SDGs1「貧困をなくそう」の企業の取り組み事例・私たちにできること

  • SDGs1「貧困をなくそう」
    あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる(End poverty in all its forms everywhere)

このSDGsの1番目の目標は、2015年9月の第70回国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に明記されている通り、全ての問題の根源であると捉えられています。

“このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である。これはまた、より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求ものでもある。我々は、極端な貧困を含む、あらゆる形態と側面の貧困を撲滅することが最大の地球規模の課題であり、持続可能な開発のための不可欠な必要条件であると認識する”

参考:SDGsとは?|JAPAN SDGs Action Platform|外務省

SDGsの前身であるMDGsでは2000年~2014年の取組みを通じて、1990年対比で世界の貧困を半減することに成功していますが、SDGsでは、SDGs1のターゲット1.1の中で「2030年までに、現在1日1.9ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」という、さらに踏み込んだ目標を掲げています。

本稿では、このSDGsの目標の中で最も重要なSDGs1についての理解を深め、実際に企業が取り組みを進めている事例を知り、私たちにできることを考えていきます。

Contents(目次)

SDGsとは?

SDGs(Sustainable Development Goals|持続可能な開発目標)とは2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。

誰一人取り残さない(leave no one behind)のスローガンのもとに、193か国の国連加盟国が2016年~2030年の15年間でSDGsの17の目標と169のターゲットの達成を目指しています。

SDGsのことについて、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

SDGsが必要とされる背景と歴史、SDGsの原則。そして、人(私たち一人ひとりの個人)と組織(企業や自治体)がSDGsを自分事として捉えるきっかけとなるような情報をお届けします。

SDGs1「貧困をなくそう」とは?

絶対的貧困

絶対的貧困とは、人間らしい生活からは程遠い状態(生きていく上で必要最低限の生活水準に達しておらず、衣食住もままならない状態)を意味します。

この絶対的貧困は「1日何ドルで生活しているか」というモノサシで判断されます。SDGs1を構成するターゲットでは極度の貧困の基準(国際貧困ライン)を1日1.25ドル未満で生活する人々と定義していますが、2015年10月に1日1.9ドル未満に基準が見直されました(※)。

※国際貧困ラインは、2022年9月に1日2.15ドル未満に基準が見直されました。

1.9ドルは日本円に換算すると190円~247円未満です(1ドル100円~130円)。日本に住む私たちが食費や家賃・水道光熱費などを含めて1日247円未満で生活することを想像してみると、極度の貧困の厳しさを感じ取ることができます。

絶対的貧困の現実を知りたい場合はユニセフ(国連児童基金)のサイトが参考になります。例えば、以下は「子供たちの食と栄養」に関する内容です。

子どもの健やかな成長は、母親の体内にいる胎児期の発育から、幼年期の遊びや探索、学校での勉強、就業する準備に至るまで、「良好な栄養状態」という基礎の上に成り立っています。けれども世界では、5歳未満児の少なくとも3人に1人が、栄養不良がより表面化した症状である発育阻害、消耗症、過体重の状態にあります。また、生後6カ月から2歳までの子どものおよそ3人に2人が、この時期の子どもの身体や脳の急速な成長に必要な食べ物を得ることができていません。質の高い栄養を十分に摂れていない子どもたちは、脳の発達の遅れ、学習の遅れ、免疫力の低下、感染症の増加、そして多くの場合、死に至るリスクに晒されています

参考:世界子供白書2019 |日本ユニセフ協会

世界で起きている現実に向き合うほどに貧困という問題の大きさ・根深さをうかがい知ることができます(貧困は飢餓や教育・健康などの様々な問題と密接に関係しています)。

極度の貧困層の推移

極度の貧困層は、1993年の19億人から、2017年の6億8,900万人へと大幅に減少しています。

全体で見ると、貧困をなくすゴールに向けて大きな進展があるのは間違いないものの、国別で見ると、1993年以降の世界の貧困削減は中国とインドの経済成長が主な原動力となっていました(1993年から2017年の間に極度の貧困から抜け出した人口12億人のうち、9億6,900万人を中国とインドの国民が占めています)。

“1993年以降に達成された極度の貧困の削減(27年間で19億人から6億8,900万人まで削減)が大きな成果であることは、今も変わらない。しかし、その削減分のほとんどは中国とインドである。それ以外の地域では進展が遅れている。しかも、サハラ以南アフリカでは、極度の貧困人口がむしろ増加している”

参考:SDG Atlas 2020|The World Bank

また、2020年から世界中に広がっている新型コロナウイルス感染症は世界の貧困に影響を与えています。世界銀行によると2020年に極度の貧困状態とされる人口は世界で7000万人の増加。

SDGs1の「貧困をなくそう」というゴールの実現を困難にしています。

相対的貧困

相対的貧困とは、その国の生活水準や経済環境に比較して困窮した状態を意味します。先進国における貧困は主に相対的貧困です。

相対貧困率は以下のように計算されます。

“国民生活基礎調査における相対的貧困率は、一定基準(貧困線)を下回る等価可処分所得しか得ていない者の割合をいいます。貧困線とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得(収入から税金・社会保険料等を除いたいわゆる手取り収入)を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分の額をいいます”

参考:国民生活基礎調査(貧困率) よくあるご質問 |厚生労働省

例えば、世帯収入600万円の4人世帯の場合。年収600万円の可処分所得を450万とすると等価可処分所得は225万円(450万円 ÷ √4 )です。

例えば、世帯収入200万円の3人世帯の場合。年収200万円の可処分所得を160万円とすると等価可処分所得は115万円(200万円 ÷ √3)になります。

日本における2018年の等価可処分所得の中央値は253万円。貧困線はこの半分の127万円で、貧困線に満たない人が15.4%います。特に、一人親家庭では子どもを育てながら働く必要があり、労働時間や仕事内容の制約で所得が低くなる傾向にあります。

事実、一人親家庭の相対的貧困率は48.1%に達します。

貧困は何が問題なのか?

貧困の問題は、寄付や募金などの支援によってある程度は解決可能です。しかし、根本的な解決を目指す上では「貧困の連鎖」を断ち切る必要があります。

親の貧困が子どもの教育格差の問題を生み出し、子どもは満足な教育を受けることができずに(技術や知識の習得ができないままに)不安定な職業に就かざるを得なくなり、低収入に留まってしまう(収入を増やすことができない)。そして、自分が親になった際に子供を十分に教育することが難しくなる。

この「貧困の連鎖」を断ち切る上では、教育が有効であると言われています。

※教育の他にも、セーフティーネットとなる社会保護制度を充実させることや、マイクロファイナンスのような貧困層向けの金融サービスを普及させることも貧困の連鎖を断ち切る上では重要になります。

誰もが貧困に陥る可能性がある

自身が恵まれた環境にいる内は気づきづらいかもしれませんが(貧困の渦中にないと実感が持てないものですが)、今は誰もが貧困に陥る可能性がある時代です。

  • 突発的に私たちの財産を奪ってしまう自然災害や人災が起きる可能性
  • 疫病の蔓延が自身の仕事に多大な影響を及ぼす可能性
  • 自身の病気や親の介護で離職する必要性が生じて収入元が絶たれる可能性
  • 勤め先の業績不振によるリストラで失職する可能性

このような貧困に陥るリスクは誰にでもある。そう考えることで、SDGs1「貧困をなくそう」に主体的に関わる意識を高めることができます。

SDGs1「貧困をなくそう」のターゲット

1.1|2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

1.2|2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。

1.3|各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。

1.4|2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

1.5|2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。

1.a|あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。

1.b|貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

※ターゲット1.1では、極度の貧困の基準(国際貧困ライン)を1日1.25ドル未満で生活する人々と定義していますが、2015年10月に1日1.9ドル未満に、2022年9月に1日2.15ドル未満に基準が見直されています。

SDGs1「貧困をなくそう」の日本における達成状況

SDGsの達成・進捗状況を知る上では、Sustainable Development Report 2023 のデータが参考になります。

本レポートによると、SDGs1の日本における達成状況は「Challenges remain(課題が残る)」、進捗状況は「On track or maintaining SDG achievement(SDG達成が軌道に乗っている、または維持している)」です。

<SDGs1の達成状況>

  • Dashboards:Challenges remain
  • Trends:On track or maintaining SDG achievement

参考:Sustainable Development Report 2023

具体的に見ると、絶対的貧困率(1日2.15ドル未満での生活者の割合)の指標については「SDG achieved(SDGs達成)」の状態にあります。

一方で、相対的貧困率の指標では「Major challenges remain(より重要な課題が残る)」とされています。15.70(2018年時点の数値)を長期目標の6.1にまで改善する必要がありますが、日本における相対的貧困率は1985年の12.0から緩やかに上昇し続けていることを考えると、この指標の改善は困難を極めるであろうことが容易に想像できます。

SDGs1「 貧困をなくそう」の企業の取り組み事例

パナソニック

パナソニックではSDGsの大きな目標である貧困の解消に向けて「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」を運営しています。

NPO/NGOを対象に「海外助成」と「国内助成」の2つのプログラムを通じて、組織課題を明らかにする組織診断や具体的な組織課題の解決、組織基盤の強化などの様々な取り組みを応援しています。

参考:Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs |サステナビリティ|パナソニック ホールディングス

クラウドクレジット

クラウドクレジットでは、マイクロファイナンス機関へ融資を行う「ペルー金融事業者支援ファンド」や「ペルーマイクロファイナンス支援ファンド」への投資を通じてSDGs1の目標の達成に寄与しています。

参考:SDGs達成に向けた取り組み|クラウドクレジット

※マイクロファイナンス機関は低所得者層の収入や生活向上のために少額の融資を行う機関です。貧しい人々の自立をサポートするという社会的意義を持ちます。

ジモティー

ジモティーは「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」という経営理念のもとに、同じ地域に住む人同士が支えあう社会の実現を使命としてサービスを運営している会社です。

同社では、格安で欲しかったものを入手できる地域の情報掲示板『ジモティー』を運営する中で、下記の取り組みを通じてSDGs1「貧困をなくそう」の目標の達成に貢献しています。

  • 日本のひとり親世帯の約半分(約65万世帯)が利用していることがユーザー調査より確認できた為、CSR活動としてひとり親支援の継続的な活動を実施。2018年には、企業から協賛いただいた支援物資をジモティー上に掲載し、ひとり親家庭を優先に物品の受け渡し会を開催
  • 貧困層の自立支援を行うグラミン日本のコーポレートサポーターに加盟し、説明会への送客に協力

参考:SDGsに関する取り組みについて|ジモティー

イオン

イオンでは、自然資源の持続可能性と事業活動の継続的な発展との両立を目指し、「イオン 持続可能な調達原則」に基づいた商品調達を行っています。

具体的には、イオングループの自社ブランド「トップバリュ」で開発する製品のほか、グループ各社でもフェアトレード製品を取り扱いしています。

“フェアトレードは、途上国などの立場の弱い生産者に寄付ではなく、商品を適正な価格で継続して買い取ることで、生産者が自立できるように支援する貿易の仕組みです。適正な価格で買い取った商品をイオンが販売し、お客さまに購入いただくことで継続的な支援が実現します。それは、お客さまの声で始まりました。2002年にお客さまから「日常生活を国際貢献と結びつけるパイプ役になって欲しい」との要望をいただいたのが始まりです。お客さまを主役に、イオンだからこそできる国際貢献の形として取組んだものが「フェアトレード」です”

参考:フェアトレード|イオンのサステナビリティ

プロジェクトデザイン

プロジェクトデザインでは、SDGsと地域共生の関連性を理解し、住民1人1人が生きがいを持って暮らせる地域社会を考えるビジネスゲーム「地域共生社会」を開発・提供しています。

“地域共生の取り組みを通じて解決すべき貧困や健康・福祉の課題はSDGsのゴール(17の目標の1番・3番)と一致します。「地域共生社会」ではゲーム中に自身や他者が疾病・障害・貧困の状態になる疑似体験を通して、支援の大切さ(SDGsの理解・実践にも通じる考え方)を理解します”

参考:ビジネスゲーム「地域共生社会」|株式会社プロジェクトデザイン

ゲーム体験を通じて、貧困状態が生み出す複合的な問題や、貧困がさらなるウェルビーイングの低下をもたらす構造を体感することができます。

Rennovater

Rennovaterは「すべての人に、こころ休まる住まいを」というミッションを掲げ、単身高齢者・低所得者・母子家庭世帯・外国人などの住宅確保困難者向けの住宅支援事業を展開しています。

参考:Rennovater株式会社|「すべての人に、こころ休まる住まいを」

サグリ

サグリは「人類と地球の共存を実現する」というビジョンのもとに、“衛星データ×AI技術” で農業と環境の課題解決を行う事業展開をインドで行なっています。

“インドでのビジネスモデルの特徴の1つは、「農家には課金せず、農地情報を与信情報として金融機関などへ販売する」という点だ。サグリは、対象となる農地の区画面積や作物の予測収穫量・収穫最適時期などを衛星データから分析・算出。農家に資金を貸し付けるマイクロファイナンス企業などの金融機関にレポートとして販売する。金融機関にしてみると、サグリと取引することで、貸し付け先農家の経営見通しを把握し、営農支援に応用できる有用な情報を入手できる。また、与信管理をし、円滑な資金の貸し付け・回収にもつながる。一方で農家は、情報を利活用するリテラシーを有しなくとも、農業資材などの購入資金を金融機関から調達しやすくなる”

参考:衛星データ×AIで世界の農業課題に挑む/サグリ(兵庫県)|ジェトロ

ユーグレナ

ユーグレナは、バングラデシュ人初のノーベル平和賞に輝いたムハマド・ユヌス博士率いるグラミングループとの現地合弁企業「グラミンユーグレナ社」を設立し、日本の食料事情改善とバングラデシュで貧困に苦しむ農村地区の所得向上や生活改善を目指した取り組みを進めています。

“グラミンユーグレナ社がソーシャルビジネスの第一歩として取り組む「緑豆プロジェクト」は、日本の高度な栽培技術指導によって、バングラデシュの農家が現地でよく食べられる緑豆を高品質で栽培し、バングラデシュおよび日本に供給するという、貧困解消と食料供給の安定化を目指すプロジェクトです。貧困解消と、食料供給の安定化のために。バングラデシュと日本がそれぞれに持つ、それぞれの弱みを緑豆の栽培、販売を通じて、互いの強みに変えていく。そしてそれぞれの国の人々の暮らしを改善する。それがグラミンユーグレナ社の「緑豆プロジェクト」の狙いです”

参考:グラミンユーグレナ|ソーシャルビジネス|株式会社ユーグレナ

参考情報

本稿ではSDGs1「貧困をなくそう」についての事例をお届けしました。もっと多くの事例を知りたい方、SDGs17の目標単位で様々な事例を知りたい方は下記の記事をご覧ください。

SDGs1「 貧困をなくそう」について私たちにできること

募金・寄付をする

日々の生活に余裕のある人は、募金や寄付をすることで貧困をなくすことに貢献することができます。

  • ユニセフ(国連児童基金)
    ユニセフは世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動する国連機関です。保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取からの保護、HIV/エイズ、緊急支援、アドボカシーなどの分野で支援活動をおこなっています。
     
  • 赤い羽根共同募金
    赤い羽根共同基金では子ども家庭、障がい児・者、高齢者、災害、地域福祉の5つの分野を設けて、それぞれの分野ごとの社会課題解決に取り組む事業や活動に対する助成をしています。
     
  • 日本財団
    日本財団は、よりよい社会を作るため、日本において寄付文化が根付くための活動をしています。日本の子どもたちの支援や災害復興支援、などプロジェクトごとに寄付を募っています。

フェアトレード製品を選ぶ

フェアトレードは公平・公正な貿易の仕組みです。

開発途上国の原料や製品を適正な価格で購入する継続的な活動を通じて、立場の弱い現地の生産者や労働者の収入を改善する形で、SDGs1の「貧困をなくそう」の目標達成に貢献することができます。

(1)国際フェアトレード認証ラベル
その原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て「国際フェアトレード認証製品」として完成品となるまでの各工程で、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が定めた国際フェアトレード基準が守られていることを証明するラベルです。またこのラベルは、農場から認証製品として出荷されるまで完全に追跡可能であり(物理的トレーサビリティの適用)、さらにコーヒーやバナナなど認証原料100%からなる製品に表示されます。

(2)国際フェアトレード原料調達ラベル(FSIラベル)
FSIラベルは主に複合材料製品に使用されますが、タブに記載されている原料が、フェアトレードとして調達されていることを示しています。例えばミックスナッツ製品に「カシューナッツ」タブのあるFSIラベルが表示されている場合、カシューナッツのみがフェアトード認証原料であり、その他のナッツは認証原料ではありません。

参考:認証ラベルについて|フェアトレードとは?|fairtrade japan|公式サイト

製品を見る際にフェアトレードラベルが付いていないかを確認すること。そして、可能であればフェアトレード製品を選ぶことを実践してみましょう。

パートナーシップの輪を広げる

SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」の観点で自分が起点・ハブとなり、自身が所属する会社や団体・地域コミュニティとパートナーシップ(協力関係)を築き、SDGsの取り組みを進める。

これも私たちにできることの一つです。

例えば、私たちプロジェクトデザインでは「SDGsについての理解・実践」を支援するツールとして様々なSDGsゲームをご提供しています。これらのゲームを活用することであなたの所属先やコミュニティでSDGsの取り組みを進めやすくなります。

・参考:SDGsゲーム

SDGsクイズ:「貧困をなくそう」編

【問1】 極度の貧困の基準とは?

“2030年までに、現在1日●●ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる”

これはSDGs1のターゲット1.1の内容です。この「●●ドル」に当てはまる内容として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?

<選択肢>

  • 1.25ドル
  • 1.75ドル
  • 2.25ドル
  • 2.75ドル
  • 3.5ドル
  • 5.5ドル
  • 7.5ドル

正解は「1.25ドル」です。日本円に換算すると125円(1ドル100円の場合)。このわずかなお金で日々の生活を送っている人が世界に12億人いると言われています。

※現在は「2.15ドル」に基準が見直されています。

【問2】 マイクロファイナンスで有名な銀行とは?

“2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する”

これはSDGs1のターゲット1.4の内容です。この文中にある「マイクロファイナンス」の金融サービスを提供していることで有名なバングラデシュの「とある銀行」の名称として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?

<選択肢>

  • グランド銀行
  • セラミン銀行
  • グラミン銀行
  • グラミソ銀行

正解は「グラミン銀行」です。銀行創設者のムハマド・ユヌス氏は貧困層の自立支援活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞したことでも有名です。

【問3】 日本の相対的貧困率は何%?

2018年(平成30年)時点の日本における相対的貧困率の割合(%)として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?

<選択肢>

  • 5.7%
  • 10.7%
  • 15.7%
  • 20.7%

<ヒント>
相対的貧困率とは「等価可処分所得の中央値の半分」を下回る人の割合を意味します。 

正解は「15.7%」です。2018年の等価可処分所得の中央値の半分の127万円に満たない人が15.7%(約7人に1人)います。

この記事の著者について​

執筆者プロフィール

池田 信人

自動車メーカーの社内SE、人材紹介会社の法人営業、新卒採用支援会社の事業企画・メディア運営を経て2019年に独立。人と組織のマッチングの可能性を追求する、就活・転職メディア「ニャンキャリア」を運営。プロジェクトデザインではマーケティング部門のマネージャーを務める。無類の猫好き。しかし猫アレルギー。

監修者プロフィール

福井 信英

富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。

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