初心者にも分かりやすい交渉ゲーム

「ボーナンザ」は3~5人、12歳以上、1回45分程度で遊べるカードゲームです。
私、トランプ以外では「UNO」ぐらいしか知らないカードゲーム超初心者なのですが、それでもすぐに馴染めて夢中になって楽しめます。ドイツ産のゲームで、1997年のドイツのボードゲーム専門雑誌『フェアプレイ』のアラカルト・カードゲーム賞で1位になるなど数々の賞を獲得し、高い評価を得ているようです。
ゲームの目的は、自分の豆畑で、豆を植えて、育てて、収穫して換金して、最終的にいちばん所持金の多いプレーヤーが勝利となるもの。

 

・豆カードには、「青豆」、「紅花いんげん」、「そら豆」、「いんげん豆」、「大豆」、「ササゲ」、「赤豆」、「ゴガツササゲ」の8種類あります。
・プレーヤーは、それぞれ場に「豆畑」を2枠まで作れることになっていて、手札の豆カードを場に出すことで、畑に豆を植えたことになって、同じ種類の豆カードを場に足していくことで豆を育てることになり、一定数になれば収穫ができ、収穫数に合わせたお金がもらえます。

 
・まず、それぞれ5枚ずつ豆カードが配られてそれが手札となります。
・自分の番になったら手札の最初の1枚か2枚を場に出して、豆を育てる作業をします。
・その後、山札から、豆カードを2枚ひいて全員に公開します。
このカードはそのまま自分の畑に入れることもできますし、誰かと交換/贈与することもできます。交渉は、他のカードと交換しても、所持金から購入するなどしても構いません。

 
自分の畑は常に2つ(最大3つまで増やせますが)だから、全種類のカードを有効利用することはできないので、他のプレーヤーとの交渉が必須になってくるわけです。

交渉=WIN-WINの関係性構築

このゲームに初めて触れたのは、交渉術のプロの先生が催していた勉強会の中でした。交渉術の先生曰く、交渉術の理論を長々と説明するよりも、このゲームを何回かプレーして貰った方が、よほど交渉の重要性を実感するのが早いからですと。
 
ポイントは、実際のビジネスでもよく言われる「WIN-WINの関係性構築」です。
ゲームとなると、自分が勝つことばかりを優先しがちですが、その考え方だけでこのゲームには勝てないようになっています。他のプレーヤーのそれぞれの豆畑もオープンになっているので、ある豆カードが自分に必要がなければ、その種類の豆が必要な畑の持ち主に、優位になるような声掛けをしてあげるなんていうシーンが必要になってきます。あるいは、自分がどんな種類の豆が欲しいのかを随時発信することによって、他のプレーヤーからの働きかけを受けやすくなったりもします。
 
スティーブン・R・コヴィー博士は、人生の指南書ともいえるの著書『7つの習慣』の中で、第四の習慣として「WIN-WINを考える」と書いています。コヴィー博士は、WIN-WINを支えるプロセスとして、
 
・相手の立場を理解する
・解決すべき課題を明確にする
・必要な結果を明確にする
・結果を達成するための選択肢を出す
 
このWIN-WINを支えるプロセスのすべてが、「ボーナンザ」では結果的に、自分がより多くのお金を生み出す方法として有効なのです。ちなみに、プロジェクトデザイン社の代表的なビジネスゲーム「The商社」では、もっと実際のビジネスに即した形でWIN-WINの関係性構築を体得できます。限られたビジネスカード、資源カード、資金を組み合わせることでビジネスを生み出すことを目的とする「The商社」では、「ボーナンザ」でいう「様々な種類がある『豆』」が、「様々な業種業態がある『ビジネス』」となっているので、よりリアルです。

ゲームストーリーの面白さは成長

また、いくらWIN-WINの交渉術が学べたとしても、ゲーム性が面白くなければ、本末転倒です。しかし、「ボーナンザ」はゲーム性もすこぶる面白く、充足感を得られます。その理由は、ゲームストーリーに、物語の黄金律が備わっていることにあるのです。
 
「種を植え(誕生)→ 成長課程を見守り(成長)→実になり畑から巣立つ(旅立ち)」
つまり、これは、豆の一生を見届けることで、それは人の人生を見届けるメタファーでもあります。人の心を惹きつける物語の根源的な変化/成長のストーリーラインに沿っているので、ひとつのドラマを体感したような気分になり、満足感も高くなるのです。
 
「ボーナンザ」は、楽しく遊びながら、ドラマチックに交渉術を体得できるゲームとしてとてもオススメです。

WIN-WINの関係性構築が学べるおすすめのビジネスゲーム「The 商社」

ビジネスゲーム研修「The 商社」組織力の向上を参加者それぞれの気づきから実現する。個々の能力を最大限発揮し、一丸となった組織を作る


ライター:星野卓也
日本大学芸術学部映画学科(映画理論)卒。
慶應義塾大学システム・デザインマネジメント研究科後期博士課程在籍
シナリオマーケター。テレビドラマやテレビゲームの脚本家出身で、ストーリーの技法をつかって、ヒト/モノ/コトを魅力化することを生業としている。プロジェクトデザイン社には、2017年2月よりストーリーデザイン協力として参画。ビジネスコミックの脚本も手掛けており、近刊の脚本担当作には『コミック版 できる人の勉強法』、『親子で始めるプログラミング教室』(共にKADOKAWA刊)などがある。