新入社員研修に使える面白いゲーム特集

研修とは、講義や演習を通じて業務遂行に必要となる知識やスキル・マインドを習得するための場です。

研修効果を高めるためには、適切な研修目標のもとに設計された研修カリキュラムが必要不可欠ですが、それだけでは十分ではありません。研修受講者の主体性(意欲的な研修参加)が発揮されてこそ、研修効果が高まります。

特に、周りが知らない人だらけで、かつ、社会人のスタートラインに立ったばかりの新人が集う新入社員研修では、彼・彼女らの緊張を解くことが第一に求められます。その上で、新人の同期同士が仲良くなることを促し、仲間意識を醸成することで研修への主体性を引き出すことが重要になります。

そこで、本稿では「新入社員研修に使える面白いゲーム」と題して、新人の主体的な研修参加を促すことに役立つゲームコンテンツをご紹介します。

Contents(目次)

新入社員研修の「アイスブレイク」に使えるゲーム

始めに紹介するゲームは「アイスブレイク」に使えるゲームです。準備が簡単で短時間(所要時間30分以内)で実施できるゲームをご紹介します。

「アイスブレイク」を研修の最初に行うことで、次のような効果が期待できます。

  • 緊張を和らげる
  • 軽く体を動かすことでリラックス・リフレッシュできる
  • 場が盛り上がる

バースデーライン

バースデーラインとは、誕生日の早い人から1列に並ぶゲームです。並ぶ順番を決める際に、会話や筆談はできません。使えるのはジェスチャーのみ。あなたのチームは正しい順番で並ぶことができるでしょうか?

基本情報

  • 実施形態  :集合研修
  • 準備するもの:なし
  • プレイ人数 :15~30人(1チーム5~10人目安)
  • プレイ時間 :10~15分

ルール/ゲームの進め方

1参加者は、5~10人のチームに分かれます(チームは事前に決めておくか、その場で抽選で決めます)
2ゲームの進行役が「1月1日が先頭で12月31日が最後尾となるよう、誕生日順に一列に並ぶこと」を共有します
3制限時間は5~10分間です
4ゲームの参加者全員が立ち、チームで円になります
5チームごとにジェスチャーで相談しながら、誕生日順に並びます
6ゲーム参加者は会話や筆談をしてはいけません
7制限時間になったら、ゲームの進行役が各チームの先頭の人から順に口頭で誕生日を聞いていき、答え合わせをします
8複数チームで行う場合は、正しい順番で最も早く並べたチームが優勝です

ワンポイントアドバイス

  • 1チームでなく、複数チームで競争すると盛り上がります

  • 道具が不要なので気軽にゲームを実施できる点や、軽く体を動かすことでリラックス・リフレッシュできる点も魅力です

  • 全員が自分の誕生日をほかの人にジェスチャーで伝えなければならないので、みんなが平等に参加できるメリットもあります

出発点ゲーム

出発点ゲームとは、出発点(動作をするように指示している人)を探し出すシンプルなゲームです。ゲーム中は適度に体を動かすことになるので、緊張感を払拭しやすく、初対面同士の交流にぴったりです。

基本情報

  • 実施形態  :集合研修
  • 準備するもの:なし
  • プレイ人数 :10~15人
  • プレイ時間 :10~20分

ルール/ゲームの進め方

1参加者の中から1名の「オニ」を決めます
2オニに指名された人は出発点(動作を指示する人)を当てる役割となります
3それ以外の参加者はオニを囲んで円になるように座ります
4オニに目をつむってもらった上でゲームの進行役が出発点となる人を決めます(紙に出発点となる人の名前を書いて見せると良いでしょう)
5準備ができたらゲーム開始です。出発点になった人はオニに当てられないように様々な動作をします
6他の人は出発点の人がした動作を真似します
7出発点の人は、どんどん動作を変えます
8オニは出発点を探し、出発点を当てられたらオニを交代します(オニが次のオニを指名します)

ワンポイントアドバイス

  • オニは出発点の人を見抜くため、注意深く周囲を観察します。その他の人は、出発点の人が行う動作を「なるべく早く真似する」ために集中力が必要です 
     
  • 動作を真似することが、互いの心の距離を近づけることに繋がります

<補足説明>
このゲームは、一般的には震源地ゲームと呼ばれるものですが、震源地という言葉に対して不安な気持ちになる方もいらっしゃることを考慮し、出発点ゲームと言い換えています。

共通点探しゲーム

共通点探しゲームとは、仲間同士が対話を通して、時間内に同じチームの仲間との共通点を見つけ出すゲームです。共通点そのものを知ることより、仲間同士で一体感を得て相手の特徴をより知ることがゲームの目的です。

基本情報

  • 実施形態  :集合研修/オンライン集合研修
  • 準備するもの:模造紙、付箋、ペン(※)
  • プレイ人数 :2~30人(1チーム3~4人)
  • プレイ時間 :30分~1時間

※オンラインで実施する場合は、パソコンとオンラインコミュニケーションツール(ZoomやMiro)をご準備ください

ルール/ゲームの進め方

1参加者は、3~4人のチームに分かれます(チームは事前に決めておくか、その場で抽選で決めます)
2チームごとにリーダーを1分以内に選定します
3チーム内で、1人1分で自己紹介します
4チーム全員の共通する項目を10分間で出来るだけ多く発見します
5チームで発表する共通点を2分以内に決定します(※2分が短すぎる場合は、3~5分の間で調整しましょう)
6チームリーダーが最もユニークな共通点を1個選定します
7全員に向けて、最もユニークな共通点とそれを選んだ理由を発表します
8最もユニークな共通点を発表したチームの優勝です

ワンポイントアドバイス

  • 類似性の法則(自分との共通点が多い人に親近感が湧き、好感を抱きやすくなる心理的現象)を利用したグループワークです
     
  • 人と違うことを好む人も、この時ばかりは共通点を発見することで、心の距離を縮めましょう
     
  • 緊張を和らげるとともに場が盛り上がります
     
  • 全員が共通点を探すために自分のことを話す必要があるため、みんなが必ず発言する機会を得ることができます

新入社員研修の「関係構築」に使えるゲーム

次に紹介するゲームは「関係構築」に使えるゲームです。新人同士の交流要素が強いゲームをご紹介します。

「関係構築」に使えるゲームを行うことで、次のような効果が期待できます。

  • 親睦を深められる(仲良くなれる)
  • コミュニケーションが円滑になる
  • 相互理解を深められる
  • 研修受講者の主体性(意欲的な研修参加)を促せる

ペーパータワー

ペーパータワーとは、A4用紙30枚を使って、できるだけ高いタワーを作るゲームです。使えるものはA4用紙のみ。非常にシンプルだからこそ、チームの知恵と工夫が試されます。

基本情報

  • 実施形態  :集合研修
  • 準備するもの:A4用紙(30枚×チーム数)、メジャー
  • プレイ人数 :4人~何人でも(1チーム4~5人推奨)
  • プレイ時間 :20分

ルール/ゲームの進め方

1参加者は、4~5人のチームに分かれます(チームは事前に決めておくか、その場で抽選で決めます)
21チームにつき、30枚のA4用紙を配ります
3紙は切ったり折ったりしても構いませんが、紙以外の道具を使ってはなりません
4まずは作戦タイムとして5分間話し合います。この際、チームで1枚だけ紙に触れても構いません
5組み立てタイムは5分間です
6組み立てタイム終了後、計測官が各チームを回ります(メジャーで計測します)
7計測されるチームのメンバーがタワーから手を離した瞬間から10秒数え、計測タイムに移行します
8計測タイム中もタワーが自立している必要があります
9最も高いタワーを作ったチームが優勝です

ワンポイントアドバイス

  • どうすれば高いタワーを作ることができるかを相談し合う中で、相手がどういった考えを持っている人なのか、自分はどういった考えを持っているのかを相互に理解し、親睦を深めることができます

ドミノチャレンジ

ドミノチャレンジとは、ドミノや身近な文房具などを使って、他のチームよりも長時間動き続ける仕掛けを作るゲームです。クリエイティブな発想が求められます。

基本情報

  • 実施形態  :集合研修
  • 準備するもの:ドミノのコマ(※)、ストロー、輪ゴム、画用紙、ビー玉、タイマー
  • プレイ人数 :4~50人(1チーム4~6人)
  • プレイ時間 :30分

※ドミノのコマの目安は「100ピース×チーム数」

ルール/ゲームの進め方

1参加者は、4~6人のチームに分かれます(チームは事前に決めておくか、その場で抽選で決めます)
21チームにつき、100ピースずつドミノを配布します
3参加者に「手持ちのアイテムや会議室にあるものは何を使っても構いません。ピタゴラ装置のようにドミノでドミノを倒す以外のトリックも可能です」と共有します
47分間でドミノを並べ、仕掛けを作ります
57分後にドミノを倒し、最初のドミノが倒れてから最後のドミノが倒れるまでの時間を計測します
6倒れるまでの時間が最も長いチームの優勝です
71チームのみで実施する場合は、30秒以上の記録を目指します

ワンポイントアドバイス

  • 「長い時間動き続けるドミノを含めた仕掛けを作る」という共通目標に向かってアイデアを出し合う中で相互理解が深まります
     
  • ドミノ作りには「ピタゴラ装置」のように工夫すれば何でも仕掛け装置の材料になり得ます。ホワイトボードのマーカーやイレイサーなどの備品に加えて、ペンや飲み物の容器などの手持ちのアイテムも出し合います。ただし、講師のパソコンやコードを使われると困るので、それは避けましょう

新入社員研修の「研修カリキュラム」に使えるゲーム

最後に紹介するゲームは「研修カリキュラム」に使えるゲームです。ゲームを体験すること自体に、十分な学習効果が期待できるゲームをご紹介します。

The 商社

The 商社とは、世界のビジネスマーケットを舞台にした事業設立を体験するカードゲームです。リアルなビジネスシミュレーションを通して、ビジネスパーソンがそれぞれの立場で活躍していくための能力を学ぶことができます。

基本情報

  • 実施形態:集合研修/オンライン集合研修
  • 準備するもの:ゲームのキット
  • プレイ人数:10~150人(1チーム2~5人目安)
  • プレイ時間:3~6時間

※ゲームのキットはこちらのサイト(株式会社プロジェクトデザイン)にお問い合わせの上、準備する必要があります

ルール/ゲームの進め方

「The 商社」は参加者が1つの会社のメンバーとして3~6人のチームを組み、 他のチームと様々な交渉を行いながら、自分たちの会社の事業を立ち上げて会社を大きくしていくビジネスゲームです。

ゲームは計画→行動→決算という3つのプロセスを1ターンとしてカウントし、合計4ターン実施します。参加者に問われる能力が各ターン毎に変化する中、参加者は自身の強みや弱み(伸ばしていくべき能力)に気付くことができます。

ワンポイントアドバイス

  • 自分のチーム内での話し合いはもちろん、他のチームと交渉していくプロセスで活発なコミュニケーションが起こるため、参加者同士の関係構築が可能です
     
  • 相手を納得させられる交渉材料にはどんなものが考えられるか、互いにwin-winになるにはどうればよいのか、などの仕事をしていく上での基本的な考え方を理解・身に付けることができます

マナーストーリー

マナーストーリーとは、クイズ形式でビジネスマナーの理解度をテストできるカードゲームです。正しいビジネスマナーを楽しみながら学ぶことができます。

基本情報

  • 実施形態:集合研修/オンライン集合研修
  • 準備するもの:ゲームのキット
  • プレイ人数:10~150人(1チーム2~5人目安)
  • プレイ時間:3~6時間

※ゲームのキットはこちらのサイト(株式会社ハートクエイク)にお問い合わせの上、準備する必要があります

ルール/ゲームの進め方

マナーストーリーは、2人1組で新入社員役とゲーム進行役に分かれてプレイします。ゲームは企業訪問編と、来客対応編の2パターンが用意されていますので、企業訪問編が終わったら役割を変更(新入社員役⇔進行役)して進行をしていただきます。

ワンポイントアドバイス

  • カードゲーム形式で楽しみながら学べるため、座学の場合よりもビジネスマナーが身に付きやすいメリットがあります
     
  • ペアになった相手と、ビジネスマナーをどの程度理解しているかを話し合う過程で親睦を深めることができます

まとめ

新入社員研修にゲームを取り入れる目的は何なのか?

新入社員のアイスブレイク(緊張の緩和)ができれば良いのか。新入社員同士の関係性を強化したいのか。それとも、ゲーム体験自体に学習効果を求めるのか?

本稿が、貴社の目的に合ったゲームコンテンツ選びに役立つことがあれば幸いです。

ちなみに、私たち株式会社プロジェクトデザインでは、新入社員研修を検討する上で必要になる考え方やノウハウをご紹介する「新入社員研修の内容・カリキュラム設計マニュアル」や、ビジネスゲームを活用した「新入社員研修」をサービスとしてご提供させていただいています。

ご興味のある方は、是非ご覧ください。

この記事の著者について​

執筆者プロフィール

古野 知晴

富山県滑川市出身。ケーブルTV番組制作会社や雑誌ライター等を経て、2014年にプロジェクトデザインに入社。取材・キャスターの経験で培った「聴く力、伝える力」を活かして「はたらくらすコネクションin上市」事業を立ち上げから担当し、6年間で企業・店舗136社、県外からの移住者18組を取材。そのほか文章編集・校正を中心にビジネスゲーム制作に関わる。2021年6月に育休から復帰以降は、マーケティング部の一員としてWebサイトに掲載するコンテンツ作成に携わる。現在も地元・滑川市のケーブルTVでキャスターを務め、2022年からは個人的に子どもの夢を叶えるイベントを主催するなど、地域に根ざした活動を行っている。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム「2030SDGs」に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。活動を通じて関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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