ITで顧客の業務支援を行う、システムエンジニアの醍醐味を伝える

今回のビジネスゲームでロールプレイするのは、システムエンジニアです。
システムエンジニアの仕事は、自分たちのクライアントが
もっと快適に、もっと効率的に仕事がこなせるように
システムを設計し、運営していくことです。
 

そのためシステムエンジニアにもっとも求められる資質は
システムを使用する現場の人に寄り添い、その生の声を聞き取ること
です。
システムやテクノロジーの構築を目的とせず、手段として捉え、
クライアントのビジネスを加速させるのがシステムエンジニアの醍醐味なのです。
 

ゲームタイトルは「支える者」という意味を持つ、「Atlas」としました。
 

基本ルールは「カードを組み合わせてソリューション提案」

「クライアントの声を聞き、適切なシステムを論理的に考案する」というシステムエンジニアの仕事を、ビジネスゲームで再現しました。
ポイントとなるのは

1)顧客からのヒアリング力、情報収集力
2)論理的思考力
3)周囲との協調性

です。
 
このビジネスゲーム、「Atlas」のルールは次のようになっています。
1)「モジュールカード」で自分たちが構築できるシステムの概要を把握する。
2)「情報カード」でクライアントの業務内容や商品ニーズを知る。
3)集めた情報を元に「モジュールカード」を2~3枚、組み合わせて提出する。
4)正しい組み合わせならば、「事業推進カード」が出来上がり、報酬として資金や、新しい「モジュールカード」が得られる。
5)間違った組み合わせでも新しい「ニーズカード」が得られる。

まずは「モジュールカード」で自分たちのできることを、
「情報カード」からクライアントの求めていることを知ります。
この情報収集をしっかりと行っておくことがゲームの第一歩にしてキモになります。
なぜなら、「モジュールカード」の組み合わせが800種類以上あるのに、
正解の「事業推進カード」は52種類しかなく、正解率は6%ほどしかないためです。
実際のビジネスでも、的外れな提案をすれば失注してしまうように、
ビジネスゲーム「Atlas」でもしっかりとクライアントのことを考えた提案をする必要があるのです。
こうして集めた情報は断片的なものであり、
論理的に情報を再構築することで正解の組み合わせが見えてきます。
また他チームは自分たちの持っていない情報を持っているため、
お互いが競争相手であるとともにパートナーであるという認識を持ち、
協調性を発揮して適切に情報を集めていかねばなりません。
 

このシステムは、パッケージ商品として売り出しているビジネスゲーム「The Engineers」とも共通しています。

ゴールカードで「自分たちの重点目標」を意識してもらう

プロジェクトデザインでは、ビジネスゲームを作る度に心掛けているポリシーがあります。
「新しいビジネスゲームを作るときは、必ず新しい要素を一つ入れる」
ビジネスゲーム制作技能が陳腐化しないようにするための対策でもありますが、
それ以上に「クライアントごとに企業理念や業務形態が異なるので、
文言だけ変えたビジネスゲームではクライアントニーズに応えきれない」
という事情があります。
採用に使われることも多い弊社のビジネスゲームは、
ともすれば多くの新卒人材の人生に大きな影響を与えます。
きちんとした納品を行うことが、クライアントと社会に対して誠実な社会的責任であると考えています。
 

今回は「クライアントニーズマップとゴールカード」という新システムを追加しました。
通常のビジネスゲームでは売上金のみを競います。
ですがシステムエンジニアの仕事の本質はクライアントの課題を解決することであり、
これをゲームで再現する必要がありました。
 
そこで、売上金は飽くまで達成すべき目標の一つとし、
売上の他にもゴールのために必要な条件を加えました。
それが「クライアントニーズマップ」です。
提案を成功させ「事業推進カード」を得ると、ニーズを解決したクライアントの該当部門(人事部や製造部など)の課題が解決され、得点が入ります。
この得点を積み重ね、部門の課題を完全にクリアできればゴールになるのです。
チームごとに解決すべき部門は異なります。
それをゴールカードにまとめ、目標の部門をクリアした数が多いチームが優勝としました。
これでシステムエンジニアらしいクライアントに寄り添った課題解決が再現できたと考えています。
 


テストで明らかになった「製作者、書き手の傲慢」

いよいよ自社内でのテストプレイです。
自分が作ったゲームを楽しんでプレイしてもらい、学びと感銘を与えた時にこそビジネスゲームゲームの製作者として最も嬉しい瞬間です!
 

ですが、今回のテストプレイでは大きな問題が発生してしまいました。
 

想定していたより、「情報カード」から情報を読み取ってもらえないのです。
ビジネスゲームに慣れている弊社のメンバーでさえ読み取れないとなれば、学生のインターンや選考ではまったく使い物にならないでしょう。
「このレベルにぼやかした文章なら、読み取ってくれるだろう」という書き手の傲慢が出てしまったのです。
ビジネスゲームの製作者としては、テストプレイ中は針のむしろに座るような、恥ずかしさと無力感からくる屈辱感でいっぱいでした。
 

しかしながら、ゲームシステム自体は好評でした。
「ゴールカードに合わせた、自分たちのチームに最適な行動を取る」というギミックは上手く機能しました。
参加者同士の行動に差別化をもたらし、個性がプレイに現れていました。

改善への期待。企画力と思考力、協調性のバランスを取る。

今後の課題は、情報カードの文章を読み取りやすいものにすることです。
今回は「モジュールカード」の正解となる組み合わせを見つける難易度が高すぎて、
読解力があまりにも重要視されたゲームバランスになってしまいました。
ビジネスゲームの読解力は、実務のコミュニケーション能力や企画力になります。
もっと集めた情報を整理する論理的思考力や、
参加者同士の交流から新しい価値を生み出せる協調性に優れた人材が
全体に貢献できるようにバランス調整が必要です。
 

テストプレイでは、「ゲームバランスは難易度が高過ぎる」という声がある一方で、
「ゲームシステムが作り込まれていて完成度が高い」という声もありました。
情報カードを読み取りやすくし、素晴らしいビジネスゲームに仕上げてみせます!


ライター:【一等兵】竹島雄弥
富山県立富山中部高等学校卒業
東京大学農学部環境資源科学過程生物・環境工学専修卒業
大学卒業後、ふるさと富山に帰郷。プロジェクトデザインに新卒で入社。主に研修コンテンツのロジック開発および、研修用に使用するエクセルの計算表やマクロを構築している。またWebマーケティングも担当しており、サイトの管理運営、テキストの製作を行う。
大学時代には地球環境問題を積極的に学び、その中で学んだ「俯瞰的視点」「論理的思考」「系をモデル化する思考方法」「情報技術」などを活かして活躍している。
事務所内でのもっとも重要な仕事はおいしい紅茶を淹れることである。
 
Q:【一等兵】って?
A:ゲームこそ人生。社内ゲーム研修で決定された社内ランクです。
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