人は成功体験と失敗体験のどちらから多くを学ぶのか(ビジネスゲーム開発日誌 Vol.23)

企業研修の場でも、「ケーススタディ」を基にした学習が当たり前のように行われるようになってきました。その一方、MBAで用いられるようなケースは学習に慣れていない人にとっては「重たく」感じられることも多いようです。

私自身はケース学習の入り口として、「ネット上でフリーで読める経営記事から学ぶ」方法をよく使います。 読んでもらいたい珠玉の記事を常に20本ぐらいストックしているのですが、そのうちの一つが、こちらの記事です。

原田氏はアップル日本法人を苦境から成功に導いた後、その手腕を買われてマクドナルドに転職。プロ経営者と呼ばれ、11年に渡り日本マクドナルドの舵をとります。

しかし、その11年間の経営は最初の5年と最後の5年で光と影のようにまったく逆の結果を生み出すのです。

成功体験が次の失敗の要因となることもある

あるお客様からの依頼でゲームを作成しています。

そのゲームでは、「取り組んだプロジェクトを成功/失敗させたときに(ゲーム内での)スキルがアップする」要素を取り入れるかどうかで悩んでいました。

成功と失敗の両方から学べるようにするか、片方からだけ学べるようにするかで、伝えるメッセージが大きく違ってきます。「人は成功体験と失敗体験のどちらから多くを学ぶのか」に関して、私達なりに結論を出す必要がありました。 

最適な調査結果を見つけたわけではありません。前提条件とする因子が多すぎて調べにくいこともあるでしょう。そんな中、衛星ロケットの打ち上げに関する調査について知りました。衛星ロケットの打ち上げは成功/失敗が明確にわかり、以降の打ち上げ結果はどうだったのかを知ることができるので、客観的にデータを調べやすい特徴がありました。

その調査での結論は、「どちらからも学べるが、成功体験からのほうが多くを学べる」でした。

他にも独自の聞き取り調査を行い、作成中のビジネスゲームでは「成功体験を積んだ場合にスキルがアップする」仕様に決めました。

しかし、現実世界では「成功体験が、次の失敗の要因となる」こともよくあります。

冒頭の原田さんの事例だと、アップル日本法人での成功があまりにも鮮烈なものだったのでしょう。そこでの体験が成功方程式として身体に染み付き、短期的には日本マクドナルドでも成功したけれど、盲点となっていた問題が顕在化した長期では業績を大きく落としてしまったのではないかと思います。

成功体験であっても、その成功の本質を見極めることに失敗すれば、次の失敗の要因になり得るのです。

私たち自身はどうでしょうか? 「成功体験が次の失敗の要因となっている」ことはないでしょうか?

個人的には、日本全体が20世紀後半の成功体験に囚われ、21世紀になり20年が過ぎた今も脱却できていないように感じます。なぜ、こんなにも長く、過去の呪縛から逃れることが出来ていないのでしょうか。

わかりやすい結論を出すことは難しいかもしれません。しかし、組織のマネジメントのあり方にヒントのひとつがあると思っています。

これからの時代、どのようなマネジメントが求められるのか?

その問いに対しての私達なりの回答を、当社のパートナー企業でもあるウィルソン・ラーニング・ワールドワイド社による10年以上の調査結果を基にして「価値創造リーダーシップゲーム」にまとめました。

詳しい情報をご希望の方は、お問い合わせください。

執筆者プロフィール

株式会社プロジェクトデザイン 福井 信英

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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