SDGs12「つくる責任つかう責任」の企業の取り組み事例・私たちにできること
- 最終更新日:2024-04-22
- SDGs12「つくる責任つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する(Ensure sustainable consumption and production patterns)
本稿では、このSDGs12の理解を深め、実際に企業が取り組みを進めている事例を知り、私たちにできることを考えていきます。
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals|持続可能な開発目標)とは2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。
誰一人取り残さない(leave no one behind)のスローガンのもとに、193か国の国連加盟国が2016年~2030年の15年間でSDGsの17の目標と169のターゲットの達成を目指しています。
SDGsのことについて、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
SDGsが必要とされる背景と歴史、SDGsの原則。そして、人(私たち一人ひとりの個人)と組織(企業や自治体)がSDGsを自分事として捉えるきっかけとなるような情報をお届けします。
SDGs12「つくる責任つかう責任」とは?
人間の活動が地球環境にどの程度の負荷をかけているのか?
そのことを知る上で、エコフット(エコロジカル・フットプリント)とバイオキャパシティという2つの指標が参考になります。
“エコロジカル・フットプリントは,人間活動により消費される資源量を分析・評価する手法のひとつで,人間1人が持続可能な生活を送るのに必要な生産可能な土地面積(水産資源の利用を含めて計算する場合は陸水面積となる)として表わされる”
“バイオキャパシティ(生物生産力)とは,生産可能な土地水域の面積(生態系による生態系サービス供給可能量),すなわち,生産可能な土地や水域がどれだけ存在するかを示す値である”
参考:資料:エコロジカル・フットプリントについて|環境学習プログラム中学生・高校生編|栃木県総合教育センター|学校支援
“例えば、あるエコロジカル・フットプリントでは、1)化石燃料の消費によって排出される二酸化炭素を吸収するために必要な森林面積、2)道路、建築物等に使われる土地面積、3)食糧の生産に必要な土地面積、4)紙、木材等の生産に必要な土地面積、を合計した値として計算される。この場合、アメリカで人間1人が必要とする生産可能な土地面積は5.1ha、カナダでは4.3ha、日本2.3ha、インド0.4ha、世界平均1.8haとなり、先進国の資源の過剰消費の実態を示すものである。これは人間が地球環境に及ぼす影響の大きさとみることもできることから、エコロジカル・フットプリントつまり「地球の自然生態系を踏みつけた足跡(または、その大きさ)」と呼んでいる”
参考:環境用語集:「エコロジカル・フットプリント」|EICネット
人間側の資源需要(エコフット)を地球の資源供給力(バイオキャパシティ)が上回ることで地球の資源は持続可能な状態を維持できます。しかし、私たちの地球では、1970年代からオーバーシュート(エコフットがバイオキャパシティを超過した「需要超過」の状態)が続いています。
GFN(Global Footprint Network)が発表する「アース・オーバーシュート・デー(その年に地球が再生できる資源を人類がすべて使い果たしてしまった日)」の2022年の日付は7月28日でした。
※アース・オーバーシュート・デーは国単位の日付も公開されています。例えば、2022年の日本のアース・オーバーシュート・デーは5月6日です。
オーバーシュートを防ぎ、地球の資源を回復させるには、資源を利用する人間の側の努力が欠かせません。人間の生産活動と消費活動を持続可能な形に変えることが必要になります。
サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行
「原材料から製品を作り、利用された製品は廃棄物となる」。この原材料→製品→利用→廃棄物の直線的で一方通行な経済活動はリアルエコノミー(線型経済)と呼ばれています。
リアルエコノミー型の経済活動は大量生産・大量消費・大量廃棄の社会を形成し、天然資源の枯渇や気候変動、健康被害などの様々な環境問題に影響を及ぼすことが問題視されており、サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行の重要性が高まっています。
サーキュラーエコノミーとは、原材料→製品→利用→リサイクル→製品という循環をつくる経済活動です。廃棄物や資源投入量・消費量を減らす(有効活用する)ことで、持続可能な形で資源を利用する社会を形成するものです。
日本においては、2000年に循環型社会形成推進基本法(循環基本法)が制定され、その後、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法などの各種リサイクル法が制定されていきました。2022年4月1日に施行されたプラスチック資源循環促進法ではプラスチック製品の設計から販売、廃棄物の処理という全体の流れの中で3R+Renewableを進め、サーキュラーエコノミーへの移行を推し進めることとしており、日本は国際社会の中でリーダーシップを発揮する立ち位置にいます。
“我が国は、持続可能な生産・消費に向けた取組を精力的に推進してきました。高度経済成長を遂げた我が国では、大量生産・大量消費型の経済社会活動により大量廃棄型社会が形成され、不法投棄の頻発や最終処分場の逼(ひっ)迫等が課題となっていました。これらの課題に対応すべく、2000年には、循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)を始めとした各種リサイクル法が制定され、3R(リデュース、リユース、リサイクル)と熱回収、適正処分を推進してきました。その結果、2001年当時と比べ、廃棄物の最終処分量は2000年度の約5,600万トンから2014年度には約1,480万トンと大幅に低減し、また、循環利用率(循環利用量/(循環利用量+天然資源等投入量))についても、2000年の10.0%から2014年には15.8%と、着実に増大しています。さらに、我が国で培った知見を国際社会に共有する取組も進めています。その一つには、我が国の提唱により、アジアでの3Rの推進に向け2009年に設立された「アジア3R太平洋推進フォーラム」があります。同フォーラムの下で、3Rに関するハイレベルの政策対話の促進、各国における3Rプロジェクト実施への支援の促進等を実施しています”
参考:環境省_平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第1章第2節 SDGsの各ゴールの関係と世界の現状
また、先進国各国が経済成長を遂げる過程で大量生産・大量消費型のライフスタイルが普及していったように、開発途上国も同じ軌跡を辿る中、マテリアル・フットプリント(国内最終需要を満たすために消費された天然資源量)は増加し続けています。
SDGs12のターゲット2にある「2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する」を達成する上では、先進国が培ってきた拡大生産者責任(EPR)やエコデザインの考えを開発途上国に普及させていくことが重要であると言われています。
※EPR(Extended Producer Responsibility)とは生産者が資源の投入や製品の生産・使用の段階だけでなく、使用後の廃棄やリサイクルの段階にまで一定の責務を負う考え方です。
食品ロスの問題
世界人口は1986年に50億人に到達し、2022年に80億人、2058年には100億人に達することが予測される中、食料需要の高まりへの対応が極めて重要な地球規模の問題となっています。
食料の需要の高まりに対応するには、食料の供給を増やす必要がありますが、単に食料の生産量を増やせば良いというわけでもありません。生産された食料の3分の1が失われている現実に目を向ける必要があります。
“研究の結果は、世界全体で人の消費向けに生産された食料のおおよそ3分の1、量にして年約13億トンが失われ、あるいは捨てられていることを示唆している。これはまた必然的に、食料生産に費やされた膨大な量の資源が無駄に使われ、また、失われあるいは捨てられた食料を生産するために発生した温室効果ガスもまた無駄に排出されたことを意味する”
参考:世界の食料ロスと食料廃棄 その規模、原因および防止策|JAICAF
※国際連合食糧農業機関(FAO)が2011年に発行した「Global Food Losses and Food Waste」を国際農林業協働協会(JAICAF)が翻訳作成した内容です。
日本においても、令和2年度のデータで約522万トンもの食品ロス(本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品)が発生しています。国民1人当たりに換算すると1日約113グラム(茶碗約1杯のご飯の量に近い量)が廃棄されていることになります。
<食品廃棄物等・食品ロスの推計結果>
- 令和 2年(2020年)度:522万トン(事業系:275万、家庭系:247万)
- 令和元年(2019年)度:570万トン(事業系:309万、家庭系:261万)
- 平成30年(2018年)度:600万トン(事業系:324万、家庭系:276万)
- 平成29年(2017年)度:612万トン(事業系:328万、家庭系:284万)
- 平成28年(2016年)度:643万トン(事業系:352万、家庭系:291万)
- 平成27年(2015年)度:646万トン(事業系:357万、家庭系:289万)
- 平成26年(2014年)度:621万トン(事業系:339万、家庭系:282万)
- 平成25年(2013年)度:632万トン(事業系:330万、家庭系:302万)
- 平成24年(2012年)度:642万トン(事業系:331万、家庭系:312万)
※食品ロスは食品関連事業者の事業系食品ロス(規格外品、偏品、売れ残り、食べ残し)と一般家庭の家庭系食品ロス(食べ残し、過剰除去、直接廃棄)に分かれます。
参考:我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について|報道発表資料|環境省
日本の食品ロスは2017年以降は減少傾向にありますが「2030年度までに2000年度比で半減させる目標(※)」を達成できるかどうかは、今後の私たちの努力にかかっています。
※2030年度の目標は約489万トン(2000年度の食品ロス約980万トンの半分)です。
SDGs12「つくる責任つかう責任」のターゲット
12.1|開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2|2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3|2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4|2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5|2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6|特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7|国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8|2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a|開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b|雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c|開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。
SDGs12「つくる責任つかう責任」の日本における達成状況
SDGsの達成・進捗状況を知る上では、Sustainable Development Report 2023 のデータが参考になります。
本レポートによると、SDGs12の日本における達成状況は「Major challenges remain(より重要な課題が残る)」、進捗状況は「Moderately improving(適度に改善している)」です。
<SDGs12の達成状況>
- Dashboards:Major challenges remain
- Trends:Moderately improving
具体的には、下記の指標において「Major challenges remain」と評価されている状況です。
- Electronic waste(一人当たりの電子廃棄物の重さ)
- Exports of plastic waste(過去 5 年間に輸出されたプラスチック廃棄物の一人当たりの年間平均量)
なお、Exports of plastic wasteについては、12.84(2016年)から、7.65(2021年)へ大幅に改善しています。
SDGs12「つくる責任つかう責任」の企業の取り組み事例
豊島
豊島では、これまで廃棄されてきた素材を再び活用することでCO2 排出量を削減し、環境への負荷を低減する取り組みを推進しています。また、最新テクノロジーの活用やパートナーシップを通してサプライチェーン全体の効率化や環境負荷軽減を図り、持続可能な産業構造の確立に挑戦しています。
“豊島は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、3つのグローバル繊維の再生を可能にしました。これまで廃棄されてきた素材を活用することで、CO2 排出量の軽減など環境への負荷を減らすことにチャレンジしていきます”
メルカリ
メルカリでは、必要なモノが必要な人に必要な量だけ届く循環型社会を目指し、リユース可能な梱包材「メルカリエコパック」を展開しています。
“梱包材のリユースを推し進める第一歩は、「すぐに捨てない」という習慣づくりから。今回製作した「メルカリエコパック」は数百回の使用に耐えうる手軽な梱包材。お客さまからお客さまの間をバトンのように行き来し、繰り返し使用されることを想定しており、「受け取った梱包材をそのままリユースし、次へつなぐ習慣」を広げることを目的としています”
コークッキング
コークッキングは、まだおいしく安全に食べられるのに店頭では売り切るのが難しい食事を安価でレスキュー(購入)できるフードシェアリングアプリ「TABETE」を運営しています。
“TABETEはまだおいしく安全に食べられるのに、店頭では売り切るのが難しい食事をお得に「レスキュー(購入)」できるフードシェアリングサービスです。つくりすぎてしまったパンやお惣菜、予約のキャンセルが出てしまった食事、食材の端材でつくったオリジナル商品など、様々なおいしい食事が出品されています。お得に商品が買えるだけでなく、お店の「食品ロス」の削減にも貢献できるエコなサービスでもあります”
プロジェクトデザイン
プロジェクトデザインは、アパレル業界のバリューチェーンを舞台にしたビジネスゲーム「サステナブルチェーン」を開発・提供しています。
“SDGsの目標に貢献する事業創造を “攻めのSDGs” とするならば、既存事業のバリューチェーンを透明化し、サステナブルにする取り組みは “守りのSDGs” です。「サステナブルチェーン」ではアパレル業界のバリューチェーン(原料生産者・卸/メーカー・小売店・消費者層)を舞台にサステナブルなバリューチェーンを築くことの大切さを学ぶことが可能です”
colourloop
colourloopでは、色で分けてアップサイクルする「カラーリサイクルシステム」を確立し、破れたり褪せたりした廃棄繊維を有効利用する事業を推進しています。
“毎年200万tにもおよぶ廃棄繊維。その3/4がゴミとして焼却されています。素材分別が難しい廃棄繊維を、色で分けてアップサイクル。”Colour Recycle System”は持続可能な社会に向けての、新しいリサイクルのかたちです。株式会社colourloop(カラーループ)は、素材開発パートナー Colour Recycle Networkと共に持続可能な社会に向けて、より魅力的な廃棄繊維のアップサイクルを目指します”
参考:colourloop
エアークローゼット
月額制ファッションレンタル「airCloset」を展開するエアークローゼットでは、各ブランドと連携して一般の方の不要になったお洋服を回収し、リユースやリサイクルをする、アパレル廃棄問題「shareCloset」に取り組んでいます。
“「シェアクローゼット」は、着なくなったお洋服を回収して最後まで活かす、新プロジェクトです。“地球のため”はあたりまえ。作り手のこだわりと、あなたの想いを載せて、ワクワクを次の誰かに届けます。売るより手軽、捨てるよりうれしい、新しいシェアリングをはじめませんか”
カゴメ
カゴメでは、SDGsの目標12の「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」に賛同し、これを目標とし、生産量の精度向上、品質不良品発生の撲滅、賞味期間の長い商品の開発、賞味期限の年月表示化、フードバンクの活用などを行い、食品ロスの削減に努めています。
目標
区分 | 課題 | 2025年のKPI | |
2.資源の有効活用 | 1)原料調達から製品流通における食品ロスの削減 | 原料の廃棄削減 | 原料廃棄量の50%削減 (2018年比、2030年目標) |
---|---|---|---|
製品(仕掛品、商談サンプル含)の廃棄削減 | 製品廃棄量の50%削減 (2018年比、2030年目標) | ||
2)カゴメプラスチック方針の実働 | ・石油から新たにつくられるプラスチックの使用抑制 ・資源循環が可能なリサイクル素材や植物由来素材への置き換え推進 | 石油由来素材のストローの使用ゼロ化(2030年目標) | |
リサイクル素材又は植物由来素材への50%以上置き換え(2030年目標) | |||
3)廃棄物のリサイクルによる資源循環の推進 | ゼロエミッションの継続 | ゼロエミッションの維持 | |
食品廃棄物の削減とリサイクル率の維持 | 食品リサイクル率95%以上の維持 |
バリュードライバーズ
バリュードライバーズは、BtoB向け食品ロス削減のためのフードシェアリングプラットフォーム「tabeloop(たべるーぷ)」を運営しています。
“包装が汚れている食品、賞味期限の問題で食品スーパーなどの店頭にならばない食品、味は問題ないが形が不揃い、傷がついているなどの理由で市場に流通されない食品を販売するためのフードシェアリングプラットフォームとなります。
売り手は、各地域の生産者、食品メーカー、食品卸売業、小売業など。買い手は、居酒屋やレストランなどの外食店や、お弁当、惣菜を扱う中食、こども食堂、学生寮などの食堂、学園祭、地域のお祭りなど食品の使用量の多い企業・団体を対象としています。
これまで食べることができるが、廃棄されてきた食品をtabeloop上で販売することで、買い手と売り手を結びつけ、社会課題である食品ロスの削減に努めてまいります”
参考情報
本稿ではSDGs12「つくる責任つかう責任」の事例をお届けしてまいりました。より多くの事例を知りたい方、SDGs17の目標単位で様々な事例を知りたい方は下記の記事をご覧ください。
SDGs12「つくる責任つかう責任」について私たちにできること
3R活動に取り組む
Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の3R活動を推進することには資源を有効活用する観点で大きな意味があります。以下に幾つかの取り組み内容をご紹介します(気軽に取り組めるものから小さく始めてみることをお勧めします)。
- 買い物はエコバックを使う
- マイ箸・マイスプーンを持参する
- 外出中に出たゴミは持ち帰る
- エシカル消費(※)を実践する
※エシカルとは「倫理的な」「道徳的に正しい」という意味を持つ言葉です。エシカル消費とは人や社会、地球環境に配慮した消費行動を指しています。
食品ロスを減らす
食品ロス(まだ安全に食べられるのに捨てられてしまう食べもの)を減らすために私たち消費者ができることはたくさんあります。
- 冷蔵庫の在庫を確認してから必要なものを食べきれる量だけ買う
- 料理を作り過ぎない、余った料理は適切な方法で保存する
- レシピを活用することで食材を使い切る
- 食品の見切り品(賞味期限の近いもの)を購入する
など、取り組みやすいことから始めてみましょう。
また、近年では消費者と生産者を直接結ぶサービスが増えてきています。そういったサービスを利用して、店頭には並ばない規格外の野菜や果物(通常は廃棄されるもの)を購入することで、フードロス(生産・収穫された食べ物のうち、消費者に届く前に廃棄になってしまう食べ物)を減らすことができます。
パートナーシップの輪を広げる
SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」の観点で自分が起点・ハブとなり、自身が所属する会社や団体・地域コミュニティとパートナーシップ(協力関係)を築き、SDGsの取り組みを進める。
これも私たちにできることの一つです。
例えば、私たちプロジェクトデザインでは「SDGsについての理解・実践」を支援するツールとして様々なSDGsゲームをご提供しています。これらのゲームを活用することであなたの所属先やコミュニティでSDGsの取り組みを進めやすくなります。
・参考:SDGsゲーム
SDGsクイズ:「つくる責任つかう責任」編
【問1】サプライチェーン
“2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる”
これはSDGs12のターゲット3の内容です。この中の「サプライチェーン」の意味として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?
<選択肢>
- 商品や製品が消費者に届くまでの一連の生産・流通プロセス
- 商品や製品を供給する側の同盟
- 商品や製品の供給におけるシステム
正解は「商品や製品が消費者に届くまでの一連の生産・流通プロセス」です。サプライチェーンにおける食品の損失は、具体的には以下の通りです。
<農作物の収穫後から流通までの間に生じるロス>
- 収穫前の損傷:風雨による被害、虫害、飼育中の死亡や病気
- 収穫時の損傷:作物が農業機械に巻き込まれる、魚が水揚げ時に欠ける
- 規格外:未成熟、形状やサイズの不適合
- 生産余剰:需要見込み違いによる作りすぎ
- 保管時の損傷:腐敗や劣化、虫害
<食品製造業から発生するロス>
- 過剰な除去:皮や骨など不可食部を取り除く際に、周辺の可食部も余分に除いてしまう
- 規格外:製造加工時の割れ、欠け、焦げなどの破損・汚損や、サイズの不適合
- 製造余剰:欠品、品切れによる販売機会の損失を避けるために多く製造する
<卸売・小売業から発生するロス >
- 在庫余剰:欠品、品切れによる販売機会の損失を避けるために在庫を多く保有する
- 破損・汚損:商品自体の品質には問題のない、ダンボール等外装の傷みや汚れ
- 返品:「3分の1ルール※」に基づく納入期限、販売期限切れ商品の返品
<外食産業から発生するロス>
- 食べ残し:料理の提供量が多すぎて客が食べきれない
- 調理余剰:客数の予測、需要見込み違いによって作りすぎてしまう
<家庭から発生するロス>
- 食べ残し :調理する量が多すぎて食べきれない
- 直接廃棄 :賞味期限切れ等の理由で未使用・未調理のまま廃棄
- 過剰な除去:皮や骨など不可食部を取り除く際に、周辺の可食部も余分に除いてしまう
【問2】エシカル消費
「エシカル消費」の意味として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?
<選択肢>
- 節約的な
- スマートな
- 倫理的な
- 常識的な
正解は「倫理的な」です。
“「エシカル商品」とは、その製品や活動が人類・社会・環境など全体にとって良いものになるように努力することを指します。また、「エシカル消費」とは単純に目の前の利益だけではなく、その商品が出来上がるまでのプロセスや商品が消費された後のことにまで注目して商品の選択を行うことを意味します。例えば、服の購入をするシチュエーションでエシカル消費を実践すると以下のようなことをチェックして、どの製品を購入するか、相応しい製品が無ければ購入を諦めるか、意思決定をしていきます。
- 服の原材料の綿を栽培するときに、周囲の環境を汚染したり過剰な伐採を行ってはいないか?
- 採取した綿花を加工するときに、その工場から汚水が大量に排出されていないか?
- 工場で働いている人は適切な労働条件で、しっかりと雇用契約を結んでいるか?
- 服が工場から商店に運ばれているときに、二酸化炭素の排出量が多い輸送手段を使っていないか?
- 服を家庭で洗濯するときに服から汚染物質が流れ出すようなことはないか?
- 服を廃棄する時、きちんとリサイクルされるような仕組みができており、それが利用できるか?”
この記事の著者について
執筆者プロフィール
池田 信人
自動車メーカーの社内SE、人材紹介会社の法人営業、新卒採用支援会社の事業企画・メディア運営(マーケティング)を経て、2019年に独立。人と組織のマッチングの可能性を追求する、就活・転職メディア「ニャンキャリア」を運営。プロジェクトデザインではマーケティング部のマネージャーを務める。無類の猫好き。しかし猫アレルギー。
監修者プロフィール
竹田 法信(たけだ のりのぶ)
富山県立富山中部高等学校卒業、筑波大学第三学群社会工学類卒業。大学卒業後は自動車メーカー・株式会社SUBARUに就職し、販売促進や営業を経験。その後、海外留学などを経て、地元・富山県にUターンを決意。富山市役所の職員として、福祉、法務、内閣府派遣、フィリピン駐在、SDGs推進担当を歴任。SDGsの推進にあたり、カードゲーム「2030SDGs」のファシリテーションを通して、体感型の研修コンテンツの可能性に魅せられ、プロジェクトデザインへの転職を決意。ファシリテーターの養成、ノウハウの高度化などを通して社会課題の解決を目指す。富山県滑川市在住。
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<相談内容の例>
- 数あるSDGsゲームの中から自社に合うゲームを知りたい
- SDGsゲーム研修の具体的なプログラム内容を相談したい
- オリジナルのSDGsゲームの開発に興味があるので話を聞きたい