かなり面倒な採用選考での「質問禁止事項」

実際にESの質問事項を作られた方や、面接官を担当された方ならご存知でしょうが、
採用選考には、かなり面倒くさい「聞いてはいけない質問事項」があります。
「公正な採用選考を行うため」として、厚生労働省から規定が設けられています。
 
もちろん、出身や家族に関することなどの本人に責任の無い事柄や
就職とは関係がなく自由が保証されている事項で、
採用選考上の不利益が生まれてはいけません。
そのためそれらに関して質問することが禁止されることは道理と言えます。
 
ですが、そのために設定された「禁止されている具体的な質問事項」がかなり厄介なのです。
下記に一例を上げます。
・人生観や、生活信条
・尊敬すつ人物
・購読している新聞
・愛読書
 
参考:厚生労働省、公正な採用選考の基本
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.html
 
これらは聞いてはいけないと知識としては知っていても、
会話が盛り上がるとつい聞きたくなってしまうような内容ですし、
志望者に自社に馴染むかどうかを知る上でも非常に聞いてみたい内容です。
 
“you can know a man by the books he keeps in his library”
「本棚を見れば、その人の頭の中が分かる」
というアメリカの格言もあるほどです。
 
こうした厳しい規定を受けて、それでもなお志望者の性格や個性を知り、
自社に来てもらいたい人材かどうかを見極めるにはどうしたら良いでしょうか?

「質問」がダメなら「行動から見極める」

ESや面接だけが採用選考の手段ではありません。
また「質問」するのが禁止されているだけであり、
志望者の自発的な発言や行動から面接官が評価を下すことは可能です。
そのために、3つの採用選考の手段をご紹介します。

1)グループディスカッション

もはや採用選考の古典と言ってさえ差し支えない、グループディスカッション。
この間に志望者が発言した内容を記録することは可能ですので、
企業側から「思想や信条に関わることを述べさせる」ことが無ければ、
問題なくその人の考え方や言動のパターンを知ることができます。
 
しかし多くの人事部の方が感じていらっしゃるように、
グループディスカッションだけで人物像を見抜くというのは難しいことです。
会議の運営能力や発言の積極性などを見るだけならばともかく、
それ以外の「個人としてどのような長所を持っているか」までは割り出しにくいのではないでしょうか。
 
発言の機会とヒアリングの機会が多いので、営業職の人材を見極めるには適していますが、
研究職や技術職などの特定手順を堅守したり試行錯誤を繰り返したりする業務に配属したい人材を見つけるには不向きです。

2)実作業を伴うグループワーク

言葉を交わすに留まらず、実際に物体を動かすグループワークは、
集団行動での性質を見る上で有効に働きます。
LEGOブロック、マシュマロ・チャレンジなどが該当します。
企業側からはゲームルールを説明するだけなので、
「禁止とされている質問」が出てくることもなく安心です。
 
グループ・ディスカッションとは異なり実体のあるものを動かせるため、
口下手でも発想力のある人は実際に考えていることをLEGOブロックで組み上げて周囲に見せることができます。
一方で最終的な回答は1つに絞り込む必要があるため、
チームで動くために必要な協調性やリーダーシップも発揮する機会があります。
そのためグループ・ディスカッションよりもより多様な人材に対応できる選考方法と言えます。
 
限られた時間で試行錯誤と討議を経て、自分たちなりの最適解を見つけ出す。
ビジネスシーンでも多々見受けられる場面の再現として見れば、採用選考で欲しい人材の輝きを見つけれるでしょう。
また、チーム間での競争でもあるので、志望者にチャレンジングな楽しみを提供できます。

3)ビジネスゲーム

実際のビジネスを再現した、経営シミュレーションゲームです。
上記のグループワークの発展形になります。長所はそのままに、さらなるメリットを生んでいます。
グループワークが特定の課題をクリアするものであるのに対して、
ビジネスゲームではまさしくビジネス、
ヒト・モノ・カネを運用して企業の成長を目指すことが目標になります。
 
ビジネスゲームは世に数多くの種類が販売されており、
グループワークよりも自社の業務内容に近いテーマを選ぶことができるので、
さらに志望者の個性や性格が分かりやすく
「自社に入社した場合に、どう活躍してくれるのか」を想像しやすくなります。
ビジネスゲームの制作会社に依頼すれば、自社の業務そのものをモデルにしたゲームの制作も可能です。
ただし、既成のビジネスゲームを使う場合は先述のグループワークと大差ない金額ですが、
制作を依頼する場合は費用が数百万円に登り、制作期間も半年ほど掛かってしまうため、注意が必要です。
 
グループワークよりもゲーム性を高めながら、ビジネスとしての性質を強めているため、
志望者がビジネスマンとして学ぶところも多く、参加後の歩留まり率も高くなります。

オススメのビジネスゲーム

The 商社
お互いが持っている経営資源を交換する交渉を中心にゲームが進むため、
営業職の現場感を味わいやすいゲームです。
また他のビジネスゲームに比べ、役割分担や長期戦略など、
チームで能率的に動くことができるほど高い成績を残せます。
ルールが普遍的で簡易なものであるため、あらゆる業界でオススメできます。



The Shop
美容院の店長として、2年間8ターンの経営を行います。
広告の出向や店員の教育など、経営施策を行うことで他チームと売上を競います。
美容院や小売業界など、実店舗で働く機会が多い企業さまで活用されています。



The Engineers
恐らく世界でも類を見ない、科学の専門用語がズラリと並んだビジネスゲームです。
真面目に勉強を重ねてきた理系学生にとっては他のゲームよりも馴染み深く、
また論理的思考が鍛えられている人ほど高い成績を残すことができます。
メーカーや技術系商社、情報系の企業、研究職などの選考に高い人気があります。