることで、実際のチームがより強くなるのではないかと考えた
こういった背景もあって、「The Team 2nd」を活用した体験型研修は社内で好評を博しています。

ビジネスゲーム「The Team 2nd」を活用した体験型研修プログラムの概要
(2回目は「The Team 2nd」をアレンジした「The Innovator」を実施)

研修受講者の声(要約)
-「The Planner」と「The Team 2nd」の2つのビジネスゲームを活用した体験型研修プログラムを設計・実施された上で感じる、受講者の方々の様子はいかがでしたか?
吉田様:研修中に、受講された皆さんの顔色が変わる瞬間を感じました。一日で行動変容まで到達するのは難しいと思いつつ、やはり何かしらのメッセージや、自分ごととして「こうした方がいいかな」と気づきを感じてくれた実感があります。
座学での一方的な講義や、テストを一定数受けて知識量レベルを確認することも重要ですが、限られた時間の中で皆さんに研修を受けていただくことを考えると、ビジネスゲームを活用した体験型研修は、たった数時間の研修で得られる学習量が圧倒的に違うなと思います。
-それはなぜなのでしょうか?
吉田様:やはり、プロジェクトデザインのビジネスゲームは複数のチームで参加するものだからだと思います。
eラーニングや座学研修は個人で黙々と参加するプログラムですが、ビジネスゲームはチーム制で実施するため、会話しながら相談し、意見をまとめます。チーム内には発言しながらどんどん進めていく方がいる一方で、「これは忘れてるんじゃないの?」と冷静に言う方もいて、自然と役割分担ができるんですよね。
同僚やメンバーと交流しながら体験を通して学びを深めることが、記憶の定着や理解促進に大きく働くのではないか? 体感ですが、そんな風に思います。
-交流という観点では、ビジネスゲームを実施すると一緒に参加した人同士が仲良くなれる場面をよく目にします。今回、貴社では同じ事業部の皆さんに参加いただいていますが、関係性の質にどのような変化が起こりましたか?
海宝様:同じ部署のメンバーであることは変わりないのですが、実は、その中に営業担当と技術担当がそれぞれ混在しています。
普段は、営業と技術は活動拠点も異なり、それぞれの役割を業務として果たしています。営業と技術のメンバー間の交流を目的として、チーム編成をアレンジしました。
その結果、受講者アンケートでも以下のような感想をいただくことができました。
- 普段関わりの少ない部署(営業・技術など)との交流が促進され、チーム内の理解が深まった
- 上司・部下の関係性や縦割り組織の課題に対する気づきと対策のヒントが得られた
- 普段はオンラインでの会話が中心なメンバーとも交流ができた
総じて関係性を良くする機会になり、チームとして強くなったのではないかと思います。
内製化のサポート体制と、今後の展望。
-ちなみに、プロジェクトデザインのメンバーの仕事ぶりはいかがでしたか。
海宝様:私たちがファシリテーターとして内製化するにあたり、準備から第一回の実施まで、プロジェクトデザインの鈴木さん・石城戸さんには手厚く、サポートいただきました。
また、事業側(社内の各事業部)からの「研修時間を3時間にしてほしい」という個別具体的な要望に沿ってプログラムを考えることもあり、その際、ゲーム体験の長さを調整するなど、色々と細かいところまでアドバイスしていただきました。
親身に対応してくださったおかげで、問題なく研修を実施・提供できたことに本当に感謝しています。ありがとうございます。

研修をサポートするプロジェクトデザインの研修講師・鈴木(写真右)
-とんでもございません。嬉しいお言葉をありがとうございます。では最後に、今後の展望についてお聞かせいただけますか。
吉田様:そうですね。世にたくさんゲーム形式の研修があることを、御社を通して知ることができました。
実施した研修を私たちなりにふり返り、修正するべきところは修正した上で、色々なビジネスゲームを組み合わせることによって体系的な体験型研修プログラムができるのではないかと思います。
また、「The Planner」や「The Team 2nd」はコンテンツとして完成されていますが、ここに補助スライドなどを加えて自社オリジナルの研修プログラムとして整えられるのも魅力だと思っています。
ビジネスゲームはコンテンツとしてある程度自由度が高く、工夫できる余地があるため、準備は結構大変ですが面白いですね。
海宝様:旭化成には3つの事業領域があります。マテリアル(素材)、ヘルスケア、住宅など、様々な部署の従業員がいますが、それぞれに共通する課題に対して、例えば「事業戦略を立てる(再構築する)」「マーケティング知識を事業に活用する」などのテーマに合わせて研修を提供できたら良いと考えています。
御社は他にもさまざまなビジネスゲームを保有されているので、私たちの課題に沿ったゲームを旭化成の社内で提供できるように、今後もご協力いただきたいと思っております。
-ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします!
ご案内
ビジネスゲーム「The Planner」

ビジネスゲーム「The Planner」は、世界的なスポーツ大会の自国開催を競い合うゲームです。
参加者は、数名単位のチーム(架空の国)に分かれ、大会誘致担当者として自国らしい大会テーマの選定を行い、自国に優位なポジションを構築し、自国の強みを活かすアクションに取り組みます。
外部環境や内部環境の分析、STPのフレームワーク、マーケティングミックス。これらのマーケティングの基本的な知識を組み合わせ、実務で実践可能なスキルへと昇華させるツールとしてご活用いただけます。
ビジネスゲーム「The Team 2nd」

ビジネスゲーム「The Team 2nd」は、会社の成長と個人のビジョンの実現を目指すゲームです。
プレイヤーは架空の会社の一員として、上司役( 1名)と部下役(複数名)のチームに分かれ、他チーム(最大5社)と競い合います。プレイヤー個々人のST(ストレングス:総合的な能力)と保有するリソース(資源や資金)をもとに、さまざまなアクション(研究開発・生産製造・市場創造・課題解決などの)を実行し、リターン(原材料や製品、技術や資金など)を得ながら、目標達成を目指します。
達成すべき目標は、会社目標と、個々のプレイヤー(上司と部下)の個人ビジョンです。
上司は部下に対して適切な介入をすることで、部下の成長や成功を後押ししながら、会社の成長につなげていく組織づくりを体験いただけます。部下は自分の個人ビジョンの実現に向かって行動をしますが、時に上司の助言や支援を受ける(求める)ことで、自身の成長や成果につながる体験を得られます。
個人が持つビジョンをオープンにすることのメリットと、組織のビジョンを理解して動くことによる組織パフォーマンスの向上を体験いただけます。
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