リーダー育成や管理職育成のときに話題に出てくる『視座の違い』について(ビジネスゲーム開発日誌 Vol.28)

キングダムという漫画があります。40数巻ぐらいまではまさに神的展開で僕もワクワクしながら毎回読んでいました(40数巻以降に面白さが明らかに失速してしまったのは残念でなりません)。

作者は元々サラリーマンとして会社勤めをしていた人で、その時の先輩や仕事での体験を春秋戦国時代の秦の出来事に置き換えて漫画として表現していたのはよく知られていることです。

だからこそ、現代という時代を企業戦士として生き抜く我々の心に響き、メガヒットとなったのかもしれません。さて、その中で主人公である “信” は100人を率いる部隊長から1,000人、10,000人を率いる将軍として成長していきます。

この主人公のエピソードの中に「物語の中のメンター的立場である王騎将軍の馬に乗る」という屈指の名場面があります。馬にのり、ゆっくり呼吸をし、目を開くと、そこには馬に乗る前には見えなかった全く違った世界が見える。そんな絵です。

立場が変化することによる『視座の変化』を、馬に乗ることによって物理的な『視座の変化』にメタファーとして置き換えて表現した、そんな場面です。

体験してみるまでは何度言われてもピンとこないということは人生によくあると思いますが、その内のひとつがリーダー育成や管理職育成のときに話題に出てくる『視座の違い』でしょうか。

私が最近訪問させていただいた3社の企業で、それぞれまったく違うテーマで話したにも関わらず、どの企業でも『視座が高い/低い』が話題に挙がってきたので、この際に語っておきたいと思います。

キングダムの主人公の “信” が馬にのって見る景色と、大地に足で立って見る景色がまるで違ったように、一般の社員からマネジャーにならないと見えない景色、マネジャーから経営陣にならないと見えない景色が確かにあります。

その見える景色の違いは『視座の高さ』という言葉でマネジメントの場では表現されます。

視座の

視座が高いということは、ものを見るときにより高い位置から見ているということなので、より広く・より遠くまで見通すことが出来ますので、全体像を把握するということに適しています(一方で、細かく細部に渡ってみることは苦手としています)。

視座の高い人(例えば経営者)は、より遠く、例えば5~10年後を見据えて、今打たねばならない手を打ちます。それに対して視座の低い人(未成熟な多くの社員)は、今月なり今期なりの業績を達成するために手を打ちます。

同様に、視座の高い人は自部門だけではなく、より多くの部門の動きを見据え、全体が最適になるような手を打ちます。それに対して視座の低い人が見えているのはせいぜい自部門。あるいは自分の仕事だけになります。

ただ、視座が高いと会社で起きているものごとを個別具体的にすべてをとらえるのは難しい一方で、視座が低いからこそ、一件一件のお客様の声をしっかりと聞くことも出来ます。

この『視座の違い』に関しては、視座が上の人は経験をしているので分かるのですが、視座が下の人は経験していないのでピンと来ません。それが原因で、経営者と現場の話がすれ違ったり、時には会社への不平不満につながったり、お互い良かれと思って、相互の動きを阻害するような意思決定につながったりするわけです。

企業の人材育成上の課題はかなりのケースが『視座の違いに気づかせ、誤解を調整すること』『視座を押し上げること』で解決できます。これは短期最適ではなく長期最適、部分最適ではなく全体最適という言葉で表すことも出来ますが、残念ながら管理職経験や経営者経験がない人が視座の違いを説得力を持って話すのはなかなか難しかったりします。

唯一、効果的な形で視座の違いを体験させるものがあるとしたら、僕はそれはゲームではないかと思うのです。

例えば当社で提供している『健康経営ゲーム』のように社長と管理職と一般社員という役割が分かれていて、それぞれにゴールが違っていたら。同じゲームをしていたとしても、まったく違うゲームをしているような会話の噛み合わなさを感じるのではないでしょうか。

すべての社員に管理職や経営者の体験をさせることは難しい。だからこそ、将軍の馬にちょっとだけ乗ってみるようにゲームで疑似体験をしてもらい、『視座の違い』を感じ、視座を押し上げるきっかけにしてもらうのが良いのではないかと感じます。

執筆者プロフィール

株式会社プロジェクトデザイン 福井 信英

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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