
【事例】楽しく学ぶ環境こそが研修受講者の主体性を引き出す!ビジネスゲーム体験を起点とした4日間の新入社員研修(日本ハム)

組織名
日本ハム株式会社
事業内容
ハム・ソーセージ、食肉、加工食品、水産品、乳製品の製造・販売
組織規模
単体2,008名 連結25,947名 (2025年3月31日時点)
私たちプロジェクトデザインは、人と組織、社会の変革をビジネスゲームで支援する会社です。お客様の変革課題に向き合い、変革への挑戦をシミュレーションするビジネスゲームを活用した様々なサービスやソリューションをご提供しています。
本稿では、ビジネスゲーム研修の事例として、日本ハム株式会社(以下、日本ハム)の新入社員51名を対象とした4日間の新入社員研修プログラムについての記事をご紹介します。
新入社員研修を担当された日本ハムキャリアコンサルティング株式会社 人財戦略推進部(※)のお二人に、これまでの新入社員研修における課題とその課題解決の方向性、そして、プロジェクトデザインに研修を依頼された決め手と研修効果(受講生の変化)についてお話を伺いました。
※日本ハムのグループ会社である日本ハムキャリアコンサルティングの人財戦略推進部では、グループ各社の教育コンサルティング事業を担っています。
<お話を伺った方>
日本ハムキャリアコンサルティング株式会社 人財戦略推進部 淺野 寛章様
日本ハムキャリアコンサルティング株式会社 人財戦略推進部 鈴木 翔揮様
<インタビュアー>
株式会社プロジェクトデザイン マーケティング部 古野知晴


<企業プロフィール>
日本ハムは、1942年創業の食品メーカーです。ハムやソーセージの製造から始まった事業は、いまでは食肉をはじめ、加工食品、水産物、乳製品、天然系調味料、健康食品など、食に関するあらゆる分野へと拡大。ニッポンハムグループは、たんぱく質の価値を共に創る企業グループとなるべく、常識にとらわれない自由な発想で、生きる力となるたんぱく質の可能性を広げ、たんぱく質摂取の多様な選択肢を創造・提供していくことを目指しています。
新入社員がより多くの学びを持ち帰り、実践に結びつけるための “楽しく実体験を伴う研修プログラム” の2つの要件
―はじめに、貴社の新入社員研修においてどのような課題があったのかについてお聞かせいただけますか。
淺野様:インプットばかりの内容だと新入社員の集中が続かず、研修終了後に学んだことを忘れてしまったり、インプットした内容をアウトプットできずに実践にはなかなか結びつかない問題がありました。
鈴木様:私自身、2年前に新入社員研修を受けた際も座学が多くて記憶に残らず、学んだことが身についていない感覚がありました。そのため、新入社員がより多くの学びを持ち帰り実践に結びつけるには、楽しく実体験を伴う研修を実施して記憶に定着させることが課題になると考えたのです。
―楽しく実体験を伴う研修とは、具体的にはどのような内容をイメージされていたのでしょうか?
鈴木様:楽しく実体験を伴う研修には、2つの要件を設けました。ひとつは、楽しさと厳しさのメリハリがある研修です。
人は誰しも「楽しい」と感じたことは記憶に残るので、研修を楽しい場にすることが大切であると考えました。その上で、楽しいだけの研修になってしまうと新入社員の学生気分が抜けないので、社会人としての意識を育てる意味でも厳しく指導する側面も欲しい。そういった意味でのメリハリです。
淺野様:今年の新入社員の特徴としては「素直さ」がキーワードの1つにあります。ただ、言われたことはきちんと実行できるものの、言われないとできない。学生意識が残っていると言いますか、社会人としての意識が弱い節がある。だからこそ、楽しさと厳しさのメリハリがある研修を求めていました。
鈴木様:もうひとつは、経験型学習の研修であることです。
人が経験から学びを得て成長するプロセスを、4段階のサイクルとして図解した「コルブの経験学習モデル」のように、経験・省察・概念化・試行の4ステップを順に体験することで、深い学びを得られるプログラムが良いと考えました。

淺野様:これまでの新入社員研修では毎日ふり返りの時間を設けて、その日に学んだことを言語化していたのですが、座学学習だけではなく実体験(具体的経験)を伴う学習を行うことで、経験学習のサイクルを回せるのではと考えたのです。
―今回、私たちプロジェクトデザインに新入社員研修をご依頼いただいた決め手や要因を教えていただけますか。
鈴木様:楽しさと厳しさのメリハリがある研修であり、かつ、経験型学習の研修であるという2つの要件を満たしていたことは当然ですが、その上で、一方通行の座学研修とは違い、受講者全員が相互に関わり合いながら全員で没頭し、盛り上がっていくビジネスゲーム体験に大きな魅力を感じました。
やはり、楽しく学ぶ環境こそが研修受講者の主体性を引き出すと感じており、今の時代にも合っていると思います。
淺野様:ビジネスゲーム体験そのものにも魅力があるのは確かですが、ビジネスゲームを体験してから内省し、概念化して実践し、次につなげていく。この経験学習サイクルに沿って研修が綿密に設計されている点が決め手ですね。
新入社員が現場に配属された後の早期活躍にも繋がる学びを得られると期待しています。

4日間の新入社員研修プログラムの中で起きた、受講者の意識・行動の変化
―今回の全4日程の新入社員研修プログラムを通じて、受講者にはどのような変化が見られましたか?

鈴木様:1日目に実施したビジネスゲームの体験を通じて、受講者が「社会人としてこんな力が求められるのか」「自分たちはまだまだ力が足りない」と感じたことで、2日目以降の研修における学習意欲の向上や主体的な行動につながったと思います。
たとえば、講師の話を聞く際の態度に真剣さが表れていたり、ビジネスマナーや社会人マインドなどの学んだ内容を(研修中に)すぐに実践する姿勢や行動が見られました。
淺野様:このような変化は、優れた研修プログラムに加えて、研修講師の方の尽力によるものだと感じています。
今回の研修では、日々の目標設定やふり返りへのフィードバックに留まらず、生活態度に対する指摘まで含めて総合的にアプローチしていただきました。厳しくも優しく、多くの学びを与えてくださり、大変有意義な研修になったと感じています。
研修を受講した新入社員のアンケート内容からも、確かな手ごたえを感じています。
<アンケート内容(抜粋)>
“プロジェクトデザインに来ていただいた3日間がとても印象的です。学生から社会人に切り替えるうえで、基礎的な部分を徹底的にインプットしていただいたことと、普段の研修のなかでそれを少しずつ実践できたことは、とても効果的でした”
“DAY1のビジネスゲーム「The 商社」が最も印象に残っています。このプログラムはゲームがメインで、それをきっかけにビジネスについての基本を知る目的があります。研修に対して座学ばかりですごく堅いイメージしかもっていなかった自分が、その後の研修を楽しみにすることができたきっかけとなりました”
“本当に社会人になったと感じたのは、「MYビジョン」を作った時(ビジョンメイキング)だった。今までは気の合う少数の友達といたが、会社ではそうではない。気心が知れた人、よく分からない人、ちょっと苦手かもみたいな人たちと、全員で一緒に同じ目標達成を目指す。その中で自分がどうあるべきか、どうなっていたいかを考えるのは一つ階段を上がった気がする。まだまだたくさんの階段があるが、自分がイメージしたビジョンにいつか届くように毎日頑張ろうと思った”
“プレゼンテーションやシチュエーションに合わせたマナーを学ぶことができた。また、「MYビジョン」の作成(ビジョンメイキング)によってこのあとの研修への意識が明確になり、研修全体がより良いものへとなっていく実感があった”
※今回の新入社員研修では ①学生から社会人への意識変革を図り、組織の一員として期待される意識と行動を理解する、②目的意識・課題意識を常に持ち、より高い成果にチャレンジできる姿勢を身につけ、自己のキャリア形成へとつなげることを目的に置いた研修プログラムを設計・実施させていただきました。上記のアンケート内容にある「MYビジョン」とは②の目的に関連するプログラムになります。

印象に残った新入社員研修プログラム:より学びが深まる学習環境の土台をつくる、ビジネスゲーム「The 商社」
―ここまでは、全体を通した効果についてお聞きしました。ここからは印象に残っている個別の研修プログラムについてお聞きできればと思います。まずは、ビジネスゲーム「The 商社」はいかがでしたか?
ビジネスゲーム「The 商社」とは

ビジネスゲーム「The 商社」は参加者が1つの会社のメンバーとしてチームを組み、 他チームと交渉を行いながら、事業を立ち上げて自分たちの会社を大きくしていくビジネスゲームです。
初対面もしくは、関係の浅いメンバーが同じ目標に向かって活動することによって、互いの素顔を知り、一体感を醸成します。また、ゲーム体験後のふり返りを通じて、互いの強みを共有し合い、関係の質を高めます。
個人で考える(考動)、チームで取り組む(協動)、一歩前に踏み出す(挑動)も、活動の中で自然と起こり学べるようにデザインされているのが特徴です。
参加者はゲーム体験を通じて、行動力や思考力、チームワークなどのビジネスで求められる力(社会人基礎力)の必要性について経験的に(頭と体で)理解することができ、学習意欲が自然と高まります。
鈴木様:研修の1日目の最初のプログラムとしてビジネスゲーム「The 商社」を実施したことで、新入社員がゲームを通していろんな人とコミュニケーションを取る中で互いの仲が深まり、研修の学びを深める学習環境の土台がつくれたと思っています。
実際に、その後の研修で行うグループワークにおいても、ポジティブな指摘や発言が活性化している様子がうかがえました。
また、新入社員にとって、これから社会人として仕事をしていく上でも商売の縮図として「The 商社」を体験できた利点が非常に大きく、「いまの自分たちにはまだまだ難しい」と、身の程を知るきっかけになったと思います。

<ビジネスゲーム「The 商社」の感想(抜粋)>
“実際のビジネス同様に交渉したり、戦略を考えたりと連携の必要があるゲームであったため、コミュニケーション能力を鍛える機会となった。目的達成には、関係の構築が必要であることを実感し非常に有意義な学びとなった”
“ゲームを楽しみつつ、その後の講義で学ぶ内容がゲーム中の行動で引き起こされた結果とリンクしていたため、より理解が深まった”
“「The 商社」はビジネスをする上で大切な考え方や柔軟性を知ることができた。ほかの新入社員とチームになり、1位を目指して協力することができた。また、協力する中で感じたお互いの強みをギフトとして教えてもらう場面では、なかなか直接聞くことができないようなポジティブな話をすることができた”
“視点の転換、消費者目線からの脱却ができた。ゲームをしながらの学びも、楽しく実体験として自身の至らなかった部分に気付くことができた”
印象に残った新入社員研修プログラム:目的意識・課題意識を持ち、キャリア形成につなげる、「ビジョンメイキング」
―ビジョンメイキングについてはいかがでしたか?
ビジョンメイキングとは

組織のビジョンはあっても、個人のビジョンとなるとはっきりと語れる社員はそう多くはありません。入社1年目にビジョンを言語化することで、主体的に取り組みたいことを常に考え、自律的に行動できる人材へと成長する土台を育みます。
ビジョンメイキングでは、ペアインタビューを通じて個人のビジョンを言語化し、会社のビジョンとのつながりについて考察します。組織のビジョンと個人のビジョンとの接続をすることで、自身がなりたい人財像とアクションを明確にします。
鈴木様:目的意識・課題意識を持ち、キャリア形成につなげるという今回の新入社員研修の2つ目の目的を実現する上で、「ビジョンメイキング」をやっていただいて良かったです。
「ビジョンメイキング」を実施することで、各自の中で「この研修でどうありたいのか」「その先どうありたいのか」「そこに向けてどうチャレンジしていけばいいのか」が明確になったのは大変有意義でした。新入社員研修を終え、新人が配属された後も、各自がブレることなく自分のビジョンに進んでいける、キャリア形成にもつながると感じています。
淺野様:「ビジョンメイキング」では、中長期的な視点で自分自身の目標をふり返り、ありたい姿を描いていくという、本当に良いワークをしていただきました。


中央に「ニッポンハムグループ Vision2030」を書き、周りに個人のビジョンを配置した「ビジョンサークル」
印象に残った新入社員研修プログラム:自社商品を題材に実践的なマーケティングを学ぶ、「マーケティング基礎研修」
―最終日となる4日目には、ビジネスゲーム「The Planner」を活用したマーケティングの基礎研修を行いました。本研修では、貴社のニーズを踏まえながらプログラムをカスタマイズさせていただきました。
ビジネスゲーム「The Planner」とは

「The Planner」は、マーケティングの基本的な考え方をゲーム形式で楽しく学ぶことができます。あえて日常の業務とは異なる「国際スポーツ大会の誘致」をテーマにすることで、マーケティングで用いるフレームの活用法が理解しやすくなります。どのような立場においても役立つ普遍的な知恵であることを実感し、実践の場で知識を吸収するための土台を築きます。
今回は、「The Planner」のゲーム体験後に実際の日本ハムの商品「美ノ国」を題材に用いてマーケティング戦略プレゼンテーションを実施し、フレームワークの活用方法を学びました。
鈴木様:当社のギフト企画室から、「発売20周年を迎える商品『美ノ国(うつくしのくに)』を新入社員研修の中で題材として扱えないか」という要望があり、プロジェクトデザインさんにご相談して、マーケティング基礎研修のプログラムに入れていただいたという経緯ですね。
「The Planner」を体験した上で実際に日本ハムの商品を扱えば今後の業務に生きるイメージがつき、より学びを持ち帰ってもらえると考えました。

淺野様:「The Planner」の体験の中で学んだフレームワークを使って課題設定や落とし込みをするワークに取り組み、アウトプットにしっかりつなげていたので良かったです。
また、研修プログラムのカスタマイズという意味では、社内で経験年数のある社員の課題としても感じていた「ファシリテーション」や「ロジカルシンキング」について、新入社員の段階からしっかりと教えていきたい想いがある中で、今回の新入社員研修プログラムに柔軟に組み込んでいただけたのも非常に助かりました。
今後は、楽しく実体験を伴う研修はそのままに、より学びや成長に直結させることを目指す
―最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか。
鈴木様:今回の楽しく実体験を伴う研修という軸は大切にしつつ、来期はさらに学びの定着に重点を置きたいと考えています。
学びを自分事にする意欲には個人差があり、時間が経てば忘れてしまうのも自然なことです。今の世代は「何のためにこれをやるのか」という意義を重視するため、研修冒頭で、目的の落とし込みをより丁寧に行うことが課題だと感じました。
淺野様:プロジェクトデザインに対しては、新入社員研修全体の設計から、研修実施の中での受講者の行動変容に至るまで深く伴走いただいたことに感謝しています。
今後については、今回好評だったビジネスゲームの体験を、より個人の成長や目標設定に直結するサイクルへと進化させていきたいです。来期はさらに質の高い研修を共に作り上げていきたいと考えていますので、引き続きお力添えをお願いいたします。
―ありがとうございました! こちらこそ、よろしくお願いいたします。
研修内容
組織の属性 総合食品メーカー
研修の目的 新入社員研修
研修受講者 51名
研修実施日 2026年4月6日~8日、5月1日
研修プログラム
<1日目(4月6日)>
・Module1:ビジネスゲーム「The 商社」
・Module2:ビジネスゲーム「The Manner」
<2日目(4月7日)>
・Module3:ビジネススキル ファシリテーション
・Module4:ビジネススキル ロジカルシンキング
<3日目(4月8日)>
・Module5:マナー演習
・Module6:自己理解・相互理解(ビジョンメイキング)
・Module7:ビジネススキル プレゼンテーション
<4日目(5月1日)>
・Module8:マーケティング基礎研修 ビジネスゲーム「The Planner」
・Module9:プレゼンテーション実践 「美ノ国」マーケティング グループ検討・発表
ご案内
<ビジネスゲーム研修 for 新入社員>
ビジネスゲーム研修 for 新入社員は、ビジネスゲームを活用した新入社員研修プログラムのソリューションです。
「社会人のスイッチを入れる」「成長のサイクルを回す」「研修の学びを試す」の3つのSTEPに沿った研修プログラム(14のモジュール)を通じて、新入社員の早期活躍を支える土台をつくります。また、日々研修日報を記入することによって、自ら学び続ける習慣の定着を図ります。

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