システム思考-「線」ではなく「輪」で考える問題解決手法-

まずはシステム思考とは何かを考えてみます。
先に結論から簡単にまとめておきますと、
『システム思考とは、結論に影響を与える要素と要素がお互いに影響し合うものとみなす』
という考え方です。
システム思考のこの特徴は、論理的思考の特徴である
『一つの要素がもう一つの要素に一方的に影響を与えるものとみなす』
という考え方と対になって説明されることでより理解しやすくなります。

システム思考と論理的思考、それぞれの例を挙げて考えてみましょう。
システム思考_キツネとウサギシステム思考で解釈されるのは、その名の通り生態系(システム)に関わるものです。よく食物連鎖の例としても挙げられる「キツネとウサギ」がシステム思考で考えられるます。キツネの個体数が増えると、狩られるウサギが増え、ウサギの個体数が減る。するとエサとなるウサギの数が減ってしまうので、キツネの個体数も減る。キツネが減れば、今度はウサギが増える。こうした「一方が増えると、もう一方が減る。一方が減るともう一方が増える」という相互に影響し合う『有機的な関係(オーガニック)』がシステム思考です。

システム思考_機械とテレビ一方で論理的思考の例としては「工場の生産機械の台数と生産量」が考えられます。「生産機械の台数」が増えると「生産量」も増え、「台数」が減れば「生産量」も減ります。「生産量」が「生産機械の台数」に直接的な影響を及ぼすことはありません。(もちろん間接的には影響します。「生産量」が上がることで「売上高」が伸び、設備投資ができるようになったので「生産機械の台数」が増えるような状況です。)「一方がもう一方に対して支配的な影響力を持つ」形での一方通行での『無機的な関係(インオーガニック)』が論理的思考になります。

画像を見ればお分かり通り、システム思考「輪」で考えるのに対し、論理的思考は「線」で表現されています。相互に影響し合うか一方が支配的になるかが一目瞭然です。

なぜシステム思考が必要になるのか

実際にビジネスを営むと、論理的思考だけでは限界があります。「販売量、販売価格、売上高」の関係を考えてみましょう。
論理的思考で考えれば、販売量が増えれば売上高も上がります。しかし実際のビジネスでは販売量が増えれば、消費量に対して過剰供給になり、販売価格を下げざるを得ません。販売価格が減れば、当然売上高も減少します。
つまり論理的思考のみで考えると、「販売量が増えると売上高が増える」「販売量が増えると売上高が減る」という矛盾を解決できないのです。それどころか、矛盾が存在することにさえ気づけず、「販売量が増えると売上高が増える」という一面にのみ注目してしまい、ひたすらに販売量のみを増やそうと努力した結果、売上が落としてしまうことがあります。
『働けど働けどわが暮らし楽にならず』という、努力が仇となる状況に陥るのです。

そこでシステム思考の出番です。この現状を図に表してみましょう。
システム思考_販売量と売上高図解にしてみると、問題がすっきりと見えてきます。販売量、販売価格、売上高の関係がループ状に表現され、販売量の増加により売上を増やす力と減らす力の両方が働くことが見えてきます。また、売上高が増えれば販売量も増やすことが自然であるので、その力も図には書き加えてあります。

システム思考では「販売量と価格」のように「一方が上がればもう一方も上がる。お互いに高めあう」ループを『自己強化型ループ』と呼びます。また「販売量と販売価格」のように「一方が上がるともう一方を下げようとする」ループを『バランス型ループ』と呼んでいます。
つまり、システム思考から判断すれば「自己強化型ループとバランス型ループが同時に存在しているので、販売量の増加が売上高の増加に直結しない」ことが言えます。もし売上高を増やそうと試みるのであれば、自己強化型ループのみが動いてバランス型ループが機能しないように、販売量が増えても販売価格が落ちないように商品の魅力を高める必要がある、という問題の解法が得られるのです。
こうした『俯瞰的視点からの問題解決』を可能にするのがシステム思考です。

システム思考を学べる新作ビジネスゲーム研修
「The Essential oil」

ここまで説明したシステム思考を理解するためには、自己強化型ループとバランス型ループを自分の手で描けるようになる必要があります。今回はそのための訓練ができるビジネスゲームを開発しました。

新作のビジネスゲームは、システム思考を学ぶ「The Essential oil」です。
システム思考_The Essential oil基本ルールは到ってシンプルです。あなたは森林を伐採し、エッセンシャルオイルへ加工して販売する業者になります。しかし、ひたすら伐採ばかりしていると森林資源が枯渇していまうので、森林保全のために資金を投入する必要があります。エッセンシャルオイルの売上と森林保全への投資をコントロールし、資産額1位を目指して経営しましょう。

ビジネスゲーム「The Essential oil」はルールはシンプルですが、ビジネスの基本である「利益を元に設備投資を行い、さらに利益をあげる」という自己強化型ループと、「販売量増大を求めて森林伐採を行うと、森林資源が枯渇してしまう。そのために過度の伐採は長期的な販売量を引き下げ、利益の低下に繋げる」という目立ったバランス型ループが仕込まれています。そのために、プレーヤーはビジネスゲームを通じて自ずからシステム思考に、一つの要素が他の要素と相互に影響しあうオーガニックな関係が存在するという考え方に慣れていくのです。

システム思考を学びたい方、新しい問題の解決策をお探しの方、森林保全と経済の調和について学びたい方、ぜひ一度ビジネスゲーム「The Essential oil」をお試しください。

7月には体験会を開催します。是非ご参加ください!
ビジネスゲーム研修体験会7月 (午前 The商社/午後 The Essential oil)

ライター:竹島雄弥
富山県立富山中部高等学校卒業
東京大学農学部環境資源科学過程生物・環境工学専修卒業
大学卒業後、ふるさと富山に帰郷。プロジェクトデザインに新卒で入社。主に研修コンテンツのロジック開発および、研修用に使用するエクセルのマクロを構築している。またWebマーケティングも担当しており、サイトの管理運営、テキストの製作を行う。大学時代には地球環境問題を積極的に学び、その中で学んだ「俯瞰的視点」「論理的思考」「系をモデル化する思考方法」「情報技術」などを活かして活躍している。
事務所内でのもっとも重要な仕事はおいしい紅茶を淹れることである。