【事例インタビュー】スタートアップ領域にアプローチするためのマーケティングツールとして、そして、自社の1つの事業として活用されているSaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」(リブ・コンサルティング)​

組織名

株式会社リブ・コンサルティング

業界業種

経営コンサルティング

事業内容

総合経営コンサルティング業務、DXコンサルティング業務

組織規模

350名(2025年10月)

私たちプロジェクトデザインは、人と組織、社会の変革をビジネスゲームで支援する会社です。お客様の変革課題に向き合い、変革への挑戦をシミュレーションするビジネスゲームを活用した様々なサービスやソリューションをご提供しています。

本稿では、「マーケティング・ブランディング」の変革支援の事例として、株式会社リブ・コンサルティング(以下、リブ・コンサルティング)の SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」の制作背景や活用実績に関する内容をご紹介します。

T2D3とは、売上額が、前年を基準に毎年3倍・3倍・2倍・2倍・2倍と上昇し「5年で72倍」に成長することを指す言葉です。スタートアップ企業の成長スピードのひとつの基準になります。

今回制作した SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」では、スタートアップ企業の経営を体験することができます。ARR(年間経常収益)100億を目指して資金調達・市場選択・施策選択を行う中で、経営者が直面する様々な課題を疑似体験できる内容となっています。

リブ・コンサルティングでは、このゲームをコンサルティング会社を使うことが一般的でないスタートアップ領域にアプローチするためのマーケティングツールとして活用し、さらには自社の1つの事業(研修サービス)としての活用も進めています。その結果、同社の SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」を活用したサービスを取り扱うスタートアップ向けの部門は業績目標を大きく上回る目覚ましい成長を実現し、2期連続で社長賞を受賞しています。

なぜ、ここまでの実績が生まれたのか? その背景にあるゲーム開発者の想いとスタートアップ経営のリアリティを再現することへのこだわり、そして、ゲームの体験価値がもたらした反響についてお届けします。

<お話を伺った方>
株式会社リブ・コンサルティング パートナー、ベンチャー事業部責任者、SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」開発責任者 大島周 様

<インタビュアー>
株式会社プロジェクトデザイン 代表取締役 福井信英

大島様(左)、福井(右)

企業プロフィール

株式会社リブ・コンサルティングは、2012年に創業したコンサルティング会社です。「100年後の世界を良くする会社を増やす」という理念のもと、自社もその理念を体現すべく、顧客企業と共に進化を続けています。非IT領域を中心に、大企業・中堅企業・スタートアップの3つのドメインにわたり、戦略・組織・オペレーションの全領域をカバーする総合コンサルティングを展開。企業の永続的な成長と発展を支えるため「5つの成果(業績、顧客感動満足、社員感動満足、人財育成、よりよい仕組み)」の実現を支援しています。

成長を続けるリブ・コンサルティングが「合理的ではない・無理だ」と言われ続けてきたスタートアップ市場の開拓にチャレンジする理由​

―リブ・コンサルティング様は2012年創業と、コンサルティング会社として後発であるにも関わらず、特定の領域で年率120~130%と急成長されています。その秘訣は何でしょうか?

大島様:当社は今期14期目で、非IT領域のコンサルティングを提供する会社の中では、この20年以内で最も成長している会社の1つだと思っております。

成長の原動力となったのは、当社がキーワードに掲げる「リアリティ×エグゼキューション(実行支援・伴走支援)」です。机上の空論や理想論に終わらず、最適な現実解を見つけ、クライアントが次に進む手助けを行っています。一緒に成果を出すまで伴走し、やり切るコンサルティングを強みとして拡大してきました。

当然、コンサルティング会社として俯瞰的に見る部分はあるものの、現場に入り込み、よりリアルな実情(リアリティ)を知った上でコンサルティングを行うことを大切にしています。それが他のファームにはないリブ・コンサルティングの大きな強みであるとお客様からご評価をいただいています。

―素晴らしいですね。貴社では、大企業はもちろんのこと、中堅・中小企業の支援もされていると伺っています。その上で気になるのは、コンサルティングが最も困難と言われるスタートアップ市場の開拓についてです。スタートアップ向け部門の責任者である大島様は新しい領域を1から開拓し、マネージャーからパートナーへと昇格していかれましたね。どのようなチャレンジをされているのかお聞かせいただけますか?

大島様:スタートアップ向けの部門が立ち上がって7年程経ちます。ふり返ってみると最初の5年程は結構大変で、苦しみながらやってきたというのが本音です。

スタートアップはコンサルティングの難度が高い一方で、金銭的なリターンがあまり得られないことから、合理的ではない・無理だと言われ続けてきた領域です。

ですが、「100年後の世界を良くする会社を増やす」という当社のフィロソフィー(企業理念)に基づくと、スタートアップ支援の取り組みは、新たな世界を良くする会社を増やすことそのものであり、取り組むこと自体に意義があります。だからこそ、今は苦しくとも、今後の会社の発展にも繋がると信じて愚直に取り組み続けてきました。

―フィロソフィーを大切にされた結果、他社が困難で取り組まない領域に挑戦されたわけですね。最初の大変だった5年間に様々なノウハウを蓄積されたのでしょうか。

大島様:そうですね。最初はある程度、量でカバーしないと質には転換されません。とにかく誰よりもクライアントであるスタートアップ企業にコミットして実行する中で、やがてスタートアップ領域のコンサルティングの知見や経験が増えていき、気付けば圧倒的に短時間でコンサルティングを進められるようになっていました。

そして、当社を使うと「事業がショートカットできる(最短ルートで進められる)」「より成功確度が高まる」などの評判が少しずつ広まっていきました。この数年、相談いただく機会が増えてきた実感があります。

しかし、私たちの取り組みの成果や実績を広めるには、まだハードルがあったのも事実です。

リブ・コンサルティング社ではフィロソフィーやマインドなど、自分たちの在り方を非常に大切にされた事業活動を行っています(写真は、社内に掲示されている「リブ・マインド」)

“スタートアップ企業からの信頼獲得” という難題を解決するビジネスゲーム

―貴社の取り組みの成果や実績を広める上でのハードルとは、どのようなものでしょうか?

大島様:スタートアップ企業は、コンサルティング会社に対しての好き嫌いがあると思っています。私たちが自信をもってコンサルティングの提案をしても、先方としては自分たちでやる意識が強く、受け入れてもらいづらい印象がありました。また、私たちコンサルティング会社がスタートアップのコミュニティシステムの中に入るのは、少し距離がある感覚を持っていました。

―リブ・コンサルティング様のようなコンサルティング会社の活動に対してスタートアップ企業からは潜在的な拒否感があったのですね。そういった課題を解決するためにビジネスゲームを制作しようと思われたのでしょうか。

大島様:はい。コンサルティング会社を使うことが一般的でないスタートアップ領域に対して、どのようにアプローチしていくのか。そのマーケティング手法を模索する中でビジネスゲームという選択肢に辿り着きました。

ビジネスゲームを選んだ理由はもう1つあります。それは、クライアントの経営をショートカットする学習ツールをつくりたいと常々考えていたことです。

クライアントが成果を出すまで伴走し、やり切るコンサルティングが強みの当社では、事業グロースと呼ばれる形でお客様の事業を伸ばすことに向き合い続けてきました。事業を成長させるには法則性があり、私たちはその法則を毎回同じようにクライアントに伝えていたのです。ですが、もっと効率的に伝える方法があるはずだという想いがある中、ビジネスゲームであればゲーム内の経営者体験を通じて事業を成長させる法則を学習できると思い至りました。

―変化の激しい経営環境に置かれているスタートアップ企業のクライアントが、自社の経営をショートカットできるように「事業を成長させる法則」の効率的な伝え方を追求し続ける姿に、大島様の使命感が伝わってきました。

大島様:ありがとうございます。ちなみに、ゲームのテーマをSaaSにしたのはスタートアップの事業としてSaaSは一般的であり、また、ロジカルに説明しやすい領域なのでゲームとしても表現しやすいと考えていたからですね。

プロジェクトデザインさんには 2020年に学生向け・新卒のインターン用のオリジナルゲームをつくっていただき、それが非常に好評でした。ゲームによる学習体験が参加者に与えるインパクトの大きさと言いますか、ゲームにすることによって「普通に研修で伝えるのとは全く異なる体験」を提供できることは我々の成功体験としてあったのです。

それでプロジェクトデザインさんに相談してみようと、お声がけをさせていただいた次第です。

―ありがとうございます。

ゲームを軸に生まれる様々なお客様との接点と、お客様同士の共創

―2024年1月にご相談をいただいてからすぐに制作を開始し、7月にローンチ(開始・公開)したSaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」(以下、「T2D3」)。このゲーム名に込めた想いをお聞かせいただけますか。

大島様:T2D3とは、スタートアップ企業の成長スピードの1つの基準で、売上額が、前年を基準に毎年3倍・3倍・2倍・2倍・2倍と上昇し、「5年で72倍」に成長することを言います。T2D3の実現はとても難しいのですが、高い成長スピードを実現する上では、ある程度の型や外してはならないポイントが存在します。そういった知見を多くの方に吸収・体験いただきたいという想いを込めています。

―T2D3を達成すれば、爆速の成長を繰り返してスピード感をもって上場まで達することができますね。ゲーム(SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」)の反響はいかがでしょうか?

大島様:おかげ様で、「T2D3」を活用したサービスを取り扱う社内のスタートアップ向けの部門は2024年下期と2025年上期の2期連続で社長賞を獲得しました。全社の中で最も成長率が高く好業績となったことで「T2D3」の取り組みを含めて評価をいただいたのです。現在(2025年10月時点)も非常に好調で、当社の業績目標を大きく上回る形で成果を上げることができています。それが一番分かりやすい変化ですね。

―業績に好影響を与えたとのこと、素晴らしいですね。お客様となるスタートアップ企業の方々からの評判はいかがでしょうか?

大島様:かなり多くのスタートアップの方から好評いただいています。

1つは「こんなゲームがつくれるのか」ということに対しての驚き。それは当社の力だけではありませんが、結果的には当社がSaaS経営の知見をもっていることをアピールできる場にもなりました。

もう1つはすごく感覚的な話になるのですが、スタートアップのエコシステムの中に入ることができた点です。自分たちはコンサルティング会社だけれども、この「T2D3」のように事業・商品をつくり、スタートアップと同様の取り組みをやっていることで、みなさんとの距離が縮まったことを一番大きく感じています。

総じて、会社のブランディングにかなり大きく寄与した点が最も効果を感じているポイントですね。

―なるほどです。「T2D3」というゲームが、スタートアップ企業とのコミュニケーションの触媒となった感じでしょうか?

大島様:そうですね。ゲームの影響はかなり大きかったですし、よりビジネス的な観点で見てみると、リードを獲得していろんな会社と接点を持っていく際に「T2D3」が大きく貢献しました。

いきなりコンサルベースで接点を持つのは難しいのですが、私たちが主催する「T2D3」の体験会や、さまざまな会社との共催による「T2D3」イベントなど、この「T2D3」をハブ(集約点)とすることによって、多くのスタートアップ企業の方々と接点を持つことができました。

具体的には、「T2D3」の体験会を開催すると、毎回コンスタントにスタートアップ経営者が20~30人程参加されていました。特にSNSや広告を回すことなく集客できる状況でしたので、マーケティングのコンテンツとしても非常に大きく寄与することになったと感じています。それにお客様同士の共創も生まれています。

また、「T2D3」はお客様との最初の接点をつくるためのマーケティングツールとしてだけではなく、自社サービスとしても展開しています。コンサルティングの現場に入った後や入る前に、研修の形で「T2D3」を実施するサービスです。

私個人としては、「T2D3」を活用した自社サービスを企画するところから、実際につくり、広げていく一連のプロセスを自分の中で考えて実行できたことは、かなり大きな経験だったと思っています。

これまではコンサルティングというクライアントワークをしてきたわけですが、「T2D3」を1つの事業として捉えながら、研修としての販売やマーケティングツールとして使用する中で、どう事業展開していくかを考えて実行するため、頭の使い方が少し異なると感じています。

―クライアントに向き合うコンサルタントの視点に、この「T2D3」も1つの事業にしながら広げていく “事業家の視点” が加わったみたいな感じですね。

大島様:その通りですね。

「T2D3」の体験を通じて、お客様に感じていただきたかったポイントとは

―ここからは、SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」の内容について話をお聞きしたいと思います。はじめに、大島様が実感されているゲームの価値はいかがでしょうか?

大島様:やっぱり、体験による価値がすごく大きいことを感じています。

「知っていることと分かること、できることは全然違うよね」とよく言いますが、インプットによる学習と実体験には大きな乖離があると思っています。例えば、本を読むと分かった気になるものですが、実際に本に書かれていたことを自分がやろうとすると上手くできないものです。

ゲームは2〜3時間の短い体験ではあるものの、自分で意思決定した結果が反映されていくことで、単にインプットするものとは全く違う学習体験ができます。腹落ち感がかなり大きいので忘れないと言いますか、自分で1回やったこと、失敗に対応した・上手くいったという経験になるので、学習の定着率が全く異なるのが大きなポイントだと思います。

―お客様からはどのような声が聞かれましたか?

大島様:「何となく頭では分かったつもりになっていたが、実際にやってみると全然上手くいかなくて。なるほど、そういうことなのかと理解した。事業と組織のバランスが大切だと分かった」という声が多いですね。経営には事業と組織のバランスが大切だということを本当の意味で理解している方は少ないと思います。それが、ゲームを通して腹落ちできたのだと思います。

短期・中期・長期の視点に関する感想もよく目にします。「長期視点で逆算して考えよう」とみんなが口を揃えて言うわけですが、それを実際やってみることの難しさや、そのバランスを理解できている人も非常に限定的です。

「目先のことだけを考えていると、最終的にこんな失敗をしてしまうんだと今すごく分かった。自分の事業に反映させた時に、ちゃんと中長期のことを考えなければならない。このまま行くとゲームと同じ結果になってしまうと学んだ」という声もあり、この辺りはまさに「T2D3」の体験で感じていただきたいポイントでした。

―「T2D3」ではスタートアップ特有の短期間(10年未満)の設定で取り組む中で、ハードシングス(正解のない困難な局面、大きなリスクが伴う選択)と言われるトラブルや成長痛が必ず起こるようになっています。お客様がゲーム中にハードシングスに直面した際にどのような反応・対応をされますか?

大島様:みなさん、「うわっ」と驚かれますが、そこでの対応は人によりますね。歴戦の猛者や経験を積んでいる経営者はうろたえることなく「そういうものだよね」と適切に対応を進めていきますね。一方、経験が少ない人はハードシングスが起きた時に意識がそっちに移ってしまいます。最初は3か年計画で進めているんですけど、そういうトラブルが起きた時に計画を完全に忘れてしまい、目の前の問題の対応に夢中になる様子が見られます。

―実際に、スタートアップの現場においてもトラブルによって空中分解が起きることは起こり得ると思います。経験のある人から見たら大した問題じゃなくても、初めてその状況に出合う人にとっては心揺さぶられるような出来事もありますよね。

大島様:確かにあります。ただ、1回経験したことであれば次は落ち着いて対応ができると思います。それが現実世界でなく、ゲームで経験できるのが大きなポイントですね。

経営者からすると、ある程度「そういうものだよね」という感覚でも、現場や管理職クラスからすると結構大きなインパクトになっていることもやっぱりあります。管理職の方のコメントで「経営陣は常にこんなに大変な課題と向き合っているのだと思い知らされた」と言われたことが印象的でした。

スタートアップなどのお客様の会社や部門の中では幾つものハードシングスが起きている・これから起きることになるわけですから、「これぐらいのハードシングスでうろたえては全然ダメなんだな」という学びとして上がってきていることも、狙いを達成できたポイントだったと思います。

「T2D3」の制作プロセスの中で、不安に感じていた点や難しかった点

―次にお聞きしたいことは、「T2D3」の制作プロセスについてです。ゲームの制作を進める中で不安に感じていた点や難しかった点はありましたか?

大島様:当社の権田(常務取締役)は 2020年にプロジェクトデザインさんとゲーム制作の経験があったので、ビジネスゲームがどういうものなのかを理解していたわけですが、私は初めてで全く分からない状態でした。

これが本当に形になるのか? どれぐらいの情報をインプットさせてもらえればアウトプットとしてゲームになるのか? それまでSaaSにそこまで触れてこれなかった・SaaSを経験されていない方々に対してゲームで学びを届けるなんてことが本当にできるのだろうか? リアリティが生まれるのか?

この辺りは常に分からなかったところで、不安がありました。それに私の性格的なところで、「つくるのであれば、ちゃんとしたものじゃないと」と思っていたんです。ただ、ゲームが形になっていくにつれて、不安はなくなっていきましたし、完成したゲームをプレイしてみて、めちゃくちゃリアルなラインに着地していると感じました。

「この施策を打てばこういう効果がある」「100億円の達成がこれぐらい難しいものである」など、自分たちが伝えたいことがゲームに反映されていたのはもちろん、こちらからはプロジェクトデザインさんにそこまで伝えていないことも「きっとこういうことなんだろう」と適切に反映されてゲームが出来上がっていたことに1番感銘を受け、率直に「すごいな」と思いました。

実際に自分がやってみた時の楽しさとか、まず社内でトライアルをした時のみんなの盛り上がり具合から、「これは凄いものができたのだな」と感じました。

―ありがとうございます。ゲーム制作にはロジック(構造)を精緻につくり、必要最小限に削ぎ落とすプロセスが重要ですが、大島様や権田様から的確な情報やフィードバックをいただけたため、つくりやすかったです。ちなみに、ゲームの完成度向上のために工夫された点を1つ挙げるとすればそれはどこでしょうか?

大島様:リアリティです。どこまでこだわっていくのかというポイントはありました。

何となく「やって楽しかった」ということであれば、テストプレイの段階でもクリアしていましたが、SaaSの経営者の方々に提供し、本当に学びとして持ち帰ってもらうことを考えると、この負荷だとまだツッコミがたくさん入るだろうと感じていました。

SaaSの方々に通じるかどうかは、私たちとしてもすごく試されている感覚がありました。

社内的には「T2D3」がリアリティのあるゲームとして盛り上がることは当然予想していたわけですが、1番大きかったのは7月に初めて対外向けのイベントで実施した時です。すごく楽しかったですし、アンケートの結果がとても良くて「これはいけるかもしれない」と改めて思いました。

それが「これはいける!」という確信に変わったのは、SmartHRの経営陣の方々がチームで参加いただき、30〜40人で「T2D3」を実施した回です。最後のゲーム結果が100億を超えて 110億を達成されたことで、「日本で最も詳しいSaaS企業のみなさんがやればちゃんと成果につながる」「ただ楽しいだけのゲームじゃなくてリアリティのあるものがつくれた」と実感し、初めて安堵しました。

―「T2D3」は100億を目指すゲームですが、それまでテストプレイ時も含めて誰1人100億を達成していませんでしたからね。ちなみに、今、合計何チームがプレイされていて、その内、何チームが100億を達成しましたか?

大島様:プレイしたチーム数は400~500だと思います。100億を達成したのは20チームもないので、達成率は2%程度ですね。極めて難しいです。

ゲーム体験の様子

SmartHRの経営陣チームも参加。見事、総合優勝を勝ち取られました(写真右下)。その時の様子はこちらの記事からご覧いただけます。

「T2D3」のリアリティある体験を通して大企業がスタートアップの感覚を学ぶ時代

―「T2D3」はスタートアップを対象に制作したゲームではありますが、最近は日本を代表する大企業からもご依頼を受けて「T2D3」の研修やコンサルティングを実施されているとお聞きしました。良い意味での予期せぬオーダーだと思うんですけども、どういった願いや思いで、このゲームをやりたいという声が来るんでしょうか。

大島様:おっしゃる通り、元々はスタートアップ向けにつくっていたものですし、いいものができればみなさん喜んでくれるだろうと思っていたわけですが、スタートアップの盛り上がりを見て大企業の方からお問い合わせをいただくことがどんどん増えてきました。

大企業側のニーズは、事業開発の必要性が大きいですね。これまで出来上がった事業に取り組んできたメンバーがいきなり新規事業の方に配属されたとしても、やっぱり勝手が分からないと思います。

そこで行われるのが、まさにインプットの学習です。みなさん優秀かつ真面目な方なので、たくさん本を読まれるなどインプットされるわけですが、どこまでインプットしたとしても事業開発の勘所や事業をつくっていく感覚は経験しないと身につかないことが、大企業さんの大きな悩みとなっていました。

それで、「T2D3」の体験会に来ていただいて、部長クラスの方など割と階層の高い方が体験された時に、彼らは事業開発の経験もあるので「まさにこういうことだ」とすごく共感をいただいたんです。「T2D3」を通じて社内の各メンバーが事業開発の理解をして進めていく。ゲーム中のスピード感も速いため、「こういうスピードで物事を考えて進めていく必要があると学び、前に進む経験になる」と、導入いただいたのが最初でした。

―嬉しい声ですね。さらに他の大企業の方々も体験されたのですね。

大島様:はい。他にも様々な大手企業から問い合わせをいただいています。

国内大手のICT企業様では、まず新規事業を行う部門のみなさんに体験していただき、すごく盛り上がって6~7回、同じ部門の中で実施しました。そこから他の部門に普及させたり、上の階層の方々にもやっていただいたりと、広がりを見せています。

他にも、国内有数の大手電機メーカー様やCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)で投資をする・される方々が、スタートアップをより理解する観点において役立っています。

大企業側からは、スタートアップ側に感情移入し切れない部分や分からない点、スピード感などのズレがある中、この「T2D3」を体験することで、そのズレの解消に繋がっていくと、導入をいただいています。本当に日本を代表する大企業のみなさんから、順に弊社のコンサルティングサービスに興味を持って体験いただく状況が生まれています。

今後も「T2D3」を通して、より多くのお客様に価値を届けていきたいと思います。

―日本全体・世界全体が良い方向へ進むことは「T2D3」のゴールでもありますね。私たちにとっても、リブ・コンサルティング様と一緒にプロダクトをつくれたことで、とても良い機会をいただきました。ありがとうございました!

ビジネスゲーム「T2D3」とは

SaaS経営シミュレーションゲーム「T2D3」は、スタートアップ企業の経営を体験するゲームです。チームに分かれてARR5千万程度でゲームをスタートし、8期でARR100億円の達成を目指します。

・どのタイミングでいくら調達するかなど、資本政策の設定
・どんな経営上の施策を行うかの検討(採用、マーケセールス、プロダクト開発 etc…)

これらを行いながら利益の最大化を目指していきますが、途中、数字だけに気を取られていると様々なトラブルが発生します。

・社員の大量離職
・株主対応の忙殺による施策減少
・CxOメンバーの離反

また、外部環境の変化として、困難な出来事が起こります。

・外資ビッグテックの参入
・資金調達環境の悪化

このように、リアルさながらの難しい局面を乗り越えながら、スタートアップを成功へ導くゲームとなっています。

ご案内

私たちプロジェクトデザインでは、ブランディング活動(営業・マーケティング活動を含む)に活用可能なビジネスゲームを制作するソリューション「ビジネスゲーム制作 for ブランディング」をご提供しています。

ビジネスゲームは営業・マーケティングツールとして、通常のアプローチでは営業や集客が難しい場面において、ゲームという手軽さ(敷居の低さ)を武器に、顧客との接点づくりを担い、自社商品・サービスの魅力を伝える土台を築きます。

また、制作したオリジナルビジネスゲームは、貴社の自社商品としてそのまま活用いただけます(ご要望によっては貴社のオリジナルビジネスゲームの展開支援も承っております)。

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