提案書を読んだ瞬間に、直観が閃く

制作に着手した途端、『この中にはダビデ像が眠っている、そして私の手で解放されるのを待っている!』そう確信できるほどでした。

「The Engineers」技術カードと製品カードmini

情報(紫)を集めて、技術(青)を組み合わせ、製品(白)ができるか、挑戦!(クリックして拡大)

元々の提案書では「科学技術を表現した技術カードを組み合わせて、正解の組み合わせを探す」となっていました。
ここから一気に想像力が爆発!


まずは16枚の技術カード。基本となる12種類と、それらを組み合わせて完成する上級技術の4種類。
現代科学を分類したときに、重複無く、漏れも無く、カードに落とし込むのに最適の組み合わせは何か?を自問自答しました。すべての理系学生に満足してもらうためには、このハードルを越えることが必須条件であると直観しました。ほとんど反射的に、自動的に思考が進んでいました。まるで神が私の頭に知恵を注ぎこんでくれているような感触でした。

金曜日の仕事終わりでもうクタクタだったのに、驚くほど頭が冴えて、2時間ほどで16種類のカードは完成していました。特に4種類の上級技術は、他の12種類を3枚ずつ漏れなく重複無く3枚×4種類の組み合わせにすることができたのは、感激の極みでした。
この「技術カード」の完成度の高さだけでも、このゲームが理系ビジネスゲームとして最高峰に位置するに値するのではないか。そう自画自賛したいほどでした。


以下がそのカード一覧です。整理と運営の都合上、カードのidは16進数で表記されています。


0 無機化学
1 有機化学
2 熱力学
3 電気工学/電子工学
4 機械工学
5 マテリアル工学
6 情報工学
7 統計学
8 光学
9 量子力学
A 生物学
B 医学/薬学
C ナノテクノロジー(上級技術)
D 遺伝子工学(上級技術)
E ロボティクス(上級技術)
F 航空宇宙工学(上級技術)



この16枚から2~3種類を選んで、製品を作り出していく。
これだけでも、ワクワクしてきませんか?

できあがる製品には、科学史とSFを混ぜる

そしてこれら16種類の「技術カード」を組み合わせてできる「製品カード」。
こちらでもまたしても天啓が降ってきました。
あるいは、過去から湧いて出たと言うべきなのでしょうか。


農学部出身の私には、「科学の歴史で偉大な発見や発明は?」と問われると、
1)空気の錬金術
2)緑の革命
3)マルサスの人口論の崩壊
が思い起こされます。


それぞれを簡単に解説していきます。
「空気の錬金術」とは、窒素と水素という空気中のありふれた成分から、アンモニアという極めて有益な肥料を生み出したハーバー・ボッシュ法のことです。工業的に肥料を大量生産できるようになったことで食料の大量生産を可能にしました。
「緑の革命」はその化学肥料を最大活用できるように行われたコムギやイネの品種改良です。大量の化学肥料を注ぐと作物の背丈が伸び、折れやすくなってしまいます。それを防ぐために背丈が低いままとなる作物を開発しました。これで投入した化学肥料を増やせば、その分作物の収量が増えるという図式が完成したのです。
そしてこうした科学の発展により、過去の経済予測は大外れとなりました。
18世紀の経済学者マルサスは自著『人口論』にて『人口は幾何級数的に増加するが生活資源は算術級数的にしか増加しないので、生活資源は必ず不足する』という主張をしました。2次関数はいずれ直線を追い越すという理屈です。そして食糧不足による貧困の到来を予想していました。


ですが、過去の悲観的な経済予測は、科学技術の発展により打ち破られたのです!
これは学生時代の私にとって、衝撃的な歓喜をもたらしました。
人類の抱える問題は確かに多く、そして大きい。だがそれらは進歩によって乗り越えられる!
この喜びをなんとか伝えたかった。


ビジネスゲーム「The Engineers」宇宙空間での生活そこで、「製品カード」のフレーバーテキストには、科学史や現代科学の最先端技術、そしてSFを記載し、科学への希望を込めることにしました。私の魂から削りだし、血で書いたような文章です。
この文章は読まれること自体が稀ですし、それで誰かの心を動かせる可能性は低いでしょう。
それでも、伝わる可能性が0でないならば、そこには全身全霊を込めたかったのです。


「困難を進歩により解決する」という体験を得られるように、「情報カード」には「実際に苦しみ、思い悩む人の思い」あるいは「未来への希望を実現しようとする思い」を表現して書いています。

変えたいのは「採用」だけじゃない

前回の投稿では、「理系の採用選考を変えるビジネスゲーム」としての「The Engineers」を紹介しました。
ですが、採用選考だけで留めたくない、というのが私の思いです。
私はこのビジネスゲームで、日本の理系の在り方や、評価を変えたいのです。
ただ学んだり仕事をしたりするだけでなく、世界を動かす力について考えているのだという自負を持って欲しいのです。




ライター:【元帥】竹島雄弥
富山県立富山中部高等学校卒業
東京大学農学部環境資源科学過程生物・環境工学専修卒業
大学卒業後、ふるさと富山に帰郷。プロジェクトデザインに新卒で入社。主に研修コンテンツのロジック開発および、研修用に使用するエクセルの計算表やマクロを構築している。またWebマーケティングも担当しており、サイトの管理運営、テキストの製作を行う。
大学時代には地球環境問題を積極的に学び、その中で学んだ「俯瞰的視点」「論理的思考」「系をモデル化する思考方法」「情報技術」などを活かして活躍している。
事務所内でのもっとも重要な仕事はおいしい紅茶を淹れることである。
 
Q:【元帥】って?
A:ゲームこそ人生。社内ゲーム研修で決定された社内ランクです。
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