地球環境に関する現状を知ることが、より適切なSDGsの理解に繋がる(ビジネスゲーム開発日誌 Vol.46)

カードゲーム「2050カーボンニュートラル」の養成講座に参加された方から、次のような質問をいただきました。

「木資源は活用した方が光合成が活発に行われる様になるので、住宅材やバイオマス燃料にした方が良いと聞きました。ということは、木から作られている紙は適切に管理されたFSC認証用紙だったら、どんどん使って良いのでしょうか?」

とても有り難いご意見です。こういった質問をいただくことで、私自身の理解も深まります。

FSC認証を受けた用紙とは

FSC認証は木資源を適切に管理する認証制度です。

“FSC認証は、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を消費者に届けるためのマークです。私たち日本人の消費は世界の森林と密接に関わっており、FSCマークの製品を選ぶというアクションをより多くの人に知ってもらうことが森林保全につながります”

参考:森を守るFSCマークとは|Forest Stewardship Council

世界全体での紙の利用量は増え続けており、日本は紙の消費量が世界第3位です。ただし、日本は紙資源の6割強を海外からの輸入に頼っており、その資源はユーカリやアカシアで、オーストラリアから多くの紙資源を輸入しています。

木は成長するときにCO2を吸収します。

ユーカリは生育環境にあまり左右されず、成長が早い樹種です。しかし、オーストラリアの気候風土は森林の育成に必ずしも良い環境ではなく、単一栽培が問題を生じさせやすくなることもまた事実です。

(近年もオーストラリアで大規模なユーカリ林の森林火災がありました。)

そんなことを考えていくと、「決してFSC認証を受けた紙だからどんどん使っていいわけではない。引き続き日本はペーパーレス化を進め、紙を使うときは意識的にFSC認証を受けた紙を使うのが良い」というのが、現段階で私が考えていることです(状況によって結論はまた変化するかもしれません)。

当社はカードゲームを使っている会社なので、バナナペーパーや竹紙、LIMEX(石灰石が原料)など、様々な素材についても検討したことがあります。

その上で、今のところ、紙資源に関しては国産のFSC認証を得た素材の紙で作成するのが一番だろうと考えています(当社の印刷物や名刺は再生紙ですので、少しずつ見直しをかけていきたいと感じている次第です)。

地球環境に関する現状を知ることは(今回お伝えした紙資源や森林の話がそうであるように)、より適切なSDGsの理解に繋がります。

SDGsの実践(地球環境と経済活動を両立させる/サステナビリティの考え方を経営に活かす)には、“ひとりでも多くの人が正しい知識を得ることがスタート” だと思っています。

ゲームはその一助になると思います。

ご案内

山梨日日新聞社の依頼で長らく取り組んでいた、森とひとの未来を考えるカードゲーム「moritomirai(森と未来)」がついに完成しました。

これで、陸・海・空に関するゲームが完成したことになります。

3つのゲーム全てを体験すると、それぞれがどのようにつながっているのか、人の営みがどのように地球という大きな存在に影響を与えているのかを、より深く知ることが出来ると感じています。

陸・海・空の地球環境に関する理解を深めることで、当然、SDGsへの理解に繋がり、様々な視点から問題を捉えられるようになります。

世界という視点で見ると急激な人口増加が問題になっていますが、日本だけで見ると人口減少が問題になっているように、個々の国が抱える事情はまた異なります。

世界では過剰な森林伐採が問題になり、これが大気中のカーボン量や生態系にも影響を与えています。一方、日本で見ると、森林資源はこれまでにないぐらい豊富にあり、むしろ使わなすぎが問題になっています。

一度手を入れられた人工林は、適切に間伐されないことで生態系が偏り(樹種だけでなく、動物や昆虫、苔や菌も含めて)、健全な成長が阻害され、土壌も侵食されやすくなり、災害に繋がりやすくなってしまいます。

(それにも関わらず、日本で利用されている木資源の7割弱が値段の安い海外産の木材という現状は徐々に見直していかねばならない問題です。)

それぞれのカードゲームの体験会も開催していますので、興味のある方は是非ご参加ください!

(「moritomirai(森と未来)」と「CHANGE FOR THE BLUE」は、お子様との参加も大歓迎です!)

カードゲーム「moritomirai(森と未来)」とは

カードゲーム「moritomirai(森と未来)」は、小学校高学年から大人まで、幅広い年齢層を対象としたカードゲームです。

山の所有者、森林組合、猟師、行政職員、住宅メーカー、学校の先生など様々な仕事やゴールを持った10種類のプレイヤーたちが、仕事や生活のアクションを繰り返し、森と私たちの未来が刻々と変化する中で「森の未来」について考えます。

・ カードゲーム「moritomirai(森と未来)」の体験会はこちら

執筆者プロフィール

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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