人事研修において、その研修の効果がどうだったかというのは、重要なファクターです。

 

研修にも時間やマンパワーなど少なくないコストや予算が投入されています。

 

そのコストがどのようなパフォーマンスをもたらしたか、さらに言えば経営にどれだけ有益であったか、は経営側から見れば関心が高いのは当然と言えます。

しかし、一方で「研修は効果を数値化しにくい」という声も、多くの人事の方からよく聞かれます。

 

研修の効果測定ってやったほうがいい?

 

2016年6月にリクルートマネジメントソリューションズが行ったインターネットによる調査では、約半数の回答企業がここ数年で経営陣からより多くの研修報告・効果を求められているとの結果が出ています。
また、約8割の企業で研修効果測定を行っているとのことで、やはり研修は「やりっぱなし」では意味がないということでしょう。

 

研修の難しさの一つに、研修会場内では積極的で、前向きに学ぶ姿勢でディスカッションやワークに参加しているが、現場に戻ると何も変わっていない、という参加者も少なくないということがあります。

 

この場合、研修直後に「研修満足度」や「学習到達度」を本人アンケートなどで測定して、高評価であったとしても、業務への効果は期待できないことになります。

そのため、本人以外へのアンケートやインタビューなどによる「職場での行動変化・態度変化」を研修後に、時間をおいて観測していくことも大切です。

 

実態としてどのような測定が行われているのか?

 

先述の調査によると、7割強の企業で「本人へのアンケート」が多く、「本人以外へのアンケート」も約半数で行われているようです。「インタビューや面談」では4割前後となり、少しずつハードルが上がっていきます。

「日本の人事部」編集による「人事白書2016」においても、ミドルマネージャーへの研修における課題のトップは「時間」となっており、各人の業務を止めてまで研修やその検証に時間をかけていられない現状も垣間見えます。

 

効果測定のための項目を決めるポイント

 

効果測定するための検証項目をどうするかは、研修自体のコンセプトや目的を明確にしておくことが大切です。

これらがはっきりしていないと、「今日の研修は役に立ちましたか?」や「何を学びましたか?」といった、オープンクエスチョンばかりとなってしまい、効果検証としてはあいまいなものになりがちです。
(往々にして効果の嵩増しを期待してそんなアンケートが横行する気もしますが・・・)

 

少なくとも、「チームワークの向上」や「部下育成アプローチのスキルアップ」などはっきりした目的を設定して、期待値を設定することで、効果の検証項目も自ずと浮かび上がります。

 

長期的に測定することも重要になってくる

 

期待値設定で重要なのは、効果の測定期間です。

経営の視点で考えれば、短いスパンで効果を期待し、その測定も短期間で要求するかもしれませんが、研修の効果はその内容にもよりますが多くは参加者の行動変容を伴うものであり、長期的に測定する必要があります。

特に、複数の研修を組み合わせて相乗効果を狙う場合は、その効果も時間をかけて測定していかねばなりません。

 

また、複数に渡るステップアップ研修(場合によっては数年かけて行う)シリーズ研修にして、研修ごとに同じ項目を測定していくことで、長期的な成長を確認する方法も有効です。

 

まとめ

 

研修の効果測定は経営的な側面からも必要ですが、以下のポイントが大切です。

1)研修自体のコンセプトと目的を明確にする

2)効果測定の期間を適切な長さに設定する必要がある

 

これらのポイントを踏まえることで、より有効な研修効果測定が可能になるでしょう。

 

 

 

ライター:広部 志行
大阪大学卒業後、大手出版会社にて人材リソースや教育のコンテンツ制作を担当。IT企業に転職し、システム開発やデータベース構築を行う。その後、広島に移住し大手商社でソリューション提案、戦略マーケティングを担当する中で、異業種交流研修会も企画運営。その活動の中から、社会貢献事業への目標を見出し、医師らとともに在宅医療クリニックを設立。人事・スタッフ教育・研修企画・広報マーケティングなど広く手がけ、独自開発した地域創生に関する体験型研修が評判となり、全国の医療機関や行政にて実施。現在はプロジェクトデザインのマーケティング責任者として、制作開発も担当。福井県出身。