皆様、お久しぶりです、桑原です。近頃、今期履修したほとんどの講義で提示されている、課題やらグループワークなどが山積しています。学期も折り返しを過ぎたこともあり、重めの課題が多くなってきました。年齢問わず、同期の皆が目の下にクマを作りながら勉強しています。大学院って思っていた以上に忙しいですね。楽しいですけれども。
 
 さて、前回は「戦略の決め方」について重要な要素を紹介しました。今回は予告通り「優位性」について話したいと思います。優位性については、優位性の源泉と維持の方法の2つに分けて話したいと思います。今回は源泉の方をメインに話します。
 
 自分で戦略を決めるときはもちろん、競合他社の分析をするときにも「競争の優位性」に焦点を当てることは当たり前です。このブログを読みの皆様は、最終的には「優位性を生み出すための組織作り」に興味関心と目標を置いていると思います。
 
 話を戻します。優位性の分析や構築を行うとき、実は見落としがちな視点があります。それは「優位性を維持する」という視点です。維持と聞くと、先ほどにもあげた、高い技術力や市場シェアなどに代表されるような模倣困難性を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ここでいう「維持可能な優位性」とは少し違います。
 
 今回も結論を先に持ってきますが、「優位性は、最終的に組織に宿る」ものです。以下、詳しく見ていきます。
 
 

そもそも『優位性』はどこから生まれるのか


組織論備忘録_優位性_2
 さて、ちょっと身近な例を出したいと思います。皆様、部活をしていた経験はありますか? 特に「大会などがあり、順位が付けられる」種類の部活に入っていた経験がありますか? そのような方々は「県内・全国での強豪校がなぜ強いのか」を考えたことがありますか? さらに踏み込んで、「なぜ一時期だけ強い学校と継続して強い学校が存在するのか」と考えたことありますか? この現象の中に「優位性の維持」という点での示唆が得られると、僕は考えています。
 
 僕は中学高校とバドミントンをしていたので、それを例に説明していきたいと思います。運動なので、勝つためには「技術力」だけが重要であると考えます(体力とか筋力もありますが、それも技術力に含めてしまいましょう)。なので、勝てる学校は「技術力が高い」学校ということになります。
 
 さてさて、僕の記憶が正しければ、僕の地域には「いつも強い学校」と「一時期だけ強かった学校」がいました。後者が何故「一時的に強くなったのか」ですが、ほぼ確実に「もともと技術力が高い人が、たまたまその学校に入学したから」という理由でした。学校全体としては技術力が向上しているので、一時期は勝てますが、2年もすれば元の水準に戻ってしまいます。ところが、「一時期だけ強かった学校」であっても、「いつも強い学校」に昇華するところもあります。この違いはどこから生まれてくるのでしょうか?
 
 違いの原因は「高い技術力を生む習慣を、組織で根付かせることができたかどうか」です。高い技術力自体は一朝一夕で生まれるわけではありません。何かしらの習慣・考え方があるはずです。それを全員で共有し、実行できたかが「一時期だけ強い」と「継続して強い」の差を作ります。
 
組織論備忘録_優位性_1
 この例から得られることは「要素だけを取り入れてもダメである」ということです。競合分析や他の分野での企業の成功体験を聞き、その成功要因だけを真似しようとしていませんか?
 
 上記の例では「技術力」としていましたが、これを「コスト優位性」や「差別化」などの言葉に入れ替えてみましょう。読者の皆様が普段関わっているビジネスでの成功要因でも構いません。何かしらの競争優位性を生み出したければ、それを生み出すための習慣が必要となってきます。その習慣を組織内に根付かせなければ、企業は優位性を維持するどころか生み出せもしません。その意味で、競争の優位性は組織に宿るのです。
 
 

優位性を生む習慣を根付かせるには「制度」が必要

 さて、「優位性は組織に宿る」ことと「優位性を生む習慣を、組織に根付かせる」ことが大事であると書きました。「じゃあ、早速習慣づけよう!!」というわけには・・・残念ながらいきません。ここも割と、組織作りの際に失敗してしまう点ではないでしょうか。
 
 組織作りの一面として、「制度設計」があることは、読者の皆様には既知の事実でしょう。トレードオフやモラルハザードという言葉は設計上で注意すべき要因です。これらの要因は、組織の習慣を変える(根付かせる)際にも、十分に気をつけなければ、失敗を生み出してしまいます。特に「習慣を変えることによって生じるコンフリクトや習慣そのものが生み出すマイナスの効果」を考慮に入れずに、メリットだけしか考えなかったが故に、失敗に終わるというパターンが多いのではないでしょうか。
 
組織論備忘録_優位性_3
 次回は、今週の内容を踏まえて「制度設計」というテーマでブログを書きたいと思います。今回は短めになってしまい申しわけないです。年内に・・・書きます。頑張ります。授業の一環で、非常に有益な実例を当事者の方から最近聞いたので、それも交えて話したいです。
 
 
 それでは、また次回よろしくお願いいたします。
 
 
 
ライター:【三等兵】桑原健人
富山県立富山中部高等学校卒業
法政大学経営学部市場経営学科修了
現在、一橋大学商学研究科経営学修士過程所属
現在は学期中のため学生中。学期末に入り、各講義が本気を出してきたため、虫の息真っ只中。
今の所、クリスマスはイブも当日も課題と一緒に過ごす予定。