サッカーの戦術と管理職育成の共通点とは(ビジネスゲーム開発日誌 Vol.24)

以前、仕事上の理由でサッカーの戦術についての知識を得る必要があり、某コンサルティングファームの代表(豊富なサッカー指導者経験がある方)に教えを乞いました。

教えていただいたサッカーの戦術に関して、唸るものが多くありました(スポーツとビジネス。分野は違っても、突き詰めた一流には通じる部分があります)。

特に、サッカーは大きく4つの局面に分けられる話が今でも強く印象に残っています。

  1. ボールを自陣から前線に送り攻撃を開始する局面
  2. プレイヤーがボールを保持しながら前進する局面
  3. 相手のディフェンスを “崩す” 局面
  4. ゴールを奪うキープレイヤーが前を向いてボールを受け、シュートを打つ局面

この中で、完全にセオリーが存在するのが1と2。3にはセオリーが存在せず、限られた天才にだけ許された個性の領域。4はシュートの局面ですが、ゴールを奪えるかどうかは半ば運頼み。「サッカーの戦術に求められるのは、第四の局面を創り出すところまで」と伺いました。

この話を聞いてすごく参考になったのは「セオリー」と「個性」の部分です。ほとんどのスポーツとビジネスには「型」と言われるセオリーがあります。

しかし、時に「型」を壊してくる天才たちがいるのです。

例えば、古くは1968年、メキシコオリンピックの走り高跳びで世界で初めて背面跳びを披露し、前代未聞の記録更新を実現した「ディック・フォスベリー」。新しくは現代野球に不可能と言われた二刀流を持ち込んだ「大谷翔平」。

彼らが世界で初めて成し遂げたことにより、不可能と思われたことが可能な領域に置き換わりました。背面跳びにしても、二刀流にしても後に続く人がぞくぞくと出てきています(二刀流が定着するかどうかはこれからかもしれませんが…)。

この話は、管理職の育成に通じる部分があります。

管理職に必要なことは何かと問われたときに、まずはセオリーを知り、実行できることが最低限必要です。しかし、同時にセオリーを実行するだけでなく、違いを生み出すために、それまでにないやり方やより良い方法を探す・試す気持ちも大切です。

セオリーを無視して新しいやり方ばかり取り組んでもダメですし、同時にセオリーだけを絶対と信じて、それ以外のやり方を試そうとしない姿勢にも問題があります。

  • セオリーと「違いを生み出す個性」を両立させること
  • 違いを生み出す個性を一般化し、セオリーにしていくこと

この両方を組織のプロセスとして保有しておく必要があります。これは管理職研修で伝えるべき内容でもありますし、同時に最近は「両利きの経営」と語られるように、継続的に成長を遂げる企業の特徴とも言えます。

当社が制作してきたゲームの中で、この両方の要素が求められるのが「価値創造リーダーシップゲーム」です。

詳しい情報をご希望の方は、お問い合わせください。そして、自社の管理職研修に活かせるかどうかを見極めていただければ幸いです。

執筆者プロフィール

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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