楽しくないゲームは、要らない

ビジネスゲーム研修もまたゲーム。いわばエンターテイメントの一部。
楽しさが無くては、誰も熱中しません。そこから気づきや学びを得るなど夢のまた夢。
「そもそもゲームとして面白いのか?」
ビジネスゲーム製作中は常にこの疑念と不安に悩まされることになります。
 
少しでも楽しさを増すため。
1人でも多くの人に楽しんでもらうため。
ビジネスゲーム製作には外せないノウハウがあります。
 

1.「自分で選ぶことができた」と実感してもらう

選ぶことは、楽しい

選ぶことは、楽しい

「誰かにやらされる」よりは「自分からやる」方がやる気が湧く、というのは直感で分かってもらえると思います。多くの研究でも、この直感が正しいことが証明されています。
ご褒美や褒め言葉さえ、「成功した時のみ与える報酬」として扱うと「やらされる感」が増すのでモチベーションダウンになるとさえ発表されています。
 
多くの人がエンターテイメントとしてゲームを選ぶのはまさしく「自分で選ぶことができる」という点なのです。「やらされる」のとは逆に「自分で選んでやる」のは、とても気分の良いものなのです。
 
特に自発性や積極性がある人には自分でアクションを起こすのが楽しいという心理があります。自発的な人は、自分で選び、その選択で成功するという体験を積むことで、積極的な人間として成長してきた人なのです。
まずはネガティブな人にも「自分で選ぶ」という体験をしてもらい、そこに成功体験を上乗せすることで、ポジティブな方向へ向かってもらいます。
 
コンピューターゲームには「作業ゲー」と呼ばれる、自分のオリジナリティを出す部分がほとんどなく単調なプレイの繰り返しを味わうゲームもありますが、ビジネスゲーム研修でそれは禁止です。選択の余地が無くなってしまうからです。
 
 

2.協力と対決の、対人要素を重視する

コンピューターゲームの発展は素晴らしく、高画質と多数の文字数字データを高速で処理するエンターテイメント性は、カードゲームやボードゲームでは実現できません。
ではビジネスゲームを含むカードゲームやボードゲームといったビジネスゲームが、これらのコンピューターゲームに勝る点はどの点でしょうか?
 

対決か、対話か。それが問題だ。

対決か、対話か。それが問題だ。

その1つが大勢の人と大量のコミュニケーションができることです。例えチャットやSNSを利用するコンピューターゲームでも、対面で会話を行うビジネスゲームほどのコミュニケーションは行えません。質的にも量的にも。
またルールに幅があることと相まって、コミュニケーションによりゲームは予想だにしない展開へ発展することがあります。これはあらかじめ数値の決められているコンピューターゲームには無い要素ですね。
当然ながら、自分の得意分野を伸ばすのが勝負の鉄則。すなわちビジネスゲームがコンピューターゲームに勝る楽しさを提供しようと画策すれば、それはコミュニケーションの楽しさですしかありえないのです。
 
ビジネスゲームを製作するときには、必ず対人要素が勝敗に強く影響するように設計しています。
弊社のパッケージ商品として売り出しているビジネスゲーム「The 商社」でも「The Shop」でも、交渉や他者との協調が巧みな参加者は必ず好成績を残せます。取り分け「The 商社」では、自分のチームだけでは決してゲームがクリアできないように設計されています。
反面でよりゲームをスリリングなものにするために、対決の要素もビジネスゲーム研修に織り込まれます。「The Shop」では「営業力」や「技術力」といった能力値があり、これが劣っていると他チームに自分チームのカードが奪われてしまいます。他チームに奪われないようにするためにも、他チームから奪うにも、戦略的な交渉を、いわば「外交」を進めていく必要があるのです。
これらの対人要素はコンピューターゲームよりもランダム性が低くなり、人間依存性が非常に高くなります。
 

3.現実に即したシステムをシンプルに設計する

このビジネスゲーム製作ブログコーナーの第1回でも書きましたが、ビジネスゲームをシンプルな設計にすることには多くのメリットがあります。
1)ビジネスゲームを理解してもらうための時間が短縮できる
2)振り返りワークで気づきや学びが短時間でたくさん得られる
3)メッセージを伝えやすい

以上のメリットを第1回ではお伝えしました。
第1回のブログはコチラから。
 

複雑な現実をシンプルなゲーム

複雑な現実をシンプルなゲームに

これらに加えて、ビジネスゲーム研修を楽しんでもらうためにも、シンプルさは大切です。特に普段はゲームをプレイすることが少ない傾向にある女性や比較的高齢な世代の方に楽しんでもらえるゲームは、シンプルなゲームだけです。複雑なビジネスゲームはそれだけで一定の層に嫌われてしまいます。
 
それでいてビジネスゲームへの没入感や、メッセージの説得力を増すためには、現実の再現性が大切になります。現実を再現しようとすると、どうしても複雑になりがちです。これは厳しいジレンマですね。
 
複雑さを回避し、かつ現実味を持たせるには、現実で動いているシステムのうち、一部のみを正確かつ本質的な形で導入することが大切です。
曖昧な表現になりましたが「直感的に正しいと思える理屈がルールになっており、その理屈に従ってゲームを進めていくと新しい事実に気づく」ような仕掛けを心掛けていれば、上手くビジネスゲームを設計できます。
 

具体的な例を、ビジネスゲーム「The 商社」を使って紹介します。
「The 商社」では資金と特定の資源のカードを投入し、ビジネスを成立させていき、資産を増やしていくことが目的です。「お金と資源を投入してビジネスを成長させる」というのは直感的に理解してもらえるルールですよね。
ですが、ビジネスの設立に必要な資源が常に自分たちの手元にあるとは限りません。そこで資源を保持している他チームと交渉して譲ってもらうことになります。しかし、もちろん相手が無償で資源のカードを譲ってくれるはずはありません。この交渉は自分の資金や資源を相手の資源と交換してもらうことで成立します。
ここで研修参加者に考えてもらいたい命題がどうすれば交渉をスムーズに進め、欲しい資源を獲得できるかというものです。
結論は、「相手にも自分にもメリットがあるWin-Winの交渉を持ちかける」ことです。
Win-Winはよく耳にする言葉ですが、実際にどのような取引なのか相手の立場に経って考える機会はビジネスの現場では非常に稀です。ですがビジネスゲームの場であれば「Win-Winが最適の行動であると直観的に理解する」ようになるのです。そしてこの「Win-Win」こそがビジネスゲーム研修「The 商社」で参加者に伝えたい最大のメッセージの一つなのです。
したがってルール通りに進めていくと、最適のビジネス戦略がメッセージとして発見してもらえる設計になっているのです。
 
繰り返しになりますが、大切なのは
1)直感的に「現実と同じだ」と納得できるルール
2)ルールに従って進めていけば自然と気づいてもらえるメッセージ

の2点です。
これをビジネスゲーム研修に導入するには、言わずもがなビジネスゲームの設計者自身が、現実で動いているシステムの本質を理解しており、単純に説明できることが不可欠となります。
そのため、我々ビジネスゲーム研修製作者は、常に「社会を動かしているシステムの本質と、システムがもたらしている影響」について学びつづけているのです。
 
 
 
少しでも楽しさを増すため。
1人でも多くの人に楽しんでもらうため。
日々進歩していく社会の中にあって、ビジネスゲーム研修製作のための勉強に、終わりはありません。
 
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ライター:【一等兵】竹島雄弥
富山県立富山中部高等学校卒業
東京大学農学部環境資源科学過程生物・環境工学専修卒業
大学卒業後、ふるさと富山に帰郷。プロジェクトデザインに新卒で入社。主に研修コンテンツのロジック開発および、研修用に使用するエクセルのマクロを構築している。またWebマーケティングも担当しており、サイトの管理運営、テキストの製作を行う。大学時代には地球環境問題を積極的に学び、その中で学んだ「俯瞰的視点」「論理的思考」「系をモデル化する思考方法」「情報技術」などを活かして活躍している。
事務所内でのもっとも重要な仕事はおいしい紅茶を淹れることである。
 
Q:【一等兵】って?
A:ゲームこそ人生。社内ゲーム研修で決定された社内ランクです。
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