受けた研修が組織に定着しない理由

 
人事担当者として、企業研修の設計にあたった人であれば誰しも
 
「研修をやりっぱなしにはしたくない」
 
と感じることと思います。実際に、一度研修を受けると、それを十分に吸収し、社内に定着させることが可能な組織も、僅かながら存在します。しかし、多くの組織は、学んだことは時とともに薄れ、忘れられ、やがて「研修を受けたけど、なんだっけなぁ」と感じる状態になるのではないでしょうか。
 
この、研修で受けた内容を業務に活かせないまま、忘れてしまう。
という問題の原因を、研修講師や研修プログラムの内容に求めるのは、簡単ではありますが、本質的な解決には繋がりません。より優秀で、より高価で、より日程調整が難しい講師を探し、選び続けることができる会社は非常に限られているでしょう。
 
このような問題を解決する場合、「なぜ、その出来事が起きているのか」という問題の構造まで踏み込む必要が出てきます。問題の原因を人に求めるのではなく、構造に求めるわけですね。
 
氷山モデル

 
研修効果多くの組織で陥っている、研修の効果を定着させられない構造は右の図のようになっています。研修を通じ、「やる気・知識」は増えるが、現場でそれを活用させる機会がなく、使わないものは失われるということで、「やる気・知識」が失われていく、ということですね。
 
この問題を解決するために、多くの場合、組織はいくつかの方法を採っています。
 
1)学んだことをすぐに吸収し、実践する海綿のような人材を採用する
2)研修内容をマスターし、実践している人を現場のマネジャーに置く
3)研修機会を増やす(人は忘れるもの、という前提に立つ)
4)現場で定期的に会議の場を設け、学んだことを実践する(ex.QCサークル活動)
5)小さな「成功組織」を社内に創り、それを他の組織に伝播・波及させる

 
1で挙げたような優秀な人材のみで構成される組織はほぼありません。故に2-5を組み合わせて考えねばなりません。
 
2が出来れば長期に渡り、効果的な施策となりますが、厳しい経済環境が続く中、幹部候補の人材育成を怠ってきた会社は、このマネジャー人材の育成から始めねばなりません。
 
3は力技ですが、あまりにも研修機会が少ない会社には、年次や役職に応じて体系的な研修プログラムを作成する努力に取り組むべきでしょう。
 
4は効果的ですが、学んだことを実践し、業務改善に取り組むためには強い意志を持ち、時には外部の助けを得ながら実施する必要があります。マネジャーの育成を怠っていた会社は、まずマネジャーを集めて課題を解決するプロジェクトチームを結成するところから始めるのも良いでしょう。
 
5は、4で生まれた成功体験を組織に広げていくというプロセスになります。
 
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弊社では上記に加えて、
 
6)会社の「共通言語・価値観・仕事の姿勢」を伝えるビジネスゲームを創り、社内で講師を育成して繰り返しその「共通言語・価値観・仕事の姿勢」を伝えていく
 
という方法も推奨しています。ゲームを通じ楽しみながら、会社が長期に発展していくために必要な共通言語や価値観を学んでいく。またその伝道を人事部なり社内のマネジャーなりが定期的に行う。そんな人材育成の仕組みが出来たら面白いと思いませんか?
 
是非、いつかトライして頂きたい、そんな風に思います。
 
 
※会社の共通言語・価値観・仕事の姿勢を伝えるビジネスゲーム体験会はこちら
https://www.projectdesign.co.jp/trial

 
 
ライター:福井信英【社内ランク※元帥】
富山県立富山中部高等学校卒業
慶應義塾大学商学部卒業

経営コンサルタントして3年、ベンチャー企業のマネジャーとして7年勤務した後、ふるさと富山で起業。
小説家になろうと思って、いくつか文章を書いたが思ったよりセンスが無く、それよりさらに根気がなく、その夢はあっさり諦めた。カネも彼女もなくなった自分を救ってくれたのは、マネジャー時代に趣味で作成していたビジネスゲーム。いつの間にか全国から研修や制作の依頼が来るように。モットーは「好きこそものの上手なれ」「人生は神ゲー

Q:【元帥】って?
A:毎月の社内研修で決定される社内ランクです