経営者や優れたビジネスパーソン、アスリートが知っている “遅れ” の概念(ビジネスゲーム開発日誌 Vol.32)

2050年の地球を舞台にしたゲームを制作しています。様々な方に協力を仰ぎながら本気で作っています。

ビジネスゲームは制作をする過程において、ものごとの構造・仕組みを解き明かし、本当に大切なことを気づかせてくれます。

僕はその真実に触れ、視界が広がる瞬間を本当に愛しています。

ビールゲームという、ビジネスゲームの世界では最古参であり、世界的に最も有名なゲームがあります。ビールゲームというのは学べることが多い分、伝えるメッセージとファシリテーションに気を使うゲームでもあります。あれもこれも伝えられますが、あれもこれも伝えようとすると、何も伝わらない。ということが多いゲームでもあります。

だからこそ、伝える内容を “絞る” 必要があります。

ゲームはいつも、“ゲーム体験” で50点、その後の “振り返り” で50点です。より良質な振り返りをするために、ビールゲームに触れ、ビールゲームのファシリテーターとして活動している方々に 「ビールゲームで一番学んだことは何ですか? 」「一番心に残っている学びはなんですか?」と聞いて回ったところ、もっとも多くの方からいただいたメッセージが「ビールゲームで体験できる “遅れ” の概念です」 というメッセージでした。

“遅れ” とはなにか。

ビールゲームは毎ターン、小売店、二次卸、一次卸、工場がそれぞれビールの発注量を決めるだけの単純なゲームです。

しかし、顧客から例えば10ケースという発注が来たときに、同じ10ケースでもある人は「発注を増やそう!」と感じ、ある人は「発注を減らそう!」とします。自分がこれまで取り組んできた仕事や仕事で得られた価値観(=メンタルモデル)によって、同じ数字を見てもまったく違う結論が導き出されます。

自分のメンタルモデルは自分の行動に影響を与え、自分の行動は他のプレイヤーの行動に影響を与えます。その影響はすぐに訪れるのではなく、一定の時間を経てゆっくりと、しかし確実に訪れます。 そして、訪れたときにはすでに修正困難になっているのです。

経営者や優れたビジネスパーソンにとって自分の意思決定が “遅れ” を伴って周囲に影響を及ぼすことは周知の事実です。

若手をしっかりと育成すれば○年後に稼ぐ人材になってくれる。今の投資が○年後に生きてくる。今のリストラは○年後に組織の膿となって表出化してくる。

などなど。

だからこそ、今の意思決定が未来にどういう影響をもたらすか “遅れ” を読み切ることが経営には不可欠です。

“遅れ” を精度高く読める人こそが優秀な経営者と言われるのでしょうし、組織に痛みを伴う改革を求めるときは1年だけ、と期限を区切るなどして、思い切って悪い膿を出し切ったりするのでしょう。

しかし、この “遅れ” の概念を正確に理解している人は多くありません。不確かな未来を読む訓練をせず、確かに見える今を拠り所に誤った判断を繰り返すのです。

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北京オリンピックが終わりました。私が一番感動したのは、高木美帆選手のスピードスケート女子1,000mです。

本命視されていた女子1,500mが銀メダルに終わった直後に放送された高木選手のドキュメンタリー番組は、金メダルを取るための努力の過程を伝える内容でした。

「うわ、このタイミングで放送するなんて、タイミングミスったなぁ」と勝手に思っていましたが、番組内で高木選手が練習中に見せた、片足で立ちながらのゆっくりとしたフォーム確認は、体の芯が微塵もぶれず、努力に裏打ちされた神々しさを感じました。

その後の女子1,000mで高木美帆選手が金メダルを獲得したことは周知の事実ですね。

今の投資は未来に繋がる、つまり、今の努力は “遅れ” てやってくる。

その “遅れ” の期間すら逆算し、正確に読み、ピークをオリンピックに持ってくる。そういったアスリートのシビアさを、ビジネスパーソンも持つべきなのだろうと私は思いました。

ご案内

※当社では昨年、国内での「学習する組織」「システム思考」の第一人者であるチェンジ・エージェントさんとともに「ビールゲーム online」を開発し、実現いたしました。

“遅れ” の概念を体験できる「ビールゲーム online」を、ぜひ多くの方に体験いただきたいと思います。

ビールゲーム Online のゲーム中の様子

ビールゲーム Onlineの紹介はこちら

執筆者プロフィール

株式会社プロジェクトデザイン 福井 信英

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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