“組織と個人の協働の可能性”とは|カードゲーム「2050カーボンニュートラル」コンセプトストーリー

本稿では、カードゲーム「2050カーボンニュートラル」のコンセプトである “組織と個人の協働の可能性” についての内容をご紹介します。

Contents(目次)

歩調を合わせた協働とは?

かつて、実質的に世界初の量産電気自動車と称された「i-MiEV」という自動車がありました。

2009年に法人向け、翌年には個人向けに販売開始するも「補助金を活用しても高額」「充電インフラ整備の遅れ」などの要因によって販売が伸び悩み、生産終了となりました。

しかし、もし仮に、

  • 電機メーカーが急速充電器を普及させる
  • 住宅メーカーが自宅での充電設備を普及させる
  • 政府が十分な補助金を用意する
  • ユーザーが購買行動をする

このように企業と行政、市民が歩調を合わせた協働をできていれば、異なる未来になっていたかもしれません。

これは一例に過ぎませんが、カーボンニュートラルの実現という大きなプロジェクトを成し遂げるには、人々が、企業・行政・市民というそれぞれの役割の中で相互にアクションと呼応を繰り返しながら歩調を合わせて前に進んでいくことが大切です。

行政はカーボンニュートラルに向けてビジョンを掲げ、企業はカーボンニュートラルの機運をビジネス機会だと捉え、行政や企業が市民に意識啓発を行って市民の購買行動が変化していく。

この歩調を合わせた協働の連鎖がスパイラルアップ(好循環)を生み出し、「カーボンニュートラル」と「国民生活のメリット」を実現させる方向に進んでいきます。

しかしながら、現実においては電気自動車「i-MiEV」の事例のように、「協働」が生まれる前に、人々が、それぞれの立場で苦しんでいる現実があります。

  • 「脱炭素の商品が売れないのは行政が非協力的だから!」と嘆く企業の社員
  • 「市民の意識が低くてカーボンニュートラル宣言が名ばかりだ」と悲しむ行政の職員
  • 「温室効果ガスの排出量増加は大企業の責任。市民は被害者だ!」と憤る市民

カーボンニュートラルの実現という大きなプロジェクトに対しては、企業・行政・市民がそれぞれの立場で孤軍奮闘し続けても上手く行かないことが多く、結果的に、誰もが他責思考になり、被害者意識を抱きやすくなります。

孤軍奮闘を避け、立場の垣根を越えて、互いに歩調を合わせて協働する必要があります。

“組織と個人の協働の可能性”とは?

歩調を合わせた協働を推進する上で大切なことは、協働することの可能性に気付くことです。

「2050カーボンニュートラル」ではプレイヤーは様々な組織(住宅メーカー、電力会社、自動車メーカー、環境NPO、金融機関、政府など)の役割をロールプレイします。また、各プレイヤーは組織の活動とは別に、プライベートの活動も行います。

「カーボンニュートラルの実現」という共通の理念のもとに、企業同士、企業と行政、組織(企業や行政)と個人が協働することによって、1+1が3にも4にもなるような相乗効果がゲーム内で次々と起こります。そして、組織と個人の協働によるインパクト(影響の大きさ)を創り出すゲーム体験を通じて、

  • 全プレイヤーが歩調を合わせて取り組む重要性
  • 経済合理性と環境対策を両立させる必要性

について深い理解を得ることができます。

カードゲーム「2050カーボンニュートラル」のご紹介​

カードゲーム「2050カーボンニュートラル」は、過去から現在にかけて私たちが行ってきた様々な活動が地球環境にどのような影響を与えているのかをマクロ的に俯瞰することによって、私たちの価値観や考え方に気づき、行動変容に働きかけるためのシミュレーションゲームです。

ゲームでは、参加者が1つの組織のメンバーとして1~4人のチームを組み、 他のチームと様々な交渉を行いながら、組織の活動とプライベートの活動を行います。ある組織では獲得資金を増やすことを目指し経済活動を行っていきます。また、ある組織では排出削減量の目標に向かって環境活動を行っていきます。

こうした活動を通じて組織の目標達成を目指すプロセスにおいて、私たちの世の中のカーボンの状態がどのようになっていくのかをシミュレーション(模擬実験)します。このゲーム体験を通して「なぜカーボンニュートラルが叫ばれているのか?」、そして「そのために、わたしたちは何を考えどう行動するのか?」に関する学びや気づきを得ることができます。

監修者プロフィール

株式会社プロジェクトデザイン 竹田

竹田 法信

富山県立富山中部高等学校卒業、筑波大学第三学群社会工学類卒業。大学卒業後は自動車メーカー、株式会社SUBARUに就職し、販売促進や営業を経験。その後、海外留学などを経て、地元・富山県にUターンを決意。富山市役所の職員として、福祉、法務、内閣府派遣、フィリピン駐在、SDGs推進担当を歴任。SDGsの推進にあたり、カードゲーム「2030SDGs」のファシリテーションを通して、体感型の研修コンテンツの可能性に魅せられ、プロジェクトデザインへの転職を決意。ファシリテーターの養成、ノウハウの高度化などを通して社会課題の解決を目指す。富山県滑川市在住、地元・富山県滑川市総合計画審議会委員。

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