【事例インタビュー】自社で健やかに働き、成果を出し続ける姿を描く「健康経営ゲーム」(丸三証券)

企業名 :丸三証券株式会社
業界業種:金融商品取引業
事業内容:有価証券の売買、その他
社員数 :1,172名(2023年8月現在)

課題
  • コロナ禍に入社した世代は、対面で会う機会が少なかった。3年目の社員がこれから新たなステージへと歩みを進める前に、同期との絆を深めるとともに、更なるモチベーション向上を図りたい。
  • 今後は後輩の指導など、会社全体へ視野を広げることが求められる。一度自身の経験を整理し、今後のキャリアアップに繋げてほしい。
解決策
  • 若手社員が会社の構造や多様な役割を理解し、「立場を変えて物事を考える力」を身に付けるため、ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」を実施する。
  • 同期と健康チェックを行い、健やかに働き続けるための姿勢を考える。
効果
  • 2回ゲームを実施し、1回目と比べて2回目では結果が飛躍的に向上した。
  • 同期間の関係性が強化すると同時に、チームとして視野を広げることができたと評価できる。

本稿では、ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」を活用した研修事例をご紹介します。

2023年12月7日に丸三証券株式会社の皆様に実施した内容です。

丸三証券株式会社は、創業100年を超える証券会社です。社員が自分たちで進路を決める「自主独立」を経営の根幹に据えることで、絶えず変動が続くマーケットへ柔軟に対応しています。

同社では、入社後に1年半のOJT期間を設けています。今回、コロナ禍により対面で会う機会が少なかった3年目社員に対して、「健康経営ゲーム」を用いたビジネススキルアップ研修を実施しました。

なぜ「健康経営ゲーム」をお選びいただいたのか、そしてどんな効果が得られたのか、今後の展望などについてお話を伺いました。

<お話を伺った方>

丸三証券株式会社 人材開発部 西岡 朋慧様

丸三証券株式会社 人材開発部 西岡 朋慧様(左)

<企業プロフィール>

丸三証券株式会社は、「社員一人ひとりが経営に積極的に参加していくことにより、企業の発展と社会的責任の遂行が可能になることを信じ、社員全員が共に考え、共に行動することをモットーとする」ことを経営理念として掲げている証券会社です。どの系列にも属さない「自主独立」を貫き 、自社の利益よりもお客様の利益を優先する姿勢で、多くのお客様から評価と信頼を集めています。

ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」とは

今回、丸三証券株式会社の皆様に体験いただいたビジネスゲームは「健康経営ゲーム」です。

ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」は、社長・管理職・人事部・一般社員などの役職に分かれて様々なプロジェクトを行いながら会社の業績を上げていく運営シミュレーションゲームです。

参加者全員が1つの会社のメンバーとして6~50人でチームを組み、プロジェクトを行います。プロジェクトは実行するたびに何らかの形でメンバーの心や体に影響を与え、特定のメンバーに仕事が集中すると、現実世界同様に倒れてしまう(行動できなくなる)こともあります。

自分たちの会社は、業績達成のために社員の心や体を犠牲にしてしまう会社なのか、あるいは心も体も健康な状態で業績を上げることのできる会社なのかを、シミュレーションすることが可能です。

健康投資を行う上での重要な考え方を学ぶことができる他、チームビルディング研修やコミュニケーション研修にもご活用いただけます。

3年目社員の視野を広げられるコンテンツを探していた

ー2020年に入社した3年目社員には、どのような特徴がありますか。

西岡様:自分の関心を突き詰めていく専門性の高さや、これまでになかった新しいアイデアを思いつくことが得意な世代だと思います。コロナ禍に入社し、対面で会う機会が少なかったのですが、同期間で会えるタイミングには積極的にコミュニケーションを取るなど、仲が良い印象があります。

一方で、会食の制限など一時的に社内全体の交流機会が減少したこともあり、支店や部署内、年次が異なる相手に対してはやや興味が薄れてしまった印象も同時にあります。また、社会的に多様性を大事にする考え方が浸透してきていることもあり、必要以上に他者へ踏み込むべきではないとラインを引く社員が増えているのかもしれません。

ー3年目とはどのような年次ですか。

西岡様:3年目は新たな役割や目標が与えられ、次のステージへと歩みを進める年次です。その中で、自身の業務にも慣れてきて、「この部分はもう少し効率的にできるのではないか」など自身の意見が芽生え始めます。しかし、上司と積極的に意見交換するには至らず、自身の意見を発信することを遠慮してしまうことがあります。

また、上司や先輩たちが「こちらの意見を押し付けてはいけない」、「自主性を尊重しよう」と遠慮してしまい、結果的に互いの遠慮からコミュニケーション機会が不足してしまう場合もあるかもしれません。3年目は新たな壁にぶつかり、どのように壁を乗り越えていけばよいのか、どこまで支援を求めて良いのかなど、様々な悩みを抱える時期だと思います。

ー互いに踏み込めない部分があるのですね。3年目社員に求められることはどのようなことでしょうか。

西岡様:3年目は、営業員としての準備期間が一段落し、さらに視野を広げることが求められます。より高い数値目標や後輩育成を任されるようになるなど、新しい役割に応えていくことが期待されます。そのため今回の研修は、自分が培ってきた経験を一度整理し、言語化できるようにしてほしいと考え実施しました。また、同期間で人事異動が始まることもあり、部署が変わっても、日々の業務で困ったことがあった時に協力しやすいよう、関係を密にしてもらいたかったことも背景として挙げられます。

ー「視野を広げ、関係性を深めること」を目的として研修を実施されたのですね。この他に、3年目社員における課題と感じている点はありますか。

西岡様:そうですね。多くの企業様で同じだと思いますが、キャリアチェンジという考え方が一般的になっていることもあり、特に3~5年目はターニングポイントになりやすい時期ではないでしょうか。そのため、当社でのキャリアデザインの支援や、様々な立場や働き方でキャリアを積んでいるロールモデルとなる社員を知る機会を提供し、会社組織全体に対する興味関心を引き出す必要があります。視野を広げ、会社のことをより深く理解してもらうことで、仕事に対するモチベーションの向上に繋がると考えています。

リアルな会社組織の縮図を体験し、多様な役割・立場の視点を理解する

ービジネスゲーム「健康経営ゲーム」をお選びいただいた理由を教えてください。

西岡様:目標の設定やチームビルディング、権限の移譲といったリアルな会社組織の縮図を体験することで、「立場を変えて物事を考える力」を身に付けられるコンテンツだと思ったからです。一緒にビジネスゲームに取り組んだ同期間で、関係性を密にできることも魅力の1つでした。

ー実際に、研修を実施されていかがでしたか。

西岡様:社員それぞれの個性が生かされていて、面白かったです。最初はわかりやすくリーダーシップがある社員の所へ集まっていましたが、そのうち、控えめで一歩引いていた社員たちが「ここで話し合って解決できることがあるかもしれない」と、個々に動き始めるようになり、自立して動く小集団が出来上がっていったイメージでしたね。

社員から「これまで自分の仕事のことは考える機会があっても、会社全体や立場・視点を変えて物事を考える機会はなかったので新鮮だった」という声があり、狙い通りでした。

ゲーム序盤、リーダーシップのある社員の所へ集まっている様子

ービジネスゲームを活用した研修に、どのような感想をお持ちでしょうか。

西岡様:講義形式の研修は一方的な発信になってしまいやすいですが、ビジネスゲームは、参加者が体を動かしながら実際に体験していくため、社員の意欲が存分に引き出されながら研修ができると思います。

今回は、ある程度の知識や経験を得た3年目社員に「健康経営ゲーム」を実施したので、自分の考えを外に出し、新しいことについて考えてみる機会として、効果的だったと思います。

自社で健やかに働き、成果を出し続ける姿を描く

ー3年目社員の皆様に「自分の健康をよりよくするために出来ること」について健康宣言を行っていただきました。健やかに働き、成果を出し続けるためには、どのようなことを大切にされたいですか。

西岡様:今回受講した3年目の社員には、今後も自身の心身の健康に関する気付きを大切にしてもらいたいです。メリハリを持って、働く時は働き、休む時は休むという「切り替え」が重要だと思います。また、自分のキャパシティを読み間違えないように気を付けて、「自分は大丈夫」と思い込まないように、事実に目を向けて、必要な時は周囲にSOSを出して欲しいです。

「健康宣言」についてのワークシート記入後、同期同士で宣言を確認し合いました

ー最後に、今後3年目社員の皆様に意識してもらいたいことを教えてください。

西岡様:年次が上がるにつれて、新しい壁にぶつかることもあるかもしれませんが、近視眼的になったり、個々の意識になりすぎず、周囲と協力し合いながら、最適解を模索していって欲しいです。さらに、会社や所属している部署に対して、より関心を高めて欲しいと思います。自分が何をやりたいのかという希望も持ち、チームで動いていることを意識して、自分と組織の両軸で考えられる人材になってほしいですね。

ー貴重なお話をありがとうございました!

研修内容

  • 組織の属性
    金融商品取引業(従業員数1,000~2,000名)
  • 研修の目的
    ①健康チェックで自分と向き合い、仲間に自己開示し交流を図る。
    ②健康経営ゲームにて会社経営を模擬体験し、チームとしての目標達成における考え・行動をとる
    ③明日からできる簡単なことを考え、実践のための一歩を踏み出す
  • 研修受講者
    47名
  • 研修実施日
    2023年12月7日

研修プログラム

  1. 導入(3h)
    • 研修目的の共有
    • チェックイン
    • 講義(健康の定義について)
    • 健康チェックカード
    • 講義(心・身体・社会的健康について、チームとグループの違い)

  2. ゲーム体験(3h)
    • 健康経営ゲーム(1回目)
    • 講義(チームがうまく機能するためには)
    • 健康経営ゲーム(2回目)

  3. ふり返り(1h)
    • 対話(ゲーム体験を振り返る)
    • 講義(視野の広さについて)
    • チェックアウト

研修の様子

チームでルールを確認し合い、戦略を立てている様子
同期間で交流を深める様子

研修受講者の声

“1回目は社長役で、会社全体を見る貴重な機会だった。1人では会社は回らない事、それぞれ適材適所があり役割分担が必要なことが分かった。2回目は各々が役割を理解し、優先順位をつけ主体的に行動したことで、ワンチームとなって取り組むことができ、1回目よりも圧倒的に結果が良くなった”

“健康チェックで自分の健康スコアが低く、驚いた。仕事でパフォーマンスを発揮するには、心身の健康バランスが大切であることがわかったので、日頃の生活習慣から見直したい”

“多くの同期と話すタイミングがあり、楽しく取り組むことができた。講師の方からの「波及」という言葉が印象的で、周りに自分の思いや熱量が伝わって波及し、結果的に大きな組織を動かすきっかけになれば良いと思った”

“2回実施する中で、良い会社とそうでない会社の両方を体験できた。1回目ではみんなどこか他人任せの雰囲気があり、目標を達成できなかった。その反省を生かし、2回目では意見を言うことを意識した結果、反対意見も出し合うことができた。自分たちの意思をまとめ、成功したときは達成感があった”

“ゲームの中で管理職の役割をしたが、仕事を振ることや応援、成功した時の声かけなどが大切だと気づくことができた。役職ごとに仕事を与える大変さや状況の把握に限界を感じ、組織の動かし方の難しさを痛感した”

ご案内

「健康経営ゲーム」は、立場を変えて物事を考える力を身に付けられるビジネスゲームです。

参加者の皆様には、業績を伸ばしつつ、心身の健康を保った働き方について試行錯誤していただきます。体験を通して、社長・管理職・人事部・一般社員など、普段とは違う立場の役職を経験することで、会社の構造や多様な役割への理解を深め、視野を広げることができます。

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  • 数あるビジネスゲームの中から自社に合うビジネスゲームが何かを知りたい
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